心の叫び (2007年9月17日)


心の叫びに
じっと目を閉じて
波が動き出すひとときを待つ
つくつく法師の泣くさまが
その叫びに似ている
夏の終わりと秋の始まりが
交差する短さ

谷間を渡る風の音
故郷の山の頂に立つ
一本松に寄り添うとき聞こえた
また
夜のしじまに女と交わりながら
砂浜で聞いた潮騒に似ている

目や耳で感じたものたちは
記憶の底にある触覚
母の胸にしがみつきながら


長い旅 (2006年8月3日)


利根川が増水し
川中島も沈みかけている
緑豊かなこの地に
静かに雨が降り続ける

もうじき梅雨も明け
やがて暑い陽が降り注ぎ始める
汗を流し
それが蒸気となり
また雨となって土に還る

大地も呼吸を続け
生を保つ
人は大地から生まれ
大地に帰る
その魂は天に召される

長い旅をしてきた
今しばらくは歩き続けよう


通学電車の憧れの君へ


通学電車の憧れの君
今まで君の視線は僕のほうには向かず
本を見たり下のほうばかり向いていた
だから僕は君の顔ばかり
見ることができた

なのに今日は
僕の後ろの窓から外を見てるのか
僕のほうばかり見てる
だから僕は君の顔を見ることができない

君の眸を見つめることができたら
まっすぐに君を見ることができたなら
どんなにいいだろう
けれど僕にはそんな勇気はない

いつか君の瞳を見つめて
そっとキスしたい

それができたなら



邂逅  (2003年3月28日)


長いこと夢に見ていた
君と出会えるその日のことを
新しい街に住み
誰も知る人のない街に住み
すべてが変わり
すべてが終わる
とめどなく流れる涙は
夢の色さえ知らなかったろう
時折響く
木霊の色さえ
そして明日は
君に会える日
待ちに待ったその時が来る

長いこと夢に見ていた
あなたと会えるその日のことを
海の見える丘に行き
誰も訪れることのない丘に
すべてが変わり
すべてが始まる
海を行く番いの鴎は
夢の味さえ知らなかったろう
時折響く
海鳴りの色さえ
そして明日は
あなたに会える
待ちに待ったその時が来る






This page hosted by GeoCities Get your own Free Home Page