この世界では
一晩かかってたどり着けない場所はなくなってしまった。
帆に順風を受け
賢い水先案内人が
行く方向を任されて
どうして その行き先に
たどりつけないことがあるだろうか?
運河を滑る舟は
やがて、海色の空に続き
人間の紛争が絶えない地上を見下ろしている。
戦争、飢餓、誤解、孤独、別れ、破壊、殺傷・・・。
どこへいくのだろう?
この舟はどこへ向かっているのだろう?
〜あなたが目指す場所
〜あなたが憧れていた場所へ
平和、豊富、理解、信頼、生命、調和、誕生、祝福・・・。
そこは、オーロラ色に輝く宮殿だった
大理石のような素材でできた宮殿は
暑くもなく、寒くもなく
熱くもなく、冷たくもなく
ひとの気配はするけれど
ここちよく静かな
宮殿の中にも水辺は続き
水面には
やさしく香る赤い花びらが散っている。
やわらかな風を受けて
舟は自信をもって前に進む
中心へ
中心へと
水先案内人は微笑みながら
黄金のガウンを着せてくれた
さあ、ここが宮殿の中心
まばゆい光が放たれている
誰に会うの?
そこに誰がいるの?
私は、そのひとに会うの?
〜そう、あなたが目指していた場所
〜あなたに会いたいひとがそこにいる
・・・鏡?