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    気まぐれ短歌

今月の短歌TANKA

 銀座7丁目のスタバ

 以前、3年間岩手県で仕事をしていた縁から、東日本大震災の惨状に少しでも思いを寄せて風化させることのないようにとの思いに駆られ短歌を詠んでいます。 吉村昭の「三陸大津波」も十数年前に岩手にいるときに読みました。まさか、が天災なのですね。今年で7年になります。一日も早く元の生活に戻りますように。
  
    
  新しく拓きし道の真さらなる

     立ちて飛べよと足跡記し
をスペクトラムに並べる

      重ねしものの未だ七年
    
      


独り言  

 東日本大震災から既に7年を経過しました。当時生まれた子供たちが小学生になるまでに成長しました。 社会人として新しくスタートを切る若者たち、そして支えてくれる人たちの愛情に育まれて被災地の復興の大きなパワーになっていきます。

 これからの日本の問題点にもなっていますが、少子高齢化のダブルパンチで人口減少が喫緊の課題です。 被災地の復興に合わせて住民が戻ってこない、お店や病院なども利用する人が少ないと営業できないとか、環境と人口の相反する悪循環がインフラ充実のネックになってしまいます。

 全国的にもコンパクトシティーなどの方策も言われていますが、インフラとしての水道・ゴミ処理・交通網など、地域行政単位ではなく、市町村合併や道州制などのコミュニティーの再編を進めていかざるを得ないのでしょうか。循環バスも一つの自治体の中だけで運行されている効率の悪さ、JRと私鉄のような相互乗り入れのアイデアも一考が必要なのではないかと思います。



前原子力規制委員長の「田中俊一」さんは、今、飯舘村に住んで、地元の方々と共に復興アドバイザーとして手助けをしています。 地元の人たちと膝を交え、酒を酌み交わし、原子力の専門家としての提言も多く出しています。凍土癖に決定した経緯、田畑の除染の方法など、まだまだ意見を聞き、今後の対策に力を注いで頂きたい人材でもあります。

 除染についても早い時期からモデル地区で試験的に実施していました。今までの除染により出た土や草木を袋に詰めて処理できずに野積されています。 この袋のことをフレコンバックと言うそうです。これらの処理については、地中50cmのところまで埋めて、その上に汚染されていない土を被せれば十分に遮蔽できるとのこと。ただし雨水等で流されないように処置をする必要があるそうです。

 これからも出来ることから、最悪の原発事故の状態から少しでも抜け出せるように、知恵を出し合って福島を取り戻すことが私たちに課せられた仕事だと思います。






の冬季オリンピックで羽生結弦選手がエキシビションに前回と同じく「白鳥」を披露しました。前回のオリンピックの金メダル時にも「白鳥」でした。ここに込められているメッセージは、東北大震災の被災者に向けての支援の気持ちが込められています。 前回の金メダル受賞時に、東北の被災者も含めて大きな勇気を与えてくれました。

 羽生結弦選手も仙台で被災者としての辛さを体験し、そこから再び立ち上がり前回は金メダルを獲得し、被災者にも希望の光を灯してくれました。
 今年で3.11も7年目になります。年を重ねても元に復せない数々の日常をスペクトルに並べても、取り戻すことの出来ないという事実を思い知らされてしまいます。でも、物理的な復興と共に精神的な復興も大切です。自律神経や体内のホルモンバランスにも影響します。呉々も、お大事になさってください。



 きまぐれ短歌

日々に食む記憶の中の切れ端に 失いし時を求めながら

夜の森を十七文字に籠めたるも フクシマの里千里の彼方に

天涯を一日一日と切り取って 時の断片山と積み上ぐ

バス停に吉里吉里とある古里の 誘える過去 過去の過去へと

秋彼岸みかげの石に陽の映えて 花立の上煙たちゆき

張りし根を断ちて行方を探らんと 否定を重ね諾の域まで

津波きて脚を折らるも炎燃ゆ トーチ掲げし自由の女神

手の中に蛍とどまり語りかけ 友の化身か手に温もりが

街の顔弥生のそらに模様替え 桜にふぶく夜の森のいま 

置き去りし時をみつめて波の間に 大槌の海ホリゾンタルへ

残像の動きのままに時止まり 記憶の中に追いし想いを

引き出しの奥にしまいし君のチョコ リボン解かず今も形見に

神楽舞い小春の空に溶け込んで 蘇りおり傍に降り

季秋過ぎ畑に稲の波うねり 景色も戻り黄金眩しく

天体の現を保てるバランスも地球きしみて断層破壊

夏の陽に黒々とやけ手も足も 部活に汗し友の分もと

六魂を束ねて太く紬おり 眠りし霊の今を偲ばん

山裾を梅雨の涙に潤され 木々も目覚めて夏を迎えん

川沿いに新緑萌えて空仰ぎ 更地ふたたび命の芽吹き

風に舞う枝垂れし桜流れきて 花びら散りて雫のごとし

5年間更新できぬ時の数 決別せんと過去に距離おき

仰ぎ見し更に高きに白鳥の 北へ向かいていざ帰りなん

5年経ち成人式に集いきて もしやと思い亡き友探し

寒き日をふるえて耐えし5年前 肌に残りし記憶の影か

5年過ぎ育ちし今のモロモロを 終楽章で完結せんと

兆し見つ手につかみ取りたぐりよせ あしたに向かいて足を踏み出し

若き友詠のこころを競わんと 想いのたけに文字舞踊り

振り向いた向日葵の顔鮮やかに 前に向かえと彩まぶし

ことごとく夢も現もこなごなに カイロスごーと音たて迫り

新緑をとかし流るる北上に 偲びし想い二次元のまま

花散って若葉の芽吹く勢いに 影の色にも街の息づき

植え付けて熟成進み4年経ち 豊潤な味希と望み

桜餅葉を付けしまま食らうれば 汐の味から涙の味へ

ありがとう語りかけつつ時々に 桜を先に春の花々

一歩ずつ踏み出す先に拓かれて 大きく仰ぐ弥生の空か

字仮設絆も芽生え花も咲き 数える年に汐の香かぶり

夢で逢う弾ける笑顔変わらずに 金木犀の香りと共に

秋色に光り輝く海の中 牡蠣もサンマもワカメも鮭も

現実を切張りのまま夏終わり セミの声まで途切れて哀し

過去と今重ねて織りし亡き子らの 命ふくらみ花もふくらみ

銀河行き発車のベルの哀しけれ 瞬く星に今を語りし

失いし命の叫び生かさんと 消えぬ思いの夢を画きし

いつの日か桜を愛でる賑わいを 思い描ける時ぞ再び

瞬く間時の流れを遡り 夢とはならず海の猛りは
キン
金とるも出発点と振り返り 生地に根ざし辛さを胸に

入口に気持ち切り替え松飾り 仮設の路地に薄雪覆い

千日と時の流れに沿うて今 刻みし思い寄せては返し

悲しくも遮るものの全てなく 川面に映す空の流れか

海たちて瞬く星へ昇りゆく イーハトーブを銀河の海に
ミトセ         イマ     サキ
三年たる過去の時間は現在のまま 未来を拓けと出羽に祈りし

盆の来て 波に映りし 灯篭へ 吾子に届けと 名をぞ呼びかけ

時を経て 変わるもの否 変えるもの 矢を束ねても 兆しぞ見えず

北上に 四季の移ろい 流れゆく 岸辺の緑 今もあしたも

歌声で たぎる思いを 沸かしつつ 未来をみつめる 力を溜めて

チューリップ 二つ並んで 見つめ合う 風にもめげず 明日の空へ

時を分け 風を分け合い 共に来て あの日に生きた 想いはるかに

降り注ぐ 日差しに覚めて 暖かく 更地の雪ぞ 溶かしまだらに

春遠く 希がうことより 乖離せり いつもの暮らし ただそれだけを

降り積もる 雪に埋もれし 痕跡も 胸の深くに 鎮めんとし

茜照る 海へ思ゆる 眼差しや 網膜深く 影を宿して

二年と 再び雪の 舞し今 ピースの欠けた 下地露わに


夏草の 立ち枯れしまま 色褪せて 越えざる狭間 いまだ大きく (2012.10)

雑草の 生い茂りたる 道の端に 花満る日の あしたを待ちぬ (2012.9)

ロンドンに 力つくして 競いける 熱き想いや 先を照らせり (2012.8)

胸に抱く サンサの太鼓 音高く 六魂祭の 霊に響けと

新緑の 青葉にさした 木漏れ日を フルートに受け キラキラと舞い

松原の 根も洗いくる 大波に 倒れし枝の 海に沈めり

春きたり 花のはじけて 咲ほこる 命の芽吹き つなぎ今年も

風かおり 淡くいろづき 目覚めんと 津波の道も 桜の道も



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