いってきます

 

  空港に向かう私たちとは反対に遠ざかっていく
飛行機を見ながら、溢れそうになる涙を必死で
堪えた。
 
  私は泣いちゃいけない。これは私自身が決めた事。
お父さんが決めた事じゃない。お母さんでもない。だから
泣いてはダメだ!!自分に何度も言い聞かせた。
 
  見えなくなっていく母と祖父に笑顔で手を振る。
背中に背負ったリュックから、ミッキーマウスのぬいぐるみが
手と顔を出している。荷物を引きずり、長いゲートまでの道を
歩いた。冬なのに汗だくだった。
 
  「ねえ、アレ見て!!」というよーに私が背中に背負った
ミッキーを指差す子がいる。私は少しだけ背中のミッキーを
揺らした。
 
  飛行機が動き出すと、「もう後戻りできない。しばらくは又
日本に帰ることが出来ない。」またもや、溢れそうになる涙を
必死で抑えるのだった。
 
  これから、何回これを経験するのか分からない。
だけど、何回経験しても絶対に慣れる事がないと思う。