スロットとのなれそめ

よくガキの頃に親父にパチンコ屋(以下パチ屋)に連れて行かれた。土日となると親父は俺を遊びにも連れて行かずパチ屋に入り浸った。俺は親父が打っている間、何をするわけでもなくただ親父の隣に座りパチンコ台を眺めていた。周りの友達は休みの日には親父とキャッチボールしたり、どこかに遊びに行ったりしていたが、俺の休日の記憶といったら親父とパチ屋に行ったくらいしか無かった。パチンコをして負けているときの親父はとても怖くて話しかけられなかった。そう。俺の親父はギャンブル狂いだった。まあ、一応職を持ってはいたが、仕事をさぼってはよくパチンコを打っていたようだ。仕事の収入も大半をパチンコに使っていたようだ。オフクロが電話で実家に金を借りる相談をしている際によく嘆いていたものだ。察しはつくと思うが生活はかなり厳しかったと思う。俺は18歳の時(高校卒業と同時)に自立することにし、家を出た。そもそもは親父のギャンブル狂いのせいだが、少しでも家の経済的負担を軽くしようと子供ながらに思ったからだ。俺はそんな親父とパチンコが憎かった。しばらくはバイトのみでアパート代と生活費をテメーで稼いで食いつないでいた。そんな俺がまさか自分でパチ屋に出入りするようになるとは思ってなかった。ある日バイト仲間が俺をパチ屋に連れて行き、大勝ちを納めた。その時にそいつが打っていたのがニューパルサーというスロットマシンだった。小さい頃からパチ屋事態にはよく出入りしていたが、このスロットマシンというのにはすごく新鮮な感じを覚えた。親父はパチンコのみだったから、スロットマシンをマジマジと見ることは無かったからだ。そして同じ金を賭けるにしても釘によって当たりはずれのあるパチンコ台よりも、全ての台が1000円で決まった回転数以上まわるスロットマシンの方に俺は興味を持った。当時のスロットマシンはリーチ目というおのがあり、その出目が出現した時点で大当たりが狙えるという感じのものだった。さっそく仲間にリーチ目を教わりだいたいのリーチ目を暗記したところで、俺はスロットデビューを果たした。デビューしたその日に4000円が5万に化けた。それに味を占めた俺はスロットの世界に引き込まれていったのである。血は争えない物だ。打つものがパチンコとパチスロで違えど、俺は確実にギャンブルの世界へと足を踏み入れていったのだ。当時の俺は勝つこともあったが、トータルするとかなり負けていたと思う。しかし、勝ったときの印象だけで時間さえあればスロットを打ちにパチ屋に出入りする様になった。時にはサラ金に金を借りてまでスロットを打つ自分が居た。そんな俺を本気で叱ってくれる人がいた。当時の女である。俺の人生の中で大きな影響を及ぼした人物は3人いる。一人は俺の親父。俺の反面教師である。そして二人目がこの女だ。半ば人間のくずと化そうとしていた俺を止めてくれた女。結局は破局を迎えたが、後にも先にも本当に俺を想ってくれていた女はコイツ一人だったと思う。そして俺はスロットの世界から一時的に足を洗うことになる。そのから約1年間は再びバイトに明け暮れ、スロット抜きの普通の生活に戻ることになる。やがてその女との破局を迎え、憂さ晴らしに再びスロットを打つようになる。1年も経つと俺が打っていた台は徐々に姿を消し、見たこともないような新台がパチ屋を飾るようになっていた。そして21歳のある日、とある店である女性(当時32歳だったと思う)と出会う。たまたま隣の席に座り、爆裂していた彼女に俺が話しかけたことがきっかけでその後もよく話すようになった女性だ。その後もよくパチ屋に行くと、世間話をしながら一緒にスロットを打ったもんだ。不思議なことにその女性は必ずドル箱を積んでいた。よくわからないが飯をおごってくれたりもした。この女性が俺の人生に影響を与えた三人目の人物である。出会ってから一ヶ月後くらいにその女性がプロであることを知った。パチプロの存在は知っていたが、まさかスロットにプロが居ることは知らなかった。メダルを三枚入れ、レバーを引き、ボタンを押す。これだけの作業でどうやって思うままに大当たりさせるのだというという大きな疑問が、スロットプロの存在を自分の中で否定していたため、半信半疑でその女性の話を聞いた。そして駄目元でその女性の言うとおりの打ち方をした結果、不思議と勝てた。今思うと奇跡である。当時の俺が、偶然その女性に出会ったこと。そして通常プロは攻略法を素人に漏らすようなことは絶対にしない。そのたぐいの攻略法はとある情報筋から入ってきたり、○百万も出して購入したり、早々危ない橋を渡って手に入れる物である。そんなネタを誰が足がつくやもしれんずぶの素人に教えるであろうか。今でこそ連絡を取ってはいないが、今の俺があるのもその女性のおかげであることは言うまでもない。それからの俺はひたすら抜きまくった。それから俺は裏スロット道を歩み始めることになり、ガキの頃に見てきた親父とは違うギャンブルへの道に進むことになる。どうせギャンブルするなら必ず勝つ。そして金はあるところから抜けばいいという信念の元、現在の自分に至る。

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