2002年秋 オランダ〜フランス〜スイスの旅(中編)

 

3日目 エッフェル塔・モンマルトルの丘・レアル界隈

エッフェル塔

この日は今回の旅行でもっとも天気のよい日だった。

次の日以降天気は下り坂との情報を得ていた僕たちは

せっかく晴れたこの日に外回りをすましてしまおうということで

これまた当初後半に予定していたエッフェル・モンマルトル行きを決断。

昨日のリヴェンジと勇んでホテルを出発した。

まず向かうはエッフェル。

僕自身エッフェル塔は最初のパリ旅行で訪れた際、あまり感動しなかったので

前回のパリ旅行の時には行かなかったくらいなのだが

初めてのすすずにとっては外せない観光ポイントでもある。

案の定、駅を出てすぐに視界に入ったエッフェル塔に興奮を隠せないようだった。

しかしエッフェル塔の正面にまわって興奮を隠せないのは僕のほうだった。

雲ひとつない青空をバックにしたエッフェル塔は

僕の今までの評価をまったく覆してしまうくらいすばらしいものだったのだ。

「うつくしい・・・」

がらにもないセリフをはき見とれる僕。

数多くの写真をとっていい思い出をつくってこの場所をあとにした。

が、この駅への道中、落とし穴が待っていた。

大失敗

浮かれ気分の僕たちは普段なら断る、絵描きの誘いにのってしまい

楽しく談笑しながら、似顔絵を書いてもらったのである。

書き終わって「いくら?(買う気満々やんけ〜)」と聞くと

「学生なら15ユーロ(約2000円)だよ」っていうので

自分のフランス語をほめられすっかり上機嫌ですきだらけの僕は

50ユーロ札(約6500円)を出してしまった。

お釣りを待ったがお釣りを出してくれない。

「おい、お釣りはくれないのか?」

「学生は15ユーロだが、ビジネスマンは50ユーロなんだ。」

・・・しまった、やられた!

こんなところの金額なんてないに等しい。

高額紙幣を出した僕がまぬけだったのだ。

せっかくのいい思い出に傷がつき腹立たしい思いを抑えきれなかったが

妻の励ましになんとか気を取り直してモンマルトルに向かった。

モンマルトルの思い出

モンマルトルの丘も僕にとってそんなに重要視していたなかった場所だが

いざ着いてみると今まで以上に素晴らしい場所に思えた。

天気がよかったこともあるが、この丘から眺める景色は

先ほどのぼったくり事件が小さな事に思えるほど

壮大で優雅な空間を僕たちに与えてくれているようだった。

そしてサクレ・クール寺院の荘厳な雰囲気の中、このような

場所に身をおいている幸せをしっかりかみしめられたのだ。

癒しの場所・サクレ・クール、ありがとう。

映画「アメリ」の映像を思い出しながら僕たちはレ・アル方面へ向かった。

思わぬイベント

レ・アルに着いていくつかのブランドショップを見てまわったあと

サントゥスタッシュ教会というパイプオルガンが有名な教会の前に来ると

えらく長い列が並んでいるではないか?

とりあえず野次馬根性で並んで中に入ってみると

なんと今日はここでブラームスのコンサートがあるという。

これがまた本格的で高名な指揮者や演奏者、ソリストたちを集めていた。

まずパイプオルガンの味わい深い生演奏のあと美しい混声合唱が披露され、

ソリストたちの美声が教会に響き渡った。

これが1時間30分ほど聞けて無料なのである。

予定にないこのすばらしいコンサートのおかげで

エッフェルでのぼったくり事件は完全に拭い去ることができたのである。

面白いもので期待していた凱旋門より(しかし僕はこのまま終わる気はなかったのだが)

期待していなかったエッフェル、モンマルトルで良い結果が得られたのである。

明日はいよいよヴェルサイユ、気持ちよく眠りについた。

 

4日目 ヴェルサイユ宮殿

おばちゃんは国境を越える?

さあ、おまちかねのヴェルサイユ行きの日がやってきた。

天気は曇り空だがなんとかもってくれそうだ。

その前にリヨンの駅によって明日のスイス・ジュネーヴ行きの

電車のチケットを買いに行き個人旅行の醍醐味を味わう。

パックツアー派だったすすずもすっかり個人旅行派に乗り変わったようだ。

ヴェルサイユ行きの電車を待っていると外国人のおばさん2人が近づいてきて

「ねえ、あんたたち、ヴェルサイユに行くにはどうしたらいいの?」

ここでいいし僕らも行くので一緒に行きましょうかと提案すると

えらく喜んでもらえてすっかり意気投合した。

このおばさんたちチェコから来たらしいのだが、もう関西のおばちゃんのように

人懐こくって温かいかわいらしい人たちだった。

「もうフランスの電車はむずかしいてわからんわ〜」

「あんたら日本からきたん?うちの娘も3ヶ月ほど日本行ってたで〜」

「ヴェルサイユはほんま楽しみやなあ」ともうしゃべる、しゃべる(笑)

そのうち「うちの娘は安い英語学校通わしたんやけど発音があかんわ〜」

って感じでもう関係ないことまでしゃべってくる。

英語で話しているが途中からもう大阪弁にしか聞こえなかった(爆)

とにもかくにもおばさんたちとヴェルサイユに着き館内でも何回か

出会えたので一緒に写真も撮りいい思い出が出来た。

ヴェルサイユ宮殿

ヴェルサイユは晴れのときより輝きがイマイチのような気もしたが

それでも豪華絢爛、贅沢この上ないのは言うまでもない。

マリーアントワネットはこの贅沢ゆえに命を落としたというからおそろしい。

それでも観光する側としてはこんなにもゴージャスなものを地上に残してくれて

ありがたい気持ちさえ湧いてくる(世界遺産だしね)。

きらびやかな部屋に家具、壁から天井にいたるまでどこをとっても高価なものばかり。

鏡の間でのすすずはすっかり夢見る乙女状態。

おそらく僕の存在などこのときは頭の片隅にも無かったことだろう(苦笑)

そして帰り際、彼女は恐るべき一言をもらす。

 

「こんな家に住みたいなあ」

 

いや、僕は聞いてない、決して聞いてないからね。