本の紹介    そのF

人は徳のある人に従いてくる       岬龍一郎

この本は二宮尊徳先生の事が詳しく書かれた本です。私も薪を背負って本を読ん

でいる あの姿しか思い浮かびませんでしたが新しくいろいろの事がわかり これ

からの日本に とても必要な事だと思い ここに載せます。

尊徳の教え

O経済道徳の融合・・・道徳を忘れた経済は罪悪である。しかし経済を忘れた道徳

 は寝言である。

O積小為大の法則・・・すべてのものごとは小が積もって大となる。百万石の米も

 米の粒が大きいのではなく一粒一粒の集まりよりなる。

O報徳思想・・・自然界と人間界の相互の営みによって生存できる。したがって

 自分自身もその一員としてそれらに報いる行いをしなければならない。

 (恩に報いるとは世話になった人には礼儀を尽くし、すべてに恩を受けたことを良く考えて良く報
  いるようにすれば、欲するとおりに自然になる。)   

 徳には徳で報いる

O書物を読んで実行しない者は鍬を買って耕さないのと同じ。 

O実践しなければ価値が無い

O「自他両全」・・・自分の為そして世の為になる事

O率先垂範の実行

O「心田開発」人の心の荒れているのを開拓

O「天道・人道」

 天道・・・天地自然の法則    天理から見れば善も悪も無い。すべて平等。

 人道・・・天道に従いながら”人の為に役立てる道”  人道とは天理に従い、
           人々に役立つものを善、役立たぬものを悪とに分けている。

 人道とは人のたゆまない努力で維持し、自然に流動に押し流されないようにする

 もの・・・天道に任せておけば堤防は崩れ田畑は荒れる。

 身の行いも同じ。

O「一円融合」世の中のあらゆるものを一つの円の中に入れて見る事。たとえば

 世の中には もともと吉凶・禍福・苦楽・生滅という区別は無い。現実に吉凶・禍

 福・・・・・等があるのは中間におのれを置いて相手を見るからである。

 世界は広い。心も常に広く持たないと真の道理を見抜く事が出来なくなる。

(自分を中心において見るようになると見えるのは半分しか見えなくなり正しい判断が出来なくなる)

『三才報徳金毛録』『大円鏡』・・・天地創造・宇宙・一元一円論を天道と人道との関係で説いたもの

O誠の道・・・とくに学ばなくても 毎日毎日繰り返し示される大自然の教えの中に

 自然に知り、習わなくても自然に感じ取るもの。

O至誠・・・真心にもとづく誠意誠心のこと・・・仁義礼智信の徳性

「至誠天に通ず」・・・真心を大切に誠実に事を実行すればその気持ちが天に通じ
            て良い結果が得られる。 

O日常実践の三大原則・・・勤労・分度・推譲          

 勤労・・・天の恵みに人の力を与え たゆまぬ努力をする そして「自他両全」であ
     る事

 分度・・・身分相応にし、利欲を優先させれば「人」で無くなる。

 推譲・・・人の手は自分のほうへ向ける事も向こうへ向ける事も出きる。鳥獣の手
     は自分のほうへしか掻くことが出来ないように出来ている。だから他人の
     為にも推し譲る事を忘れてはならない。

 

O江戸期は初等教育において「知識」を覚えたのではなく「人格」を鍛えた。

O「人学ばざれば智(人間として生きるための叡智)なし、智なき者は愚人なり」

O「論語読みの論語知らず」・・・いかに知識や教養があってもそれがその人の人格

 や行動に現れなければ学問をした事にならない。

O永続の方法・・・将来のことを考えて計画的に行動するものは富、目先の事ばかり

 考えて、行き当たりばったりでやるものは貧乏する。

 蒔かないで取り、植えもしないで刈るような者は一見利があるように見えるが一度

 取ってしまえば二度と刈る事は出来ない。蒔いて取り、植えて刈る者は毎年尽き

 る事が無い。

二宮尊徳の立派さは業績を残したからではなく、人生の生き方そのものを教えて

くれた。しかもどのようにしたら社会の発展と個人の幸福を得ることができるかを

具体的に丁寧に示している。

 

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