余命一年の宣告を受けてから、さしたる苦しみもなくその期が過ぎ、
さらに一年はなにもせず体力、気力を失ってすごしました。
残る時間は思いを綴りながら力の尽きるのを待ちたいと思います。


2002年8月

復活の喜び
 9月は一度も発信しないで終わりました。10月4日の診察日にステロイドが処方されました。3日後から食欲が出て、何でも美味しく、たくさん食べるようになりました。今日はその喜びを復活の喜びとして伝えたかったのです。

 長い間食欲が全くなく、食事の時間を残酷に思っていました。食物を薬だと思って腹に入れていたのです。ことに昼食はラコールという栄養ドリンク200キロカロリーで過ごしました。もちろんカロリー不足で、体はガリガリに痩せました。そんなわけで、美味しく食事ができる時はわたしの人生にもうないとあきらめて、美味しかったころの姿を思い浮かべて悲しんでいました。ところが食欲が復活したのです。こんなうれしいことはありません。何度も感謝の祈りを捧げました。

 肉体の復活もあると信じていますが、いつのことかわかりません。食事の復活でもこんなにうれしいのですから、肉体が復活して先生や友人や親や妻や子と再会するときのよろこびはどんなでしょう。多くの人はなぜこの楽しみを待たないのでしょう。
2002年10月17日 18時12分05秒

不思議な運命
 福音書異同一覧(528ページ)のギリシャ語部分の写経が終わりました。写経については何度か書きましたが、わたしのライフワークともいえる福音書マタイ、マルコ、ルカのギリシャ語原文と塚本訳とを、左ページに日本語、右ページにギリシャ語を並べて一覧にしたものです。

 写経を始めた頃は、どのあたりでわたしの命は尽きるのだろうと思いながら進めました。3月時点で病変の大きさから、余命は8月までだろうと診断されていたからです。でも命は途切れませんでした。

 それどころか、一年間も治療は止めていたのに、イレッサという口径抗がん薬ができ、副作用も少ないというので7月終わりごろから治療を再開しました。保険の利かない高価な薬です(1個1万円)。4週間後の診断によるとあまり効いていないらしいのです。でも悲しみません。

 写経が終わったので、「それまで!」と言われて命が尽きるのでしょうか。まだ命が続くのであれば、いったい何をすればいいのでしょう。手足の先がいつも痺れているので、歩く自由があまりありません。
2002年08月22日 19時48分23秒



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