モンスターNO.−06「聖地にて
」
(ハヤイ隊員報告)
イモリマスター隊員の華々しい活躍に敬意を表し、ここに数々
の戦歴を誇る隊員たちもまだ足を踏み入れる機会を逸している
「十三ミュージック」のレポートをお届けしよう。
ただし、注意していただきたいのは、これは十年ほど前の話である。
その日、地元のツレから京都の下宿に電話が入った。
アメラグの猛者である彼はその日、一人で甲子園ボウルを見に
来たのだが、寂しいのでいっしょにいかないかというのである。
ヒマだったので付き合うことにした。阪神甲子園駅で落ち合って、
ドシャブリの雨の中で京大VS法政を見たあと、とりあえず梅田に
でてウメチカのドトールでお茶をしながら話をしていると、
ツレ「ハヤイよ。オレ、大阪来たら絶対行ってみようと思ってた
ところがあるんやけど」
ハヤイ「ん?何や?どこ?」
ガサゴソとバックをまさぐるツレ。そして彼がバックから出し
たのは、予想通り「大スポ」だった。
ツレ「ハヤイ、オマエ行ったことあるんか?十三ミュージック」
それまでキタで飲んでたときは何度か酔っ払ったイキオイで無
料送迎バス(注:実際はハコバンです)に乗り込んで淀川を越
えて行ったことはあったものの、酔いツブレて半分以上寝ると
いう失態を繰り返していたため、
ハヤイ「いや・・・行ったような行ってないような・・・」
ツレ「ドッチやこらぁ!」
ハヤイ「こ、声がデカイ、声が」
ツレ「オレは、オレはのう。一回、絶対一回はストリップ見て
見たいんじゃあ!(注:このツレは興奮すると大仁田の
ように同じ単語を2・3回、しかもデカイ声で繰り返し
ます。)」
ハヤイ「わ、わかったわかった。行こう。今から行こうや。でも
な、オレも場所がようワカランねん。」
とりあえず阪急神戸線に飛び乗る19歳二人。大スポの広告面を
便りに東側の出口に出るものの、やっぱり場所がようわからん。
意を決して電話をしてみる。
音楽「はぁぃ!十三ミュージックでございます!(注:オッサ
ンである。念のため)」
ハヤイ「・・・・・、あ、あの〜。今からそちらに伺いたいんで
すけど。場所がちょっとよくわからなくて・・・」
音楽「おぉ〜それはそれは誠にありがとうございますぅ〜。
今、どちらからお電話いただいてますかぁ?梅田でし
たら我々のゴージャスな無料送迎バスがお迎えにあが
りますけれども」
ハヤイ「(な、ナメとんかコイツ・・・)い、いやもう十三まで
来てるんで・・・」
で、なんとか方向と目印を聞いて現地へ向かうハヤイとツレ。と
にかくこのツレは今でこそ大阪出張の折は梅田リッチドール詣
でを欠かさない風俗オッサンに成り下がったものの、このとき
はまだ19歳&初風俗&チェリーボーイ。過剰な期待と妄想と
膨らんだ股間を抑えつつ向かうその道中でも落ち着きがない。
声がデカイ。
なんとかたどりついたものの、現地を見て我々は愕然とした
(続く)
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十三ミュージックとは、東の「浅草フランス座」と並ぶ聖地で
ある。その知名度は高い。
なんせ、それまで四国で悶々と過ごしていた若人ですらその名
前を知っているほどなのだから。
その十三ミュージックは、関西ストリップ界の、いや、関西風
俗界の聖地は、なんと、閑静な住宅街の中にあったのである。
品のよさそうな民家に混じって忽然と現れたストリップ界の聖
地に、正直ヘタレ二人はたじろいだ。
しかし、ここまで来たからには後戻りはできん。いざ入場券売
り場に向う。もちろん「学割」をつかって1,000円割引だ。
入場すると、ちょうど2回目のショーの始まる前。客席は非常
にまばらだ。
早速トップバッターの踊り子さんが登場。BGMに乗って意外
とちゃんとした「踊り」を見せる。これはこのあと登場する踊
り子さんすべてに言えたことだが、温泉街によくあるようなテ
キトーかつダレた踊りではなく、ちゃんとしたダンスになって
いた。開脚、カラダのやわらかさなどはキチンと鍛えてるとい
う印象。
最初の曲にのったダンスでは、最後まで脱がない。どうもパタ
ーンがあって1曲目-ダンスのみ。2曲目-チチをオープン。3
曲目-ご開帳と相成る。
で、最初の踊り子さんのステージが終わると、場内アナウンス
が。
「えー、それでは○○嬢によるポラロイドショーでございます
。1枚500円。1枚500円でございます。えー、いかがで
しょうかー、いかがっしょー」
後からわかったのだが、この「ポラロイドショー」とは、50
0円払ってポラロイドカメラを借り、踊り子さんがご開帳ポー
ズをとってくれてそれをカメラに収める。写真はお持ち帰りと
いうことになるらしい。
そのときは、どういうものか、どういうシステムなのかという
ことがサッパリわからず。僕はキョトンとしていた。それでも
「えー、ご希望の方は手をあげていただけると踊り子がまいり
ます」という場内アナウンスにのって手をあげた、こんなモン
に金を払うバカがいた。俺の隣に座っていた、オレのツレその
人であった。コイツ、トゥナイト2で予習済みだったようだ(
号泣)
しかもコイツ、踊り子さんに「何枚とります?」と聞かれて「
あ・・・、とりあえず3枚」と答えやがった。踊り子さん、ポ
ーズを変えつつ、ツレ3枚を恋写(by野村誠一)。この間、
場内には音楽も流れず、場内アナウンスもなく、人々の会話も
なし。ここでメシ食ってたらたぶんきゅうりを噛まずに飲み込
んでしまうほどの重い雰囲気の静寂が流れていた。
その雰囲気に呑まれてしまったのは、風俗初体験のツレとて同
じこと。
あとで写真を見せてもらうと、肝心の踊り子さんの顔が写って
おらず、クビからした股間のみというショットばかり3枚であった。
(続く。このペースでいくと「その5」くらいまで行きそうなんですけど・・・)
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それにしても重いな。この掲示板。内容に比例すんのか?
んで、そうこう言ってるうちに順調にショーは進む。
ま、どんな興行でもそうだが、当然前座からメインへと、演目
はグレードアップするもの。そんな摂理を完全に本能が凌駕し
ていたのが同行したウチのツレ。3人終わった時点で取ったポ
ラロイドは既に12枚。入場料と同じだけ写真を撮った計算に
なるが、あとからどんどんキレイな踊り子さんが出てきてポラ
ショーをやるころには、彼の財布は底を着き始めていた。
ようやく自分のミステイクに気がついたか、踊りそっちのけで
後悔の念を俺に語る。とにかくデカイ声で。
僕はというと、そろそろ同じパターンに飽きてきて、ちょいと
眠くなっていた。で、場内のつくりや雰囲気をぐるりと見渡し
ていると、小屋の一角にイマドキ高校の文化祭でももうちょっ
とマシな装飾するぞ、って具合の電飾のドアが目に入った。そ
こにはそのショボイ電飾で
「ピンクボックス」
と書かれていた。
何だかまったく理解できなかったが、暫くするとそのドアから
ズボンを直しながら出てくるオヤジが。そしてそのドアの向こ
うには下着姿の女性が垣間見えた。
こんなわかりやすいシュチュエーション。諸兄ももう察しがつ
いたであろう。つまりは踊りをみて悶々となった下半身を、そ
の「ピンクボックス」内の下着姿の女性が何らかのカタチで1
本抜いてくれるのだな、と僕は推測した。それを裏付けるかの
ように、再び閉じられたドアの「ピンクボックス」の文字の下
には「\3,000」書かれている。
その「ピンクボックス」の存在とそこに対する推測を隣のツレ
に話してみた。するとツレは
「ホンマか!それホンマか!!!」
その声がどれだけ大きかったかというと、大音量で流れるさだ
まさし(「♪ああ〜おお〜きぃな〜あーいにぃ〜なぁ〜りぃ〜
たい〜」とか言う歌。題名は知らん)にのって見事なのけぞり
のけぞりポーズをキメていた踊り子さんがびっくりしてこっち
を振り返るほどだった。
ハヤイ「た、頼むから声を絞ってくれ。聞こえるから」
ツレ「ほ、ホンマに3,000円で・・・」
ハヤイ「い、いやワカランぞ。とにかく今のは俺の推測で・・・」
と、こんなやりとりをして、ツレの反対側を向いて、約15秒
くらいたったか。再びツレの方を向くと、もうそこにツレの姿
は無かった。
(まだまだ続く)
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えーっと、どこまで書いたっけ? あ、そうそうピンクBOXね。
で、しばらくするとツレはうつむき、うなだれながらも何度もピン
クBOXのドアを振り返り、軽くメンチをきりながら席に戻った。
ハヤイ「お、おいどやったん?」
ツレ「・・・・・、」
後から聞くと、ピンクBOXの中に入るとそこには下着を着けた
おねーさんと置屋のオバチャン風ババアが。ババアに3,000
円渡すと、おねーさんが至極事務的にゴムを付けて1本抜かれて
ハイ、おしまい。だったとか。その間、おねえさんにタッチは何
もなし。こうしてツレの射精産業デビューは終わった。そんな彼
も、おととい一児のパパになった(←マジ)
気をとりなおしてショーに戻るも、あまりに延々と続くショーに
そろそろ飽きてきた。「無料タッチサービス」という、舞台の上
に踊り子さんが二人出てきて、無料でタダ股間とチチを延々いぢ
くるという、アタマが溶けそうな出し物まで飛び出した。触られ
てる踊り子さん達は、いぢくられて感じるわけでもなく
触ってるオッサン「これで月いくらくらいもろてんの?」
踊り子「あー、うちら基本的に日給なんよ。」
と、世間話をはじめる始末。もうええかげん帰りたくなった。という
か、眠くなってきた。
そうこうしているうちに、セミファイナルへ。が、セミファイナルを
告げるアナウンスに、ワタシの眠気はいっぺんに覚めた。
「さー、続いては数々の秘儀でお楽しみください!『花電車ショー』
の開幕です!!!」
ハヤイ「こっ!これは!!!」
(しつこく続く)
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◆◆◆◆◆◆番外編(フラッシュバック)◆◆◆◆◆◆
「花電車ショー」
この言葉を聞いて、ワタシの胸は躍った・・・。
すこし話がそれるが、映画少年だったワタシは、高校時代に60
〜70年代の東映映画にハマっていた時期がある(今もフェバリ
ットなのだが)。エロ・グロ・ナンセンスにバイオレンスを盛り
込んだパワフルで自由なその世界にかなりハマった。
主に見ていたのは「仁義」シリーズや「トラック野郎」シリーズ
と、千葉真一のカラテもんが主だったのですが、そうやっていろ
いろと東映映画を見ているうちにある作品に出会った。その作品
のタイトルは
「東京ふんどし芸者」
という、溶けた脳みそが耳から垂れでそうになるくらいのアタ
マ悪い映画でした。
すこしだけこの映画について解説すると、先祖代々芸者家業を
営む家に生まれた女の子(確か、役名は「和代」だったかな?)
が、芸者にならずに商社に就職するも入社初日にクビに。それ
をきっかけに自身も芸者になることを決意するのだが、それを
聞いた母から真ん中に穴が空いている先祖代々の赤フン(激し
く苦笑)を授けられ、血は争えないのか、大臣のイ○ポを治し
たりと、あれよあれよという間にナンバー1の芸者になる。
で、そうこうしているうちに伝説の媚薬(確か、「曼荼羅」と
かいう)をめぐって、和代がナンバー1芸者になったことを快
く思ってなかったそれまでのナンバー1芸者、花蝶と対決する
ことになるのだが、対決方法はもちろん「花電車9番勝負(と
にかく苦笑)」
これがまた強烈で、「花電車」なるものが鮮明にワタシの中に
刷り込まれたのであった。興味のある方はレンタルビデオで見
てもらうのが一番なのだが、借りるのはかなり勇気がいる作業
だと思われるのでここに僕の記憶の限り再現してみよう。ちな
みにこの勝負を裁くレフリーは山城信伍。その役名は「大陰唇
金太郎(ただただ苦笑)」
第一試合:書き初め対決
コーマンに筆をはさんで習字を行う勝負。お題は「玉満」「珍
宝」「四暗刻」「大三元」だったかな?
和代は筆を落とし、花蝶の勝ち。
第二試合:火消し対決
火のついたローソクをコーマンからの風(息?)で消す勝負。
和世の勝ち。
第三試合:ラッパ吹き対決
コーマンで起床ラッパを吹く勝負。サビの部分を和代は吹けず。
花蝶の勝ち。
第四試合:煙草吸い対決
コーマンで煙草を吸う勝負。花蝶の勝ち。
第五試合:綱引き対決
鈴のついた綱をコーマンにはさんで綱引き(あてどなく苦笑)。
和代の勝ち。
第六試合:バナナ切り対決
コーマンにバナナを一本入れてちょっとづつ切る勝負。花蝶は
4つに、和代は5つに切り分けて和代の勝ち。
第七試合:コイン飛ばし対決
コーマンに吸い込んだ100円玉を秘儀を使って飛ばす勝負。
花蝶は「番町皿屋敷」とか「桜吹雪」とかいった大技(苦笑以
外の何者でもない)を繰り出すが、和代は飛ばした100円玉
を自由に操って裏表を出す秘儀を披露!山城信伍も得意の「ハ
ヒィ〜!!!」が炸裂(爆笑)。和代の勝ち。
第八試合:卵飛ばし対決
コーマンに卵を幾つか入れて、それを飛ばして的に当てる勝負。
花蝶の勝ち。
第九試合:ビール飲み対決
コーマンで10本のビールを飲み干す勝負。ここで失神寸前の
和代が「赤フンなんたら〜!」と呪文を唱えると、花蝶がなぜ
か赤フンが巻き付く幻覚を見て、コーマンからビールを噴出し
失神。和代の勝ち。
・・・・・、と、こんな強烈な映画を見てしまったが為に、ワ
タシのココロには強く、ひっじょーに強く「花電車」なる言葉
と、ついでに「ハヒィ〜!!!」が残ってしまっていた。
その「花電車」が、ライブで見られるというのかっ!?
(つづく)
◆◆◆◆◆◆フラッシュバック終了◆◆◆◆◆◆
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とにかく、生まれて初めてみる花電車ショーはスタート
そして、片手にリンゴとピアノ線を持って踊り子さんが登場し
た。
軽快なナレーションが語る。「さー早速伝説の秘儀の数々でお
楽しみください。まずは、○○嬢(踊り子)からご来場の皆様
に感謝を込めましてデザートが振舞われます。」
踊り子がそこになおると、おもむろにピアノ線の先端を片手に。
そしてもう一方の先端を秘所にくわえさせてピアノ線をピンと
張ってマナ板の上のリンゴやバナナなどをザクザクと切り始め
た・・・。
様様なフルーツを淡々と同じ要領で切り刻んでいく踊り子。そ
んな中、やはりというかなんというかバナナだけは一回突っ込
んでから(涙)切り刻んだ。
そして小さなデザート皿にそれらのフルーツを盛り付けてお花
などを添えたところで司会のオトコが
MC「さー、○○嬢の特製の『花電車フルーツ○ンポ、もとい、
フルーツポンチでございます!愛情たっぷりぃ〜愛液もぉ
〜たっぷりぃ〜・・・、ささ、ご希望の殿方に振舞われま
す。さぁ〜いかがでしょ〜かぁ〜?」
最初の芸とMCの小ネタにツレとハヤイはもうノックアウト寸前で
ある。
その後も、子供が乗るような小さな電車のおもちゃにオッサンを
3人のせて、その電車をひっぱる紐を、やはり踊り子が秘所にく
わえてそれを引っ張るという、ヘイスタック・カルホーンも真っ
青な力技や、筆をおくわえになってのお習字など、脳ミソが沸騰
しそうな芸の数々にやられっぱなしの中、
MC「さー、次はタバコ芸をご披露いたします。」
ああ、オマタのお口でタバコ吸って煙はくんかな、と朦朧とし
たアタマでぼんやり考えていると
MC「お客様の中でどなたかおタバコをお吸いになる方はいら
っしゃいますか?」
その問いに、かなり脳ミソが煮詰まってきたツレが
ツレ「・・・、はい。」
と、条件反射的に手を上げてしまったのである。
ハヤイ「な、な、何してんねんオマエ・・・」
とツッこんだのもあとの祭り
MC「さー、それではご希望のお客様のもとへ○○嬢がおタバコ
をお届けします」
踊り子はツレの方に向いてご開帳ポーズをとる。そして細長い管
をコカンに挟むと、その管の中に一本タバコを入れ、管の先をツ
レの方向に向けた。ちなみに踊り子とツレの距離は、5m程あっ
たであろうか。
「シュッ!!!」
という音がしたかと思うと、管の先から白い閃光が走り、あっ
という間にツレのまゆとまゆの間、つまり眉間に
「ストォーーーーーーーーーーン」
と垂直に突き刺さり、ゆっくり、ほんとうにゆっくりと下に落ち
ていった・・・。
つまり吹き矢の要領でタバコをコカンの圧力で吹っ飛ばしたのだ
があまりのスピードに構えようとしたツレの手をすり抜けて見事
ツレの眉間に突き刺さったのである。
会場は、一瞬水を打ったように
「しいぃぃぃぃぃん・・・・・」
と静寂が訪れたあと
「おおおおおおおおおっ!!!!!!」
と万雷の拍手に包まれた。
(最終章へ)
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ツレのヒタイにタバコを突き刺し、その膣圧の破壊力を見せつ
けた踊り子は喜色満面。会場の盛り上がりも最高潮に達した、
と同時に、ワタシのヒキ具合も有明浜の干潮時並にヒキまくっ
ていた・・・。
会場のボルテージを最高潮にもっていくかのように、いよいよ
ショーは最後の芸へ。
おもむろに看板と、看板に張り付いた風船と巻物が。
MC「さー、クライマックスッ!この風船めがけて○○嬢が吹
き矢を下のオクチで吹きます!そうするとスルスルっと
この巻物が皆様の前に、ご開帳!」
という段取りらしい。
踊り子さんは余裕の表情で看板の方に向き直り、管をセッティ
ングして吹き矢を吹いた。
また吹いた。
更に吹いた。
もう一回吹いた。
・・・・・、どうも様子がおかしい。
ツレのヒタイにタバコを突き刺したので精魂尽き果てたか、上
手く吹き矢が吹けないらしい。何度となくトライするものの徐
々にその矢は看板にすら届かなくなり、会場に思い空気が漂い
始めた。あれほど饒舌だったMCもフォローできずに、踊り子
にもうっすらと冷や汗か脂汗かが流れ始めた。
数分後、その思い空気を切り裂いて一人の中年男性が立ち上が
った。町工場の作業着チックな服に身を包んだ彼。名古屋章風
の風貌の彼は、おそらくどこかの零細工場の工場長か社長で、
副社長であるヨメの目を盗んでここに通いつめている、そんな
妄想を掻きたてられる風体であった。
彼は立ち上がり声を張り上げ、おそらく自前で持ってきたので
あろうタンバリンを打ち鳴らしながら
「○○ちゃん!○○ちゃん!○○ちゃん!」
と、大声で声援を送り始めたのである。
滑稽な光景であったが、奮闘する踊り子嬢の姿と、無骨かつ実
直に声援を送りつづける前田吟の姿は、ひとり、またひとりと
聖地に集うエロオヤジ達のココロを突き動かし、会場中が
「○○ちゃん!○○ちゃん!○○ちゃん!」
の大合唱に包まれた。
見方によっては「嗚呼!花の応援団」第7巻の名作「ひとりぼ
っちの応援団」に匹敵する感動的な光景である、とも言えるが
、ワタシのココロは引きまくった有明の浜でのた打ち回るムツ
ゴロウのように乾いていた。なんじゃ?何なんだココは・・・。
そのエロオヤジどもの祈りが通じたのか、ようやく風船に的中。
人々の思いを込めて開かれた巻物には、達筆な毛筆で
「歓迎 十三ミュージック」
と、なんのヒネリもない文字が。
こうして生まれてはじめての花電車ショーは幕を閉じた。
ショー全体からすると、花電車ショーはセミファイナル。メイ
ンはAV女優の林由美香嬢のストリップで幕を閉じたのだが、
我々の中では花電車ショーの時点でノックアウト。
ショー終了後は、まるでレイプされた後のようにフラフラと
歩いて阪急十三駅へと向かった。
十三のネギ焼き屋「やまもと」で晩メシを食った。
いつものようにやまもとのネギ焼きは美味かったが、何故か、
なぜかこの日のネギ焼きは、少しショッパイ気がした。
完
危険度:★★☆☆☆