混乱の系譜
愛しき後輩達に捧ぐの第3回に出てくる、昨年店長に提出した『提言』の内容を公開します。提出した経緯、その後のことは愛しき後輩達に捧ぐを参照して下さい。過去どんなことがあって、今の僕と店長があるのか、その時の事件を知らない後輩達にとっては衝撃かも知れませんね。
以下本文。名前は変更されています。実際に提出した書類には僕の実印と、P/Aの署名が10人以上ありました。
提言
T店店長 ×××××殿
1999年11月29日
この文書の著作に関わる一切の責任を持つことをここで宣言します。
m.<ココに押印>
1.目的
年の瀬まで一月となりました。年末年始のパート・アルバイト(以下P/Aとする)の出勤状況は個々に差がありますが、来るべき長期にわたる繁忙期を目前に控えるにあたり、現状の××××店長(以下店長)と××××社員(以下Sさん)とP/Aの間に存在する不協和な現状について警鐘を発すると共に、年末年始だけに限らず今後の関わり合いを改善すべく、あくまで私個人の見解ではありますが問題提起とその改善方法の模索を求めたい(勿論私の提案も付記します)と思い、今回の文書提出に至りました。
2.序論
先ず、この文書の最終ページの、「問題提起」と記された文章をお読み下さい。無秩序な冊子の編集を、ここでお詫び致します。
さて、その文章に記されている通り、文章を作成したのは11月26日です。ここで、お断りしたいのは、正直申しましてあの文章を作成した時は、問題提起をする意思は確かにありましたが、具体的な要望が記されておらず、いささか抽象的な感が否めませんで、私個人の主観では店長への提出は控える所存でした。ところが11月28日の時点で、一部のP/Aにその文章を読んで頂いた上で、賛同できるならば署名をして欲しいとお願いしたところ、ご覧のように大変多くの人が署名してくれた、その事実をご理解して頂きたいと思い、添付することにしました。そのため、「問題提起」と本文中で矛盾する内容が記載されることもあるかと思いますが、全て本文中に記載されている内容のみでご理解頂きたいとここで御断わりします。
3.シフト組みについて
先ず最初の事柄は、シフト組みについてです。11月初めにSさんから店長に担当が移行したことはオペレーションノートで拝見しました。シフト組みについてはつい先日も一部P/Aから直接口頭で店長に質問がありましたようですが、私と致しましても納得するに難い事柄が幾つかありました。
例えば、土曜日・日曜日ランチタイムにおけるキッチンの11:30入りが突然12:00入りに変更されていたこと。22:30上がりなるシフトがあったこと。日曜日におけるホールの休憩時間が変更されたこと。これまでキャリアのあるP/Aがシフト表の中心側に名前が記載されていたが、ランダムになったこと。
これらの中には解決したこともありますが、私どもはシフトを組む社員が変わることは知っていましたが、シフトのシステムが変わるとは知らされていませんでした。社員にはそれぞれ独自のやり方が存在して、店舗としての一貫性は必要ない、ということでしょうか。社員の引継ぎが確実に行われていたのか疑問です。
変更があるのならばその旨をお知らせ下さい。何も伝えられずに変更されたのでは変更の理由が判りません。
3.労働時間について
キッチン業務に関して、昨年に比べて尚一層に作業内容が高度化しているのが現状です。それなのに昨年に比べて非常に少ない労働時間でのシフト組みになっています。例えば、私の記憶している限りでは、以前平日のディナータイムのキッチンは、16:30〜21:30、18:00〜23:00、18:00〜23:00の3人体制で、合計15時間でした。現状は17:00〜21:00、18:00〜23:00、18:30〜23:00の3人体制で合計13.5時間です。ホールは以前17:00〜21:30、18:00〜23:00の2人体制で合計9.5時間、現状は17:15〜20:30、19:00〜23:00の2人体制で7.25時間です。この数字から判るとおり、個人の負担は大きくなっています。それに加えて、以前よりもP/Aの人員が増えており、シフトイン出来る日が少なくなっている状況です。そして、時給に関してはほぼ2年間変わっていませんし、この先上がるという話も聞いておりません。
P/Aの人員増加は店舗の運営上やむを得ないことかもしれませんが、あくまで被雇用者個人個人に置かれた実状は、仕事内容が高度化し、作業人員が減少し(すなわち個人当たりのノルマが増加)、労働時間が削減され、時給は据え置きという有り様です。飴とムチという俗語がありますが、まさにムチのみではないでしょうか。
4.オペレーション
店長とSさんのオペレーションに相違が多々あります。フロントという同じポジションで2人の仕事内容が違いすぎるので、統一して下さい。例えば、Sさんはディナータイムのラスト作業で、21:30ごろから、キッチンとホールのラスト作業がほぼ終了するまでパントリーのラスト作業に従事していますが、店長は限られた範囲内での作業となっています。
また、オペレーションの指揮官としてのキッチンの状況把握が今一つ完全に行われていないように見受けられます。各ポジションの仕事内容、優先順位、スタンバイ状況などにおいての把握がなされていない為だと思います。これについては、以前より私が日曜日のキッチンのオペレーションに参加、もしくは見学して頂きたいという申し出に対し、僅か一日のみの実施のみで、消極的に感じます。以前店長はキッチンが不得意であると仰っていましたが、それではあまりにも無責任です。
5.勤務態度について
店長の勤務時における心理状況は私が知る由もございませんが、理屈の通らないお叱りを受けたり、お顔を拝見することが、最近では珍しく無くなってまいりました。
P/Aが店長の機嫌を伺い乍仕事をしている現状はナンセンスです。
私はP/Aという立場にありながら同じP/Aに対して、自分が先輩であるにせよ上司でもないのに、指導したり時には声を荒げることもしばしばありますが、私自身では理屈に叶った手順を踏んでいるつもりですし、自分の機嫌による八当たりは一切しないように心掛けています。他のP/Aがどのように感じているかは判りませんが、厳しく指導する人にはその理由も言葉不足ではありますが説明していますし、ディナータイムに従事することがあるP/Aとのコミュニケーション(仕事に関する話です)を積極的にとるようにし、自分自身の勤務態度も、後輩たちの手本になれるよう、至らない点も多々ありますが日々注意し努力をしているつもりです。先にも述べましたが、「問題提起」の文書の署名をお願いする際にあたっても多くの後輩たちが快く署名し、賛同してくれたことに対して甚大なる感謝をするとともに、私の店舗に対する思いが多少なりとも後輩に浸透していることが実感できました。
6.特に付記したいこと
私はこの店に長い期間従事して、愛着もありますし、少しづつ売上も向上しているという話もお聞かせ頂いて我が事のように嬉しく思っておりますし、あと一年間お世話になりたいと思っています。
店舗の売上は私自身には何の損得もありませんし、他のP/Aに至っては店長から指導されないような事柄まで事細かに私から指導され、本来なら少々不満の声が上がっても当然ですが、皆一様に一所懸命に取り組んでくれています。仕事の出来・不出来は個人差があり、不幸にも厳しくされる人たちでさえも、必死な姿勢は確かに感じとれています。
私はそんなよき後輩たちに支えられ、できる限り仲間達と共にこれからも働いていきたいと思いますし、この店に貢献していきたい、と思っています。
全てのP/Aが気持ち良く働ける店舗であるために、そして、来るべき年末年始のために、修正していかなければならないことは沢山あります。
店長とP/Aの間の信頼関係を確立させること。オペレーション、シフト、勤務態度、さまざまです。
メリハリをつけること。仕事とは厳しくつらいものです。その中で、やり遂げた時に至福を味わったり、共に疲れを労ったりし、失敗した時には注意しあったり、励まし合ったりするものです。緊張感が足りないと思います。
絶対的な権力を持つ人間は、誰よりも働き、誰よりも厳しく、圧倒的で、そして誰よりも優しくなくてはならない。私の所感です。
店長の誠意ある回答をお待ちします。
問題提起
2000年 11月25日
11月23日、祝日。午後6:30。客席は4分の1ほど埋まった程度。静かな立ち上り。「今日は暇なのかな」という雰囲気が店を包み始める。しかし、こんな日は、一度集客し始めると、空いた席が一気に埋まり、オーダーが重なる。非常に厳しいピークとなる。油断は出来ない。緊張感を保たせなければ、と僕が思っていた頃、書類を脇に抱えて事務所に退けた人がいる。こともあろうに指揮官の店長だった。
その日はたまたま暇のまま一日が終わったため事無きを得た。しかし、指揮官がオペレーションを放棄した後、店内のモチベーションは一気に下降した。正直、僕も馬鹿らしくなった。アルバイトが、休憩という形で上で待機するのとは訳が違う。
土曜、日曜の17:00の時点で、店長がブレザーを羽織ってピークに備える体勢を取っているのは50%に満たない。日曜の出店時間は平均11:00。稀の寝坊とは訳が違う。トラブルがあったらどうするのだろうか。確かに、対応するのはその時キッチンにいるアルバイトかもしれない。店長がいる時といない時に行われる処理は同じであろう。だったら、いいのだろうか。
日曜のピーク前、17:00。キッチンは緊張感が張り詰める。2年8ヶ月毎週ほぼ休まず同じことを繰り返してきた僕は、この時間は2年8ヶ月前と同じだけ緊張する。その時間にブレザーを着ていない店長。ホールから大きな笑い声が聞こえる時もある。店長が、この岩塚店に来た8ヶ月まえに仰った、「楽しく仕事をしよう」というのは、このことなのか。
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思えばお盆もそうだった。8月15日日曜日、17:00すぎまでBホールの奥で仮眠をとっていましたよね。僕は30分足らずの休憩で、身を削って奮闘していましたよ。それは僕が望んだことですが。一年で一番忙しい日、全員が一丸となるために、先輩が休んでたら後輩ついて来ないですよ。あの時間僕が休んでいたらどうなっていたことか。前日、「俺が手伝う」と言ってくれたのに全然その様子もなくて、やっとキッチンに来てくれた、と思った瞬間、般若の顔でゴミ箱を蹴り飛ばしたのを、今でも時々皆で話してますよ。
大事なのはアルバイトのご機嫌じゃない。あなたの提唱する「気持ち良く働ける職場の形成」とは、僕らの顔色を伺うことですか?店長が店の繁栄を第一に身を捧げて真摯に働く姿が、後ろに続くパート・アルバイトを引き付けるのではないでしょうか。
年末年始は長丁場。このままでは駄目だと思いませんか?
回答次第では、長年お世話になったT店を去る所存です。
文責 m.
<ココにたくさんのP/Aの署名があった>