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読んだ本の感想です。
ネタばらしをしています。
読まれていない方はお気をつけください。

日々更新中です。

 

北村薫(KITAMURA,Kaoru) スキップ
リセット 新潮社 2001.1.20 ---
何でもないけれど、これは素敵な言葉でした。記憶に残る最初のことを、無駄でも無意味でもないと、いわれたのです。
 時と人シリーズ3部作の完結作です。
 北村さんの小説は読んでいても何の話なのか最初はほとんど分からない。半分くらいまで読んで、おぼろげながらどんな話なのか分かってくる。そういうのが多いです。
 リセットはさらにすごいです。途切れ途切れに読んでたこともあって、私はかなりの終盤までわけがわかりませんでした。それだけあって、終盤に入ってからの印象はいっそう強烈です。
 人生がリセットされていきながら時を越えて出会う二人、というネタ自体はすでによく使われるネタではあります。使われていながらもなお新鮮な感触を残すのが、流星群に代表される主人公たちの思い出の描写です。中年のおじさんである北村さんが、なぜ昭和10年代の女学生の思い出をここまで鮮烈に描写できるのか、謎過ぎます。

 

乃南アサ(NONAMI,Asa) 凍える牙
暗鬼 文春文庫 2001.11.10 2002.2.12
 

 

宮部みゆき(MIYABE,Miyuki) レベル7
人質カノン 文春文庫 2001.9.10 2001.9.7
そういう場所ではないのだ。そういう場所ではないことを、みんなが求めているのだから。
(「人質カノン」より)
 現代人の生活に欠かせないもののひとつ、コンビニエンスストア。その名のとおり、24時間いつでも多くのものを手に入れることができる、便利な場所です。
 店員はマニュアルに沿って動き、お客は一言も発することなく商品を購入できます。自分から求めでもしない限り、店員とお客との交流はほとんどありません。
 人と関わらずに生きていくということは、余計な気遣いをしなくてよいという点で楽である半面、関わりを避けていたがために、若者はとんでもない事件に巻き込まれてしまいます。現代生活の中で慣れ親しんでしまった環境の裏に潜むとんでもない危険を、小説の題材としています。ポケットに入っていたのがガラガラ、というのも宮部氏らしい粋な計らいです。
 正直な話、店員がやたらとフレンドリーなコンビニには行きたくありませんが..
 上記「人質カノン」など、短編7篇を収録しています。
R.P.G. 集英社文庫 2001.8.25 2001.9.2
あれほどの怒りと傷心を、他のどの方法で止められただろう。
どちらが残酷だ?
 RPG(ロールプレイングゲーム)といえば、私はテレビゲームを思い浮かべるのですが、小説というのも、様々な役割を演じる人物が登場するという点では、一種のRPGなのかもしれません。テレビゲームと異なるのは、購入者には一般的には人物を操作することができない点です。
 そしてこの小説についてですが、ネット上での仮想家族をテーマにしているという現実味のある割には、警察がおとり捜査を行うとか、女子高校生が実の父親をめったざしにするとか、現実から離れてしまっているような点が気になります。
 また、あとがきにも記載があるとおり、地の分でうそをついているという、推理小説の一般的なお約束事からも逸脱している点も気になります。
 ただし、宮部氏特有の「冷酷な人物でもあたたかい視点で見つめる作者の書きぶり」は損なわれているわけではありません。宮部氏の作品が好きな方は抑えておくべき作品でしょう。

 

 

(凡例)

作者 私が初めて読んだ作者の本
作品名 出版社 発行日 読了日
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