B - 1 地域通貨とは
 はじめに
国の中央銀行が発行する通貨は国民通貨と呼ばれますが、これに対して、 地域通貨(local currency)とは、直接それを使う人々(地域住民)が自発的に発行するお金の総称です。
 
世界で使われている地域通貨には、現物の紙幣を使うものから使わないものまで、さまざまなバリエーションがあります。1983年にカナダで誕生した地域通貨LETS(Local Exchange Trading System)は、そうした数ある地域通貨のなかでも、現在最もポピュラーなものの一つです。キョートレッツでは、このLETSのシステムを採用しています。

 地域通貨とは
現在、日本各地で、 地域通貨とよばれる経済交換システムが、注目され導入の動きが広がっています。 その理由は、国民通貨の不足を補うことや雇用の促進といった経済上の目的だけではありません。 むしろ、国民通貨では困難なサービス(たとえば、ボランティアやいわゆるシャドーワークなど)の評価、 そしてコミュニティの結びつきの強化など、経済的な目的とは別の理由によって注目されています。 つまり、地域通貨とは、国民通貨のかわりではなく、 独自の機能を持った別のお金として期待されているのです。 では、その地域通貨とは、どんなものなのでしょうか?
 

地域通貨は一言で言うと、コミュニティを生み出すメディアです。
 
地域通貨とは、特定の地域やコミュニティのなかで、財・サービスを交換するためのシステム、 またはそこで流通する通貨のことです。その特徴としては、国が発行する日本円や米ドル、ユーロなどの 「法定通貨」とは異なり、限定された範囲で流通すること、利子を持たないことなどがあります。現在では、 コミュニティのつながりや地域経済の活性化を促進するものとして、全世界の2,000以上の地域で導入されています。
 地域通貨のタイプ
地域通貨の発行方式には、大きく分けて2つのタイプがあります。 管理者が、独自の紙幣を独占的に発行する「集中発行方式」(図1)と、参加者が、自発的に貨幣を発行する「相互信用発行方式」(図2)です。

集中発行方式の場合、地域通貨として発行された紙幣を利用することになります。このメリットとしては、 普通のお金と同じように、手軽に使える「利便性」と誰が何をいくらで買ったのか分からない「匿名性」があります。 問題点としては、インフレを防ぐために流通量の管理が必要になることです。

一方、相互信用発行方式の場合、紙幣は発行せず、お金は、 通帳や電子ネットワーク上の口座に記された数字としてだけ表れます。そのメリットとしては、紙幣を発行しないので、 インフレの恐れがないこと、また、口座残高がマイナス、つまりお金がない場合でも物を買えることです。問題点としては、 取引結果を記録しなければならないため手間がかかること、また口座の集中的な管理が必要なこと(図3)です。 ただし、電子マネーにすることで、これらの問題を解決している地域通貨もあります。

図1 「集中管理方式」による発行方式
管理者がお金を発行する。また、流通量を管理する。
図2 「相互信用発行方式」による発行
サービスの提供に対し、買い手がお金を発行する。
ただし、お金は口座上に記された数字としてのみ存在し、現金は用いない。
図3 「相互信用発行方式」による口座の管理
参加者は、取引結果を報告する。管理者は、それに基づき、口座を管理する。
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