チョットつまみ食い
MIyuki

フランスの文化、特に食文化の好きな私。そんな私が、フランスを旅した時の、ちょっとおいしい?・・・話を、みなさんに紹介したくてはじめたコーナーです。チョットつまみぐいの気分でどうぞ・・

☆☆☆ 目  次 ☆☆☆

Dr.アランドロン 2004.1.25
マカロン 2003.6.22
シュトーレン 2002.12.4
ポーニュドロマン 2002.9.15
チョコレートの学校 2002.6.17
パンのお話 2002.6.3




パンのお話 


 ある日の仏語の時間、仏人のジャックは、パンについての言葉をいろいろ教えてくれた。なんでも、フランスの子供はバゲット(フランスパン)の端っこが好物なのだそうだ。(日本でいうごはんのおこげ!?ちょっと違うか)これを仏語でキニョン"quignon"というらしい。そして、パンを食べた時こぼれるパンくず、これをミルミエット"mille miette"ということまで教えてくれた。
 私は内心思った。一体私が、このキニョンやらミルミエットやらの言葉を発する機会がやって来るものかと!

 しかしその日は、ふつうに突然に訪れた。パリで、ホテルに向かうタクシーの中でのこと。グレーヘアまじりの、ちょっと男前の運転手さんが、仏語とあまり上手でない英語で私に話しかけてくれた。「学生?」「いつ帰るの?」
 そして多分、自分のお昼用に買ったと思われるバゲットを指差し、私に食べるかと聞くので、私も子供っぽくおなかに手をあてながら、仏語で、「おなかがすいた。」などと答えた。運転手さんは私にキニョンをくれた。
 なぜキニョンなのだろう?子供だと思われたのかな?運転手さんはキニョンがきらいだったのかな?チョット不思議だったけれど、あの焼きたての香ばしさを、旅行者に分けてあげたくなったのかも・・・と妙に納得してみた。(ジャックに後で聞いてみても、当然のことながらこんなこと、タクシーで起こるはずもない出来事で・・・)
 
 タクシーを降りる時になった。運転手さんは荷物を下ろし、私に声をかけてくれた。しかし私は動けなかった。なんと、私の膝にはあのミルミエットが散らばっていたのだ!
そして私は口にした。あの、絶対使うはずのないと思っていた言葉を・・・「ミルミエット!」

 運転手さんはあっさりと理解を示したのであった。






トップページへ