おれさまコラム:1日の長さ(後編)

 Aとともに自転車屋を冷やかした後別行動となり、テレビ妻、小学生、おれの3人は有楽町の東京国際フォーラムへ。そう、巷で話題沸騰の「人体展」へと向かった。人体展、それは樹脂付けにされた本物のヒトの体が展示されたウルトラヘビーな展示会だ。医療関係者以外ではまず覗くことのできない体内をびしっと見ようじゃないか!

 展示会場は激コミ。ええっ?いや、ほんとにこんでるよ。かなりマニアな展示内容だと思うが、当日券を求める人の列ができている。孫をつれたおばぁちゃんや、「こないだの解剖でさぁ」という会話から医学生とわかるグループ。意味不明なのがカップルで来てる連中だ。なにがたのしくてこんなところに来るんだか、とおもうと、テレビ妻の回答「キャー、って言わせたいんじゃないの?婦女子に」むーん。そう、だなぁ。

 場内もすごい人だかり。遠くに全身標本の頭がぽつぽつと見える。うぉう。ヒトだぁ。いや、遠目にはラ・スペコラの蝋細工に見えないこともないが、100%キレイになっていないあたり、リアルな肉体であったことがわかる。ガラスケースに収められた部分別標本もすごいが、やはり剥き出しで展示されている全身標本のインパクトにはかなうまい。

 筋肉のヒト、骨のヒト、手術中のヒト、はらわたがキレイに抜かれているヒト、スライスされてドミノのように並べられているヒト。ヒトになる途中だった胎児の皆さん。そしてそれを取り囲む人・人・人。

 これら標本のヒトたちは、もちろん献体である。テレビ妻が「男ばっか」というので見回せば、確かにタマ付きが多い。(このタマの下がり方もなかなか興味深いんだが、それはまた別途)やはり女性はカラダにこだわりがあるんだろうか?

 展示の最後に「体感コーナー!」とあり、わらわら並んでいると、とんでもないことになっていた。本物の脳の標本に触れるというのだ。それも触れるだけでなく、持ち上げて重さを感じよう!つー、まぁ、なんともゴージャスな企画だ。ここまできたらやるしかなかろう。目の前にあるのは樹脂で固定されているとはいえ誰かの脳みそだ。灰色の細胞、感情と記憶の中枢、レクター博士がソテーにして食べたアレだ。見た目は意外に小さい。ハンドボールとバレーボールの中間ぐらいの大きさだ。手触りは1日いじられたせいかじっとりと湿気を感じる。ゆっくり持ち上げて一言「かるっ」そう、とても軽い。なんとなくだが「こんだけ大変なことをしてるんだから、人間サマの脳みそは重いのである」と思い込んでいたようだ。重量は1キロ強。人体の神秘、たったこれだけの重量でいろんなことしてんだから。

 その後全身標本とふれあい、記念プリクラを撮り、日中のアクティビティは終了。かえればいいのにそのあとは6時間耐久ライブ。10年若けりゃもつんだろうが、回復に2日かかっちゃいかんよなぁ。遊びすぎだわ。