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性格と態度

性格の一般的説明

性格と似たような使われ方をする用語に、パーソナリティ・人格・気質などがあります。
この性格の定義は存外難しいのです。

性格とは、行動主義的心理学を奉ずる人にとっては、刺激と反応・行動の介在変数だといえます。

しかし、一般的には
「その人の精神活動や行動の傾向を決定し、比較長い期間を通して一定な心理的システム」
であると考えられています。

過去の心理学者たちは、人間の性格を様々なタイプとしてとらえた。ここでは、その代表的な理論を見てます。

ユングの心理学的類型論

スイスの精神科医ユングは、人間の心理的エネルギー、関心が、精神の外側に向かっているか、内側に向かっているかの2種類に分け、それぞれ

「外向的」
「内向的」

と分類しました。

「外向的」タイプの人間はすなわち、
外界や、他人に関心がある人々で、行動的で社交的です。
社会によく適応して、即断即決的です。
ただし、他人の意見に左右されやすく、
自分の意見として発言する場合でも、一般的な無難な意見を述べているに過ぎない側面があります。

「内向的」タイプの人間はすなわち、
精神生活や、日物質的概念に関心がある人たちで、ひかえめで非社交的です。
社会に対して一線を引くタイプで、悩みがちです。
しばしば独創的な見解を持ち、
学術的、文学的に優れた資質を示します。

ユングはその他にも、「思考・感情・感覚・直観」を重要な心理的機能としてとらえたが、「外向−内向」ほどには、一般的になっていません。
これらの分類については、機会を改めて説明します。

クレッチマーの体形気質論

ドイツの精神科医クレッチマーは、三大精神病である、精神分裂病(早発性痴呆)、そううつ病、てんかんの患者の患者の症状と体形について調査を行い、一定の相関関係を認めました。

すなわち、
「精神分裂病=細長型」
「そううつ病=肥満型」
です。

また、これらの精神病は、正常な気質が過度に発現した結果と考え、一般の人の体形と気質についても調査を行いました。

そして、

「細長型=分裂質」まじめで孤独に対する耐性が強く、内気、神経質で人間関係がスムーズでない。

「肥満型=そううつ質」社交的で親切、人間関係を好む、気分の抑揚が激しい。

「筋骨質=粘着質」礼儀正しく粘り強いが、しつこい、しばしば感情を爆発させる。

以上の3つの体型的気質論をまとめました。

交流分析的性格分類

エリック・バーンが創始した交流分析においては、人間の自我状態の傾向を性格として考えます。
自我の状態は大きく3つに分けられます。
親的な自我をペアレント(P)という。このペアレントは、批判的父親的ペアレントのCPと、受容的母親的ペアレントのNPに分けられます。
また、大人の自我状態をA=アダルトといいます。
そして、子供の自我状態をチャイルド(C)といい、自由かっ達なCのFCと、従順なCであるACとがあります。

CPは、批判したり怒ったり突き放したりする働きです。

NPは、無批判に受けいれて、保護する自我の働きです。

Aは、現実に適応したり、取引をしたりする自我状態です。

FCは、現実に束縛されない、物事を楽む、創りだす心の働き、状態です。

ACは、劣等感を感じ、大人に見捨てられないために従順に振舞う自我状態です。

これらの、自我の働き、状態は、通常の場合、大人なら時と場合である程度選択可能なのです。
しかし、人それぞれよく発達した自我状態、しばしば表に出てくる自我状態、無発達に終わってる自我状態などがあります。
バランスが悪い自我発達を遂げた例をあげてみましょう。

NP>CNなら、とても優しく人望がある人間だが、厳しい忠告、要求ができない甘い人間。

AC>A=FCなら、ひたすら従順で、人のご機嫌を取る人間で、他人と対等な関係が築けない、遊び心がない人間です。

この様に、発達した(しすぎた)自我、未発達な自我が、その人の性格を特徴付けたり、弱点として現れたりすることを交流分析は教えてくれます。

性格の形成

人間の性格傾向が、生まれ持ってのものであるか、それとも、生後の環境で決定するかは諸説あります。

純粋な行動主義者にとって、人間は全くの白紙の状態で生まれてくるのであって、生後の環境、教育によって人間の行動傾向(ようするに性格のこと)が決定されると考えます。

フロイトは、乳幼児期の体験が重要であると考えました。すなわち、授乳を怠ったり、離乳や排便のしつけを怠ると、攻撃性が強い人間、神経症的人間に育つとしました。

ユングは、生得的な性格傾向を重んじました。
いかなる文化圏でも、外向的な、または内向的な人間が相等しく観察されることを見出し、先天的な要素をに注目したのです。
また、生まれ持っての性格傾向に反した育て方をすると、将来神経症になりやすいと考えました。

また、様々な心理学者の行った双生児の調査によれば、一卵性双生児は、二卵性双生児に比べ、性格の類似率が高いことを発見しました。
これは、先天的にある程度性格傾向が決まっていることを示しています。

そして、現代の心理学においては、先天的な要素と、環境的な要素の相互が関連しあって性格が形成されると考えられています。

社会的態度

態度とは
「ある対象に関する、継続的な賛否、良い悪い、好き嫌いといった判断・感情、または接近回避といった行動の傾向をいう」

態度はいかにして形成されるのでしょうか。

ホロウィッツによれば、判断とか、認識に関する態度は、社会的に、地域的に、親から子へ伝達されます。
黒人差別や、その家庭、地方の宗教信仰上の傾向が根強く残っていくのはこのためです。

また、好き嫌いといった、感情的な態度は、何度も合う人が好きになったり、自分にとって不都合な人間を嫌いになったりするように、経験的に形成されるようです。

また、接近回避、なにかをする・しないといった、行動に関する態度は社会規範から影響を受けて形成されるようです。
犯罪を犯さない態度は、社会規範・道徳によって形成されます。

態度には強度が存在します。

熱心な自民党支持者は、「自民党=よい、好き」という態度、「投票=自民党」という態度が極めて強いですから、
自民党議員が重大なスキャンダルにあっても容易に自民党支持を改めたりはしません。

付き合いはじめの男女は、相手に対する好きという態度がまだ弱いですから、
ちょっとした欠点を見せられるだけで、破局してしまうかもしれません。