おれさまコラム:通訳というお仕事
仕事場で外国人のスピーカーをゲストに招くこととなり、通訳の手配をすることになった。発表内容は一般的な仕事の話。英語から日本語への翻訳。たったの1時間。
前の職場には常駐の通訳さんがいたので簡単だった。電話かけて「よろしく」というだけだった。ここもそうなのだとばかり思っていたら、そうはいかなかった。経費節減のあおり、社内にはそんな人材はいないらしい。まぁ、ここは極端に外国人率の低い職場なのでほとんど需要もないんだろう。昔の「上司もそのうえもおとなりも、ぜーんぶ日本語ダメ」な環境のほうが特殊なのかもしれないが。
総務部の紹介を受け、さっそく通訳業者へ見積もり依頼。えー、っと。たいしてレベル高くなくてもいいですよ、同時通訳じゃなくて逐語訳だし。だいたいわかればいいんです。たった1時間です。みじかいですねー。
帰ってきた見積もりを見ておののいた。最短の拘束時間は半日。これで5〜7万。あとはレベルしだい。終日は10万から。おいおいおいおい。1日10万?3日働けば飯食えるじゃん。業者のピンハネ(いや、仲介手数料というべきか)があるにしても、月の半分も入ればおなか一杯ごはんたべれるぞ。
この値段では頼めない。参加者にはナマの英語を聞いてもらおう、と上司に報告したら、
「それじゃみんなねちゃうからだめ」
としごくまっとうな回答が。そりゃそうか。日本語でも寝るのに、わからない言葉となればそりゃねるよな。えーっと、それじゃどうしましょう?
「てか、おまえやれよ」
え?いまなんとおっしゃいました?おれはですねー、いちおうエンジニアって仕事をやっておりまして、ジョブディスクリプションにもITスタッフって書いてあるんですけど?それ以外の仕事は請けないんですけど。おれがやっても、お金もらえるわけじゃないんですけど…
結局のところ、お金かかりすぎ、スピーカーがおれのモト上司であり、社内の話をするからすこしでも知ってる人のほうがいいからなどなど、うまいこと丸め込まれて当日は通訳としても働くハメになった。
いちおうモト上司も気を使ったのか、非常にゆっくりしゃべってくれたので訳すのは問題なかった。が、なにを思ったか1つ1つの話が長い。おぼえてられねーよ、1フレーズずつ切ってくれ。しかもおれが訳してる間にスライド切り替えないでくれー。変な汗でびっしょりになり、後半はなにをしゃべったのか覚えていない。気がついたら質疑応答に入り、頭しびれたまま発表は終わった。
「いまの仕事に飽きたら通訳もできるな。よかったね、いつでも辞められるよ」
あぁ、モト上司よ。おれもそう思う。が、こんな疲れる仕事は毎日できないと思う。甘く見た通訳の皆さん、ホントにごめんなさい。