ニュースなどでしばしば耳にするプルサーマル計画っていったい何?テレビの解説なんかを見聞きして、「原子力発電の使用済み核燃料をもう一度原子炉に放り込むこと」くらいには理解している人は多いだろう(k-nissieもその程度の知識しかない)。そして、反対する人が多い事もご存知のとおり。みんななんとなく「原子力」や「プルトニウム」に対して「危険である」というイメージを持っていて、「それに関係するプルサーマル計画もやっぱり危険なモノだ」と思っているのではないだろうか。
k-nissieがテレビを見て感じたことは、「否定するにしろ、肯定するにしろ、もう少し詳しく知らないと判断できないじゃないか」ということ。報道される内容は、投票の結果はどうだったとか、住民や関係者のコメントとかそんなんばっかで、肝心のプルサーマル計画というのはどういう計画なのかという点に対してはごく簡単に流されていて、判断材料にならないものばかり。ほんとにテレビ局ってのはバカなんじゃなかろうか。
愚痴ってても仕方が無いので自分でちょっと調べてみることにする。
日本の主な原子力発電所(軽水炉 = 熱中性子炉 = サーマルリアクター)には「ウラン燃料」が使われる。この燃料はおよそ3%の「ウラン235」と、97%の「ウラン238」とで出来ている。(他の資料には10%が「ウラン235」と書いてあった。どちらが正しいのかは知りません)
その内「ウラン235」は炉の中を飛び交う中性子があたると、例えば「バリウム」と「クリプトン」に分裂し中性子を2個放出する(分裂の仕方によっては別な物にもなるようですが、詳しくは知りません)。放出された中性子は別のウラン235にあたり、そのウラン235が分裂して中性子を放出するという連鎖反応を起こし莫大な熱を放出する。(ちなみに飛び交う中性子の量を制御するのが「制御棒」ね)
一方、「ウラン238」はというと、中性子があたっても分裂せず、「プルトニウム239」に変化する。そして、この「プルトニウム239」に中性子があたると、分裂して熱と中性子を放出するんだそうな。つまり原子炉を運転している過程でプルトニウムが出来、そしてそれも燃料として燃えていると。(総発電量の30%がプルトニウムの核分裂反応による物らしい)
そうして、3%の「ウラン235」と97%の「ウラン238」を何年か掛かって原子炉で反応させ、「ウラン235」の燃え残りが1%、「プルトニウム239」が1%、「高レベル放射性廃棄物」が3%、残りの95%が「ウラン238」のかたちで使用済み燃料として取り出される。
この使用済み燃料から再利用可能な97%の「ウラン235」「ウラン238」「プルトニウム239」を再処理工場で回収しそのうちの「プルトニウム239」と、「ウラン燃料」を混ぜてMOX燃料(Mixed
Oxide Fuel)を作り、原子力発電所の燃料として使っちゃおう、っていうのがプルサーマル計画(プルトニウムをサーマルリアクターで使っちゃおう計画…一部ウソ)なんだそうだ。
うーん。これを見る限りでは、プルサーマル計画に反対する理由が無いですねえ。炉内で反応が進むにつれ「プルトニウム239」が生成され燃料として燃えている…なら、最初からプルトニウムを燃料として使っても問題無いんじゃないかねえ。反対派の意見をさがしてみた。
「ウラン燃料専用の炉でプルトニウムを核分裂させる事は大変危険」
?現実にプルトニウムは日本中の原子炉で燃えているはず…もっと説得力のある意見は…
大変高価で経済性が無い。
真の目的は原子爆弾の材料である。
プルトニウムが体内に入り込んだら大変だ。
制御棒の効きが悪い。
暴走事故になる可能性が高い。
事故が発生した場合、被害面積が4倍になる。
いっぱい出てきました。が、これらの意見を導き出すに到る根拠についての記載が見つからなかった。ま、「プルトニウムが体内に云々」は説明無くても分かるけど(笑)上から順番に見てみる。
「大変高価で経済性が無い」…ウランがあと70年程で枯渇するから、節約のためにプルトニウムも使いましょという話なんでないの?
「真の目的は原子爆弾の材料である」…ウラとってから言え。
「プルトニウムが体内に入り込んだら大変だ」…そりゃ大変だ。だがウランが体内に入っても同様に大変だろう。
「制御棒の効きが悪い」…これは事実らしいね。原電のホームページには「若干低下するが、燃料の設計や配置を適切にすれば制御棒の効きめの低下
を防ぐことが国内外の実績から十分確認されている」と書いてあった。国内外…国内の実績って何だろね(笑)
「暴走事故になる可能性が高い」…これはきっと「制御棒の効きが悪い」というところからきてるんだろうね。制御棒が効かない→中性子が盛大に飛び交う→核分裂反応がどんどん進む→数年かけて反応させる燃料が一気に燃えれば炉心融解(メルトダウン)もありうる。ってところか。この辺の判断はk-nissieには出来ませんね。絶対起きないとは言い切れないしね。かと言って、そうそう起きるもんでもなかろう。上のほうでも書いたが、普通の燃料(ウラン燃料ね)使ってても、発熱量の3割はプルトニウムの分裂反応なんだから。それで実際に稼動してるわけだし。こないだの事故は人災だしね。
「事故が発生した場合、被害面積が4倍になる」…わからん。本当なら恐ろしい事だが、「こうなりますよー」って示しているだけで、なぜそうなるのかという説明が見当たらないのでにわかには信じがたい。
k-nissieのスタンスとしては、諸手を挙げて賛成する気にはなれんが、反対すべき確たる根拠は持ち合わせていない。「どちらかといえば賛成」ってところか。