フォトグラフ


チェストの奥から出て来た、遠い昔のある日の写真。
その中で、何事もなかったかのように笑っている二人。
・・・あの頃は、本当に何事もなくて
特に深く考えることもなく いつも無邪気に笑っていられた。
まるでそれが当たり前とでもいった感じに。

涙は出て来ない。
ただこみ上げてくるのは懐かしさへの想い。
放たれた微かな光は、今には決して届かないけれど
過ぎ去った日の忘れかけた記憶を鮮明に思い出させてくれる。
それは二度と再び帰らない、遠い日の思い出。
でも確かに輝いてた。
それは忘れる必要のない、遠い日の光。

手の中、色褪せた一枚の写真。
その中で、止まっている時間。
めまぐるしく動く時の中で
いつもここにだけは、止まった時間がある。
大きな存在感と共に・・・




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