「もし天国と地獄があるとしたら、どっちに行きたい?」

「僕は…天国に行きたい、かな」

「そうね、天国は綺麗だし」

「うん」

「天使が舞い降りて、私達を空へ連れて行ってくれるの」

「天使…」

「そう、天使」

「天使は僕達を何故連れて行くの?」

「私達が大地に立っている間に善いことをしていたら、天使は私達を良い所に連れて行ってくれるの」

「僕達が善いことをするから、天使は舞い降りる」

「うん」

「僕達が善いことをしないと、天使は舞い降りない」

「うん」

「僕達はいま、善いことをしてる?」

「う〜ん、どうかな。してるのかな…?」

「善いことをしたって、どうして分かるの?」

「善いことをしたら褒められる。それで、私は善いことをしたんだ、って分かる」

「褒めてくれるのは、天使?」

「天使は褒めてくれない」

「どうして」

「天使は私達の最期に来てくれるから」

「天使は善いことをした人の最期に現れる」

「うん」

「その最期の時まで自分が善いことをしなければ、天使は来てくれない」

「天使は善い人を天国に連れて行ってくれるから」

「善いことをしたかどうかを決めるのは天使」

「私達には決めれないから」

「善いことをしたと褒めてくれるのは、誰?」

「天使じゃない」

「じゃあ、誰も褒めてくれない」

「うん」

「天国は善いことをしないと行けない」

「でも、善いことが何か分からない」

「善いことが出来ない」

「私達は天国に、行けない…?」

「行けない」



「天使は僕達の前に舞い降りない」


続く