ワサビ戦記

作 島人さん


1話「涙の男ノリオ」
一人の男がいた。彼の名前はノリオ、大のザルソバ好きだ。
ある日、ノリオは友人達に聞いてまわった。
「麺類は何が好き?」
「俺はスパゲッティー」
「私も」
「僕も」
その日から、ノリオは姿を消した。
第一、ヨーロッパで"ザルソバ"という答えを求めるのが無茶である。
そして数日後…
新聞に載っていた一つの記事に…
「ザルソバン大活躍」
スパゲッティー派でノリオの友人の一人、リリアはその記事を見て叫んだ。
「これ……ひょっとして…!!」
ノリオだった。

2話「消えた友情」
記事の詳細を知るために新聞社に行ったリリア。
そこでノリオが地方の病院にいる事を知る。
(何故病院に?)
と不安を隠せないまま病院へ向かうリリア。
病室へ入ると、ノリオの側に見知らぬ男がいた。
身長は180cm位、歳は自分より少し上だろうか…優しそうな青年だ。
男は聞いてきた。
「君は?」
「わ、私、ノリオの友達でリリアっていいます」
「ああ、君が……ノリオから聞いてたよ。僕はノリオの親友のタカシ。
来てくれてありがとう、って言いたいけど…」
タカシは俯き、言葉を続けた。
「実は…ノリオは記憶喪失なんだ」
リリアは驚き、ノリオの方を向いた。
そこには、脅えるような男の姿があった。
リリアの目から光の粒が零れ落ちた。

3話「記憶の代償」
タカシの話によると、ノリオはザルソバ以外の事を忘れているらしい。
それで唯一の記憶であるザルソバを追求する事により、
記憶を甦らそうとしたのだ。
"ザルソバン"もそのひとつである。
記憶喪失は、何かちょっとしたきっかけで治る事があると言う。
リリアはタカシに協力する事にした。
そして二人がノリオの治療を始めて数日後、事件は起こった。
三人の前に小太りの中年の男が現れた。
男は何の前触れもなく、
「オマエが"ノリオ・タカムラ"アルね。」
と言い、懐から拳銃を出した。
「危ないノリオ!!」
ダァン!!
轟音と共に、ノリオの記憶が甦り、リリアは息絶えた。
「リリアァァーー!!!!」

最終話「怒りのワサビーム」
「貴様、何者だ!!」
「私は、ラーメン協会の総帥"キム・ソーワン"アル」
「ラーメン協会?」
「ラーメンを世界に広める活動をしている組織アル。
ラーメン以外の麺類は認めないアル!!」
「そんな理由で人を殺すのか!!」
「そうアル」
「許せねぇ!!ザルソバ真拳奥義"ナカジマ百烈拳"」
「おーいイソノー×100」
「ナカジマー」
「ぐはぁーー!!!!」
キムは倒れた。そして最後に、
「ラーメンを……世界に…あれは……いいものだ!!」
と言い、死んだ。
ノリオはリリアを抱き上げ、呪文を唱えた。
「究極蘇生呪文ワサビーム!!!!」
こうしてリリアは生き返り、二人は幸せに暮らしましたとさ。
あなたは麺類、何が好きですか?


ちなみにタカシはソーメン派らしい。