桜の名所飛鳥山公園と王子を歩く
JR京浜東北線上中里で下車して、岩槻街道(本郷通り)を歩きます。改札口を出て右側の、線路に沿った細い道が”飛鳥の小径”と呼ばれる飛鳥山公園への近道です。左側の蝉坂を登ると、すぐ西方不動尊があります。さらに右手の石段を登ると、平塚神社拝殿前に出ます。平塚神社一帯は豊島郡の郡衙があった所です。蝉坂の反対側、民家の中に城官寺があります。この寺は代々将軍家の侍医であった多紀家の菩提寺です。
けやき並木の蝉坂を登り切ったT字路が岩槻街道で、左手に旧古河庭園があります。この庭園は明治の元勲陸奥宗光の邸宅で、後に宗光の次男潤吉が足尾銅山などを経営した実業家古河市兵衛の養嗣子となったので古河家の所有となりました。戦後国の所有となりますが、昭和三十一年に東京都が国から無償で借り受け、一般公開となりました。
この庭園は和洋折衷で、それぞれ設計者が異なります。ルネサンス風本館とテラス式洋風庭園は大正初期の代表的な名園であり、昭和五十七年に都指定名勝文化財に指定されています。
岩槻街道を王子方面に歩くと、地震の科学館、滝野川公園、大蔵省印刷局滝野川工場などがあり、滝野川警察署前に西ヶ原一里塚(国史跡)があります。この塚は日本橋から二里目にあたり、二十三区内に十八ヶ所あったという一里塚のうち、当時の位置に左右の塚が保存されているのはここだけです。
一里塚の横に七社神社があり、街道の反対側には”ゲーテの小径”と名づけられた細い道が、東京ゲーテ記念館へ続いています。
さらに王子方面へ歩くと、右手に樹木に囲まれた渋沢栄一邸跡があります。空襲で大部分が焼失しましたが、ステンドグラスがはめ込まれた青淵文庫には、第一銀行や王子製紙の創始者であった渋沢の業績を物語る資料、遺品が収蔵、展示されています。
渋沢邸の隣が飛鳥山公園です。元文二年(1737)将軍吉宗がこの地を王子権現に寄進し、荒れ地を整備して桜、松、楓などを植えたので、その後桜の名所として知られるようになりました。園内には渋沢資料館、北区飛鳥山博物館、紙の博物館(三館共通入館料720円)があります。
王子駅からJR京浜東北線に沿うような森下通り商店街を歩くと、左に王子稲荷神社が見えてきます。この神社は関東の稲荷神社の総元締めで、毎年大晦日の晩に関東地方の狐が集まって、装束稲荷神社のところで高級女官の装束に改め、行列を調えてここに参拝したという装束狐の伝説が残っています。
おすすめコース
JR京浜東北線中里駅−平塚神社−西方不動尊−城官寺−旧古河庭園−地震の科学館−滝野川公園−西ヶ原一里塚−七社神社−ゲーテ記念館−渋沢邸跡−渋沢資料館−飛鳥山公園−王子神社−王子稲荷神社
ゲーテ記念館
ゲーテの小径を三百メートルほど歩くと、東京ゲーテ記念館があります。ここにはゲーテに関する蔵書や文献を収集、公開しています。
ここの展示方法はなかなかユニークなので注目されているアート空間です。案外楽しい発見が出来るかも...(無料)

飛鳥山 渋沢邸 一里塚
