−MHE&Me ハンドブック−

ご家族、友人、先生、生徒さんへの手引き(翻訳版)

おことわり:このハンドブックの情報は役立たせることを目的としていますが、

医療の代替行為を行うためのものではありません。また、わたしたちサポート

ネットワークの参加者はこの疾病の経験者であっても医療の専門家ではありません。

いかなる場合でも治療や診療の過程で起きるご質問等はご自身のかかりつけの

医師に必ずご相談下さることを推奨いたします。

注:

以下の翻訳文は下記のサイトにあるMHE-Handbookを基に本疾患に関する日本語での情報提供の一環として作成されたものです。根本的には原文の翻訳版、ですので、学校制度、教育制度、医療制度、保険制度、等々、米国での事情を基盤として書かれています。かならずしも本文中に登場する事柄(特に薬剤など)が日本でも同じである、ということではないことをご留意ください。

ただ、本疾病のもたらす様々な影響については何ら異なることはない、ことでしょう。また、和式と洋式の生活様式を比較したとき、さらなる課題が同時に積算されることが予想されます。今後、可能であるならば、正式な日本語版では日本における諸事情に照らし合わせた項を含めたかたちのものを提供できれば、と考えております。

原文(英語)へのリンク↓

Original Text (in English) available at:

-MHE and Me Handbook-

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WHAT IS MHE?

-"MHE"って何のこと? -

MHEと言われるMultiple (多発性)Hereditary (遺伝性)Exostoses(外骨腫、又は骨軟骨腫), 又はHereditary Multiple Exostoses, HMEは遺伝性の骨成長の異常をもたらす疾病です。MHEをもつ人々は、外骨腫や様々な形の骨のでっぱりをもち、大きさ、発生する場所、数などはそれぞれ個々によって異なります。どんな骨でも影響を受けることがありますが、足、腕、手指、足指、肋骨などの長管骨(長い骨)、また骨盤、肩甲骨、が特に影響を受けやすいとされています。MHEは 以下のような別名で呼ばれることもあります。

Heredity Multiple Exostoses, Heredity Multiple Osteochondromata, Cartilagenous Exostoses.

外骨腫とは、正常でない、または 通常の骨のつくりとは異なる、良性の骨増殖、骨成長のことです。これらの骨増殖は一般的に、正常な骨から突出するように成長します。しばしば、医師は正常ではない骨の成長という意味で、外骨腫を「腫瘍」という言葉で言い表します。重要なのは全ての腫瘍がガン細胞であるとは限らない、ということです。MHEの外骨腫の多くは良性です。

外骨腫は、骨の端にある骨成長細胞の近くから成長します。そのため関節付近に多くの外骨腫ができてしまうのです。これら外骨腫は丸かったり鋭かったりします。子供の成長と共に一緒に成長しますので子供の成長がとまれば外骨腫も成長をとめるといわれています。

MHEは感染性の病気ではなく、関連因子をもった親の遺伝子がその子供に受け継がれることによって現れてくるものです。MHEの遺伝方式は「常染色体優性遺伝」と呼ばれ、どちらか片方の親がこの遺伝子を持っていれば、その子供は50%の確率でMHEになる可能性があるというわけです。しばしば、家系に何らMHEを持つ人がいなくても外骨腫を患っている人がいることがあります。

これは、遺伝子の自然突然変異による結果として説明され、親から子への遺伝とは無関係である、といわれています。

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HOW ARE CHILDREN AFFECTED BY MHE?

- MHEによる子供たちへの影響 -

全く、もしくはほんの少しの症状しかない子供がいる一方で深刻な影響や困難を抱えている子供もいます。これらMHEの骨成長は関節周囲に集まることがあるため、MHEの子供は、歩く・走る・物を持ち上げる・物を持つ・関節を曲げる・膝をつく・手を握る・腕や足を回す などの普通の動作がとても困難になりえます。

外骨腫はどんなときでも成長し増殖することがありますが、特に成長期に顕著な成長、増殖を遂げます。ある日は日常の動作に何も問題のない子が、次の日はその動作に制限が生じ、そしてその翌日には何もなかったように戻る時があります。外骨腫は子供の日常動作に新たな制限を作り上げてしまうこともあるのです。たとえば、前学期はちゃんとした姿勢で座ることができた子供が、今学期、また将来は同じ姿勢で座れなくなるということもあります。走ることができた子供が、外骨腫の成長により、走れなくなることもあります。このような動作の制限は外科手術によって改善されることもありますが、一方生涯かかえなければならない制限ともなりえます。MHEの子供に関わる親、教師ともに、子供の障害の程度が日々変化していることを念頭に置かなければいけません。

MHEの子供はとても落ち着きがない、または極端にソワソワしているように見えることもあるかもしれませんが、それは単に自分の楽な姿勢(体勢)を探しているためです。多くの外骨腫は表面上、目で見ることができず、その影響も微妙なものです。1個か2個の外骨腫しかない子供もいれば、体中のいろんなところに、様々な形の外骨腫を持っている子供もいます。人によって、何故、体のいろんな箇所で、それぞれ異なる影響を受けるのかは未だ解明されていません。

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HANDS

- 手 -

手や腕にはこの病気特有の問題があります。MHEの子供は、小さな物を扱う動作を困難とする問題を抱えていることがあります。幼児となれば、これはボタンをとめたり、チャックを閉めたり、紐を結んだりすることが難しい、ということを意味するのかもしれません。小児に限らず、大人もまたこれらの動作に問題があることもあります。 保育園や幼稚園に通っているMHEの子供は、これらの動作を手伝ってもらう必要がありますが、それは同時に見ている人達にその子供が自分で自分のことができない、また年齢に応じた成長に達していない、と感じさせることになります。手伝う人は、その子が何ができて何を手伝ってあげなければいけないかを理解する必要があります。自分の靴紐をうまく結べない子供には、マジックテープを付けてあげるということが自立を助けることになります。MHEの子供の多くは自立というゴールを目指して、代替動作や自分のやり方で物事をできるように だんだんと体得していくのです。

小学校に入るくらいの子供では更に多くの気が遠くなるような難問が存在します。ペンや鉛筆、クレヨンを持つことで不快感や痛みを生じさせることもあります。

"ニコル(10歳)は、手の指にたくさんの骨のでっぱりがあり、鉛筆やペンを持った時に手がこわばりやすく思うように曲がらず、持ったところがこすれて痛くなってしまいます。最近、ペンの持ち手にクッション代わりにつかえるゴムをつかうようになりました。また大きくてクッションのある特別なペンやシャープペンもあります。こういうものがあると助かりますが、宿題が多い時は手が痛くなりとても疲れやすくなってしまいます。"

ペンを握ることができ、ちゃんと書けるように見える子供でも、問題があります。

"ジュリアン(10歳)は、手首に痛みがありますが先生方はまったく理解できないようです。先生達は、彼女はもっと練習が必要だからと考えてしまうようで、手書きの宿題をいっぱい出すんです。彼女はうまく親指を使いながら、ほとんどクッションなしで書こうとしています。ここが、私たちが見方を変えなければいけないところなんです。彼女は手書きで"A"の成績をとることはできないかもしれません。けれど何よりも重要なのは彼女ができることを精一杯がんばっている、ということなんです。"

しかし、クッションのあるペンや鉛筆を使ったとしても、これらの子供たちにとって長時間書くということは厳しい問題となります。

"ボビー(8歳)は鉛筆を握ることに問題があります。ボビーは3年生で、書く量が多くなってきています。学校のスタッフとの何度にも渡る話し合いで、学区長はアルファスマートキーボードをボビーに提供してくれました。機械自体は、比較的小さく、何行かの文章を表示し、メモリー機能もついています。彼は、どこに行くにもそれを持ち歩き、宿題もこなせ、また学校、家のどちらでもプリントアウトできるようになっているんです。"

他の子供たちの問題は 、ちょっと複雑です。

"クリストファー(13歳)は、ペンや鉛筆がちゃんと握れず、手書きの字はとても見にくくなってしまいます。いつも先生方には、彼の字が読めない 、と言われてしまいます。"

 言うまでもなく、この手の問題は、学校で普通に使われる、はさみ、チョーク、のり、クリップ、ホッチキス、ゴム、その他多くの物を扱う細かい操作に共通した困難を呈することを意味します。

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ARMS

- 腕 -

前腕(手首から肘までの骨)には尺骨(しゃっこつ)と橈骨(とうこつ)という 2本の骨があります。橈骨は、手首の親指側から肘までのび、尺骨は小指側から肘までのびています。MHEの子供の多くは、尺骨の成長に影響を受け、橈骨よりも短くなります。この場合、橈骨は弓形に曲がり、そのため、手は押される格好となり、手首は外反し、指先が外を向いてしまいやすくなります。これは、手首にとても負担がかかります。ある子供は、手首を回すことが出来ないために手のひらを上へ向けたり(回外)、下へ向けたり(回内)することができません。そのため、肩から腕全体を回し、肘を曲げて体の方へ寄せて回内したようにしてみたり、また腕全体を反対方向へ動かすことで回内したようにさせています。学校でこのようなことをさせられても、簡単にはできません。例えば輪になってみんなで手をつなぐとき、MHEの子供は隣りの子供と手をつなぐのに、手首をすんなりと回すことができないのです。本人も親も このことには気づかないでいるかもしれません。

肩周辺の外骨腫は、ボールを投げたり、粘土で遊ぶ、鉄棒で遊んだり、飛行機の真似をして遊んだり、と肩を動かす遊びに制限を生じさせます。たったひとつの外骨腫が、動作に影響し制限を生じさせたり、またはまったくできなくさせてしまうこともあります。リュックを背負うにも、外骨腫にあたって不快感や痛みを生じます。重い教科書を持つことも同じです。できるなら、同じ教科書をもう1セット家においておくのもいい方法かも知れません。

"ケイト(26歳)私は、平泳ぎ以外のフリースタイル・クロールができませんでした。オーストラリアでは、小学校でスイミングを習います。私の肩は手術をしたあとでも、クロールを泳げるほどは上にあがらなかったんです。泳ぐには、手の長さは違うし、力の入り具合もちがうので、真っ直ぐ泳げず、円を描くように泳いでしまうんです。"

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Ankles and Feet

- 足首と足 -

足にはたくさんの骨があり、多くは“長い”骨(長管骨)で、外骨腫の生じる対象となっています。 外骨腫が形成され、成長していくと、骨の長さに影響し、短いままになります。MHEの子供の足はかなり変わった足の形をしています。でこぼこしていて、かなり小さい爪をもっているか、なかには爪がまったくない場合もあります。手指と同じく、片方の足のなかだけでも、正常よりも長い場合もあれば短い場合もあります。足の親指が正常よりも長い場合もありますし、その隣の足指が正常より短い場合もあります。

"エレン(16歳)"私の足はとても変形しています。順序を間違えたんじゃないか、と思えるほどです。足跡は3本の指の跡しかつかないんです。変かもしれませんが、まだいいほうじゃないかと思ってるんです。"

歩行時の痛みや不快感と同じくガタガタした歩き方は外反(がいはん)変形によるものです。これは、脛骨と腓骨のまわりに外骨腫が成長してしまうためで、足先が外に向いてしまう原因になります。

メリッサ(15歳)"わたしにとって一番やっかいなものの一つは足首です。何かが足に触ると、いてもたってもいられなくなります。 靴や厚い靴下、寝る時もです。横になって、ベッドに足が触るだけでもとてもイヤなんです。"

MHEの子供はつま先立ちができないかもしれません。中足骨(ちゅうそくこつ)の外骨腫が足趾("そくし"、足のゆび)を横方向へ押しやり母趾(ぼし)と他の趾(ゆび)が外側を向いた形を作ります。これを外反母趾(がいはんぼし)といいます。

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Legs

- 下肢 -

外骨腫の形成による不均等な骨成長は 腓骨(ひこつ)や脛骨(けいこつ)を短くします。これは、もう一方の骨が湾曲してしまったり飛び出てしまう原因にもなります。それを回避し、骨成長を均等化するため、一つの方法として外科手術によって創外固定(そうがいこてい)を取り付け一定の時間を経て骨を長くすることができます。このような手術の対象になる子供もいれば、ある子供は 長管骨の成長部分に、金具を外科的にいれて成長を抑え、短い方の骨が追いつくようにするという方法をとる場合もあります。

リディア(17歳)"私の場合、足がいちばん厄介で、時々持続的な痛みがあるように感じるときがあります。我慢できる痛みのように感じるときもあれば、もう単に慣れてしまっただけなのかもしれません。1日中座っている時のほうが足が痛くなるようです。実際、少し歩いたほうがいいみたいですし、そうすると、痛みから離れるように、"歩いて"行ける、ような気がします。"

治療(緩和療法・解決法)とされる外科手術も合併症を伴います。

"ニコル(10歳)は夏休みに手術を受けました。脛骨の中(膝の近く)にステープル(金具)を入れ、その下にあった大きな外骨腫をとりました。3ヶ月後、手術をしたほうの足の、今度は腓骨にある3つの外骨腫が神経を圧迫し、麻痺させ、尖足(下垂足)となり、再び手術をしなければなりませんでした。尖足では足を動かすことが全くできません。ニコルは、今 家庭教師に勉強を見てもらいながら 歩行のリハビリもすすめています。"

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Knee

- 膝 -

膝周りの外骨腫の存在は、膝の柔軟性を制限、または失わせ、膝を曲げることが難しくなるため、子供は痛みで膝をつくということができません。 しばしば外骨腫の成長で、膝は固くもりあがり、正常よりも大きくみえてしまいます。MHEの子供は、床に座って足を組むということができません。膝周りの外骨腫だけでなく、腰部、股関節や骨盤の外骨腫も同じような影響を示します。

ギル(53歳)" 僕はキャッチャーがするような、あのしゃがみ方ができないんです。いままで一度もできたことがない。僕の膝は40度までしか曲がらないんです。小さいときはすごい痛かったけど、大人になったら時々痛むくらいだね。"

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Hips and Pelvis

- 股関節と骨盤 -

前の章で述べたように、股関節と骨盤の周りの外骨腫は、子供が床に座って足を組むということをできなくさせ、また他の動作においても支障が出てきます。

"スージー(11歳)は 階段を上るのが大変です。彼女は次の段に足を乗せられないんです。なので、一段ずつ登らないといけないんです。右足を乗っけて、それから左足を持ち上げます。彼女の左足は股関節付近の外骨腫によって厳しい影響をうけています。また、膝とその裏側に外骨腫があって膝を曲げる邪魔をしているんです。だから、彼女は体を斜めにして階段を上るんですよ。"

股関節と骨盤付近の外骨腫は、子供がかがんだり、足の爪先に手をつく、足を開く といった動作をできなくさせるのです。

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Ribs

- 肋骨 -

外骨腫は肋骨の内側でも外側でも形成されます。

ロジャー(21歳)"胸のところにある外骨腫は、筋肉にあたって息ができないくらい痛いんです。当たらないようにする方法もあって、胸の筋肉をグッと外骨腫から外れたところに押しもどす、そうすると痛くなくなるんだ。"

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Skull, Neck, and Spine

- 頭蓋骨、首、脊柱(胸椎、腰椎) -

頭蓋骨、首(頸椎)、脊柱(胸椎、腰椎) の外骨腫はたいへん稀ですが、起こり得ます。

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THE MHE CHILD IN SCHOOL

- 学校でのMHEの子供 -

それぞれの子供が受けるMHEの障害の程度は個々によって異なるため、少しの変化でもすぐ学校に知らせる事が大切です。子供が学校に入るまえに、その子の障害の程度、動作の制限、痛みについて書いたものを、学校に渡すようにしましょう。また、新しい障害に気づいた時も、それがどんなものか、学校生活の影響しそうなものは何か、といった具体的な内容も知らせるようにしましょう。夏休み中に手術をしたり、新しい障害がわかった時も学校に知らせましょう。新年度が始まる時にも、MHEについて書いたものを先生や学校スタッフに渡すことは、MHEの子供がいるとことをわかってもらうのにいい方法でしょう。

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THE MHE CHILD AND PE CLASS

- MHEの子供と体育授業 -

MHEの子供はそれぞれによって影響を受けている部分がちがい、外骨腫のある部分も違うため、体育授業は、とても難しい分野となります。  このハンドブックのはじめで、ある日はちゃんと動ける子供が、次の日は同じことができないことがあると述べました。MHEの子供の多くは、体育の授業に参加できますが、先生はその子の何を手伝ってあげればよいか、だけでなく、子供の障害の程度が日々変化しているということについても敏感にならなければなりません。

子供が できないということについてはその意思を尊重し、やらなくてもいいようにしましょう。この事で、何か疑問がある場合、親や保護者は学校に意見を言うことも可能です。MHEの子供に、本人ができないということを 「やってみなさい」 と無理強いしてはいけません。MHEの子供には、目で見てわかる体の変化のある子供と、一見、正常に見える子供が存在するのです。

ある程度の体育の授業に参加できる子供もいれば、まったく参加できない子供もいます。外骨腫からのひどい痛みで体育の授業ができない場合には、外科手術が必要かもしれません。外骨腫を取った後だからといって、全部のことが問題なくできるわけでもないのです。

全ての子供は、みんなのなかに入って、みんなと同じように扱われたいのです。スポーツに参加できない子供を見下したり、馬鹿にしてはいけません。体育に参加できないなら、他の活動、たとえば図書館に行くなどして、時間を有意義に使うように指導しましょう。MHEの子供の多くはこのような時間にできるリハビリの訓練内容をもっています。

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FATIGUE

- 疲労 -

MHEの子供は疲労しやすいのです。 外骨腫は骨の構造に圧力をかけるので、一定時間を過ぎたら、すべての運動をやめて休まなければなりません。子供は動作の制限と痛みをいつも持っていて、その痛みが疲労を助長させます。

MHEの子供も大人も、湿度が高く、寒い時期に痛みがひどくなるようです。またさらに、夜間の痛みや不快感は睡眠の妨げとなります。そのため、翌日学校での子供の行動には、明らかに 前日の睡眠不足と体のだるさが現れているでしょう。疲労が大きくなった場合は、半日学校に行くか、家庭教師を頼んで勉強を継続することが必要となるかもしれません。

"アンドレア(8歳)は重度の疲労に苦しんでいます。学校が終わると、私はバス停で彼女と待ち合わせし、彼女のバックを持ってあげます。彼女は私の腕につかまり、家までの道のりを 彼女を引っ張って帰ります。疲れた時は休憩して、、、、でも他の子供達は(彼女の姉も) どうして休憩しないといけないのか、理解できないでいるようです。"

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DISABILITY

- 障害 -

アメリカ身体障害者法の504項は、教育法ではありませんが、障害を理由にした差別を禁止した人権法です。これは、障害のある学生・生徒が最低限の学校環境を得られるためのものです。

504項では、障害を持つ人を次のように規定しています。

1.身体的または精神的な障害を持ち、日常生活動作の大部分において制限がある者
2.身体的または精神的な障害を長期間患っていて日常生活動作の大部分において制限がある者
3.障害があると認定された者

504項は自由で適切な学校教育の提供を示しています。国から資金を受ける各学区教育委員会の予算は、障害を持つ生徒が特別な学習方法やサービスを受けるために、またその評価をするために組まれているのです。

日常生活行動には、歩く、見る、聞く、話す、息をする、勉強する、身の回りのことをする、手を使って仕事をする などが含まれます。これらの内いずれか一つにでも著しい制限があれば、障害をもつ生徒として504項は適応となります。

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MHE AND PAIN MANAGEMENT

- 痛みのコントロール -

Simple Analgesics

- 鎮痛剤 -

MHEには主に2種類の痛みがあります。1つは、成長した骨が飛び出てぶつかる時の鋭い痛みと、もう一つはじわじわと痛む鈍痛で、数分でおさまるものもあれば、数時間、数日または数週間も長引いて、緩和したり悪化したりを繰り返します。薬でおさまらなかったり、動くと痛いなど、またそれが何度も続く時は主治医に見てもらうようにしましょう。いろんな痛みに対する鎮痛剤の服用量は、個々によって違い、これは主治医が決めることです。アセトアミノフェン(解熱剤)は大量に投与したとき毒性となることのある薬ですが、痛みのコントロールのためには通常投与量以上が必要な場合もあります。服用量を変える場合、他の薬と組み合わせる場合、新しい鎮痛剤に変える場合 は かならず主治医に相談しましょう。

アセトアミノフェン(商品命:Tylenolタイレノール)やイブプロフェン(商品名:Motrinモトリン, Advilアドビル)のような鎮痛剤の一般的な服用量は痛みのコントロールにはとても効きますが、長期間の使用で効果が薄れ、耐性ができてしまいます。このような治療不応性疼痛に対し、主治医はそれより強い薬を処方できます。主治医に相談せずに薬の服用量を変えるのは、絶対に止めてください。アセトアミノフェンは危険で飲みすぎると中毒を起こします。アスピリンは子供には決して奨められません。

MHEは長期間繰り返される痛みがあります。夜間の睡眠を助けるため予防措置として、ある程度多い量の鎮痛剤を眠前処方されているひともいます。長期間の薬の使用は、個々によってまったく異なるもので、それぞれに意味があり、これはどんな鎮痛剤であっても、主治医のもとで行われなければなりません。

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Heat Providing Devices

- 温熱療法 -

ちょっとした一時的な痛みには、暖めることでとても軽減されます。電気あんか、湯たんぽ、ゼリーホットパック、殻いりの枕 などはとても役に立ちます。電気あんかは、夜間寝ている間に使うのは危険です。絡んで巻き付いたり、ちゃんと当たってなかったりするとオーバーヒートしたり、焼けてしまうことがあります。湯たんぽは古い方法ですが、より安全です。それ以上は温かくならず、徐々に冷えていきます。ゼリーホットパックや殻入り枕は、電子レンジで簡単に暖められて、少しずつ冷えていきます。殻入り枕は形やサイズを思うように変形させることができ、痛いところをうまく支えてくれるので、とても快適に感じます。

生米も枕の中身にでき、形も変えられて、オーブンや電子レンジで簡単に暖まります。これも、痛いところに置いたり、まいたりできます。夜間に痛みがでる子供は、電気あんかよりも他の方法を使うほうが安全で良く眠れるでしょう。睡眠時の疼痛はMHEの子供なら誰でも持っているものですが、昼間は他のこと、日常の生活に気をとられているためあまり気にならず、夜になって眠ろうとすると痛みを感じ始めるのです。椅子の上のパッドやクッションは座り午後地を良くし、羽毛の布団はでこぼこした骨のクッションになります。日中、家にいる時は温かいお湯、熱いお風呂、温かいシャワーは痛みを取るのに効果があります。

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Pain At School

- 学校で痛い時 -

学校での薬の使用は複雑で、論争になりやすい問題です。ある親は、学校で痛くならないようにと、痛み止めの薬を使おうとします。多くの親は、これだけの薬を使うことの安全性が保証されていない、また危険であるということは承知の上なのです。

MHEの子供は、休憩するところ、薬を飲むところ、温罨法をして痛みを軽減できる場所の確保、痛みがひいたら授業に戻れるよう、など、これらの措置が必要時に可能なよう学校の許可をもらわなければなりません。

教育委員会のほとんどは、鎮痛剤を看護婦、保健婦などの監視下のもとで、職員室に置くよう指示しています。これは、必ずしも良い方法ではありません。

ある母親の話です。

"私の3年生の息子が、教室でも痛くなった時はすぐに薬を飲めるようにしてほしいと先生に頼んだんです。でも、駄目だといわれ、職員室に薬は置かないといけないといわれたんです。

ある日、息子が薬が欲しいと職員室に行こうとしたところ、先生は「単語テストが終わってからにしなさい」と言ったそうです。息子が職員室に行って良いとされる時間になるまで、痛みはだんだんと強くなっていきました。その授業はちょっと離れた 別の建物で行われ、職員室に行くまでには校庭を横切っていかなければなりませんでした。でも、息子はあまりの痛さに 動けず、それができなかったんです。その日、何かいやな予感がして学校に様子を見に行ったんです。 そしたら、息子は 痛くて歩けなくて、雨の中、びしょぬれで泣きながら 壁に寄りかかっていたんです。 痛かっただけじゃなくて、誰も助けてくれないという恐怖です。もし、私がその予感どうりに息子を見に行ってなかったら、その日何が起こっていたか、、、、、

それ以来、息子が教室で薬を飲めるよう 強く言うようにしました。時々、先生達と言い争いになりますが、この話をすると理解してくれて、例外的に扱ってくれるようになりました。"

しばしば、単に学校に措置を事前にお願いしておくことでうまくいく場合もあります。学校というのは抗生物質などの医療薬に関しては時間どおりに服用させるように、しっかりと時間組みがされているように見えます。が、しかし ”その時の痛みに効くだけの薬”となると、学校のスタッフはとて神経質になるようで、実際にそうでなければならないのでしょう。朝起きて、子供が痛みを訴え薬を与えたとします。 3時間後もっと痛みがひどくなったとしても、投与量の限度を超えてしまうため、その時点では追加の薬をあげることができません。小さなメモでもいいので、薬の投与の経過を書いたものをつくり、持ち歩かせるのもいいでしょう。そうすれば、学校の先生も両親も子供が2重に薬を投与されるという心配がなくなるでしょう。

幼児には、また違った問題があります。

"息子が幼稚園にいる時、先生がある代わった行動に気がつき、心配して教えてくれたんです。息子は、とても静かで内気になったかと思ったら、時々いきなりいじわるになって、他の子をたたいたりしたんです。普段の息子の行動からは考えられませんでした。でも、これは痛い時に起こるものだったんです。息子は、先生に痛いと言うことで目立ってしまったり、他の子供と違う見られるのがいやで痛みがひどくなるまで黙っていたんです。先生はこの行動に気づくと、息子の側に来て他の子供にわからないように、耳元で「痛いの?」と聞いてくれて、そっと薬を渡し、薬が効いてくるまで休ませてくれました。 それ以来、息子も気が楽になったようで、自分から薬をもらいに行けるようになったんです。"

幼児は、痛みのあるとき、怒ったり、攻撃的になったり、または退行して、指しゃぶりや、そわそわしたり、何とかして痛みを自分で紛らわそうとしたりします。知的で思いやりのある先生は、その子供が痛みのせいで変な行動をとり、周りの子供とのトラブルを最小限くい止めることができます。

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Non-Traditional Pain Alleviation

- その他の疼痛緩和療法 -

このカテゴリーは、主に鍼療法、指圧療法、カイロプラクティックのことです。多くの西洋医学の医師も、これら新しい治療法について知るようになってきました。とても効果のある人、そうでもない人、何も効果がなかった人、と結果は様々です。

ストレスも、痛みを助長させる原因の一つです。MHEを理解してくれるクラスの中にいる子供は、あまりストレスを感じないですむことでしょうし、きっと痛みも軽く思えるはずです。

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New Research

- 新しい研究、考え方 -

過去数年間でペインマネージメント(痛みのコントロール)は、医学の中で専門分野をになうほどになってきて、研究と新薬の開発に力が注がれています。以前は、手におえない痛みは、麻薬を使う以外は、なにもできることがありませんでした。ペインマネージメントの新しい考えと新薬は同時に常に考え出されています。Celebrex(セレブレックス)は良く効く薬とされていますが、子供向きではなく、また大変つらい副作用があります。もうひとつのペインマネージメントの新たな方法として注目されているのは、少量の抗鬱(こううつ)剤を使うことで、痛みが軽減できるということです。ここでまた注意しておきますが、それぞれの主治医が痛みをコントロールするのに一番いい情報を持っているはずです。

主治医と一緒に考えたほうが、ひどい痛み、慢性的な痛みに対して対処する方法がよりたくさん見つかることでしょう。

年齢別、時間別、季節によって など違った方法が使われ、組み合わされ、または中止されます。 別の方法を試すのに、中止された薬があるとします。それは過去に効果のあった薬として、再び使うこともできるのです。

痛みは、しっかりとコントロールし、軽減していくことができます。不必要な痛みで苦しむ必要はないのです。

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ORTHOTICS

- 補装具 -

多くのMHEの子供はある時期に手術などの治療を必要とします。補装具が必要となる子供も中にはいます。補装具とは補助具、補正具、ギプス、歩行器、松葉杖などです。動きを制限するだけでなく、他の子供と違うように見られてしまうのが、とても恥ずかしいのです。

"息子は、左足から足首にギプスを左手に補助具を付けなければなりませんでした。息子はいつも、どうしてつけないといけないのかと よく聞いてきて、クラスメートには交通事故に遭って左側だけ怪我したんだ、とからかわれたんです。数日後、息子が補助具を嫌がり(付けなければいけないのですが)、ギプスを早くとってくれ と言い出しました(とってあげることはできませんでした)。"

先生は子供と親の許可を得たあとで、教室でMHEとはどんな病気なのか、その病気の子供にはどうして補装具が必要なのか、を簡単に伝えることができます。一度、MHEのことを理解した子供たちは興味や混乱を通り越して、その意味を知り、受け入れるようになります。

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SURGERY

- 外科手術 -

MHEの子供達の多くは頻繁に外科手術を受けるため入院することがあります、なかには何十回も手術を受けている場合があります。手術は、子供でも大人でも ふつうとてもショックな出来事です。 子供たちは手術が決まると、不安を感じるでしょう。手術前検査も恐くて、痛いかもしれません。そして、手術。痛み、不自由、怖さを感じ、手術のあとには実際にそれを経験するのです。

このような手術は、登校できない日が多くなるため、勉強が遅れるかもしれません。まだ痛み、体力的、気分な回復が十分でないまま学校に戻ることは、かなり大変なことです。MHEの子供の多くは、骨端線がしっかりくっつき、成長期を過ぎる年齢まで(15〜16歳)手術を待たなければなりません。手術があまり早く行われると、再び外骨腫ができてしまいます。

これらの状況下の子供たちには、思いやりと理解を持って接しなければなりません。何が必要か、彼らの能力、制限を理解することは、周りの人々がスームーズに物事を運びやすくなることにもなります。法律では、学校はMHEの子供に必要なものを提供する義務があります。その子に関係するの周りの大人が、手術後の学校復帰や、勉強についていけるように計画を立てるということも必要です。ここでまた、注意して欲しいのが先生とクラスメートへの説明です。どんな手術をして、今はどんな経過なのかを簡単に説明しておくと、周りの不安も取り除かれるでしょう。 手術の前と後で、可能であれば家庭教師をつけて勉強を見てもらい、適当な時期に学校に戻るのもいいでしょう。このような家庭教師の手配に関しては教育委員会の責任の一部なのでそちらに相談してみましょう。

"私の所の教育委員会は重い病気や怪我、手術、をした子供のためのホーム・ホスピタルという名前のプログラムがあります。家庭教師は1日1時間家に来てくれていて、とても助かります。子供の担任の先生と連絡をとって、宿題を持ってきてくれて終わらせるまで見てくれるんです。いつも、手術とか、痛くて学校に行けない時は、同じ先生が来てくれるんです。おかげで勉強にもついていけるんです。"

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EMOTIONAL ISSUES

- 精神面・感情面 -

Self Esteem

- 自尊心 -

MHEの子供は、世界で自分だけがこの病気で苦しんでいると思って育つかもしれません。でこぼこのある骨、まがってふつうより短い手足の外見や、歩いたり走ったり、同級生と一緒にスポーツに参加できないということで自意識を損なわれるよう感じてしまう場合もあります。子供が成長すると、他の子との違いに気づいていきます。ある子供は、短パンや半袖シャツを着なくなり、MHEの特徴的なからだの外見を隠そうとします。

ほとんどは理解することによって安心感を得られるでしょう。親の多くは、MHEの説明をする時に、他の分野の話を加えると、たとえば骨の仕組みや骨格の話しと一緒にMHEのことを話すことで、みんなが MHEのことをわかってくれるといいます。

"私の娘は誰にもMHEのことを話しませんでした。他人と違うとか、からかわれるのを恐がっていたんです。4年生になること、症状が重くなってきて、黙っていることができなくなり、学校側に伝えに行かなければならなくなりました。娘は、むやみに自分を低くみることのないよう、そして夏休みの手術に向けての不安・心配を少なくするために、学校のカウンセラーによりカウンセリングを受けるよう言われました。モ特別モな扱いな必要であればあるだけ、(床に座るかわりに椅子に座ること、体育授業の大部分を受けられないこと) クラスメートにはMHEのことをより多く説明しなければなりませんでした。娘は誰も馬鹿にしたりしなかったことにとても驚いたようです。何人かの友達は朝礼の時に、みんなが床に座っているにもかかわらず、娘だけが椅子に座っているのがいやだったようですが、、、、、でも、彼女自身、病気のことで隠し事をしているよりも、今のほうが肩の荷が下りたようです。"

"一度息子に凹凸のある骨で気になることは何だ?と聞いた時、誰も同じの持ってないよ、といっていました。"

怒ったり、落ち込む子供もいます。

"僕はまだ10歳なのに、学校で骨のトラブルがいっぱいあります。何か書く時は、すごく痛いし、そうじゃない時でもそこらじゅう痛くなるんだ。こんな骨の病気は嫌いです。友達もできないし。新しい先生も恐いから、僕がいっぱい書けないのをわかってくれないだろうな。10歳だっていろいろ大変さ、こんな変な骨で背が低くて10歳やってるのはもっと大変だよ。"

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Teasing and Ostrasizing

- からかわれること、仲間はずれ -

MHEの子供は違う存在として見られがちです。どの学校のカリキュラムも、他人を思いやることや個人それぞれの違いを尊重することをしっかり教えるべきです。恐怖ともいえる昨今の校内での暴力やいじめの増加はわたしたちに、みんなが尊重し合い、お互いを思いやらなければならない、という基本的な教訓を教えてくれています 。

マイク(13歳)"遊び場で知らない子が近づいてきて、明らかに変形しているボクの手を見たんだ。そしたら、その子はじっとみているかとおもったら、何回も何回も「なんだ、おまえミュータントかなにかか?」って言うんだ。何回か言った後「おまえ、頭までやられてんのか?」って言うんだよ。僕は何を言い返したらいいのかわからなかったよ。"

MHEの簡単な病態を教えることは、この子供の混乱を無くし、こういった適切ではない言葉を発することは少なくなるでしょう。私たちは、知らないものに対して恐怖を感じるのです。

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Achievement

-何かを達成する、ということ -

MHEの子供の将来の生活のために、自分のできないこと知るということは、つらいことではありますが、大変重要なことです。子供は、背が低かろうが高かろうが、太っていようが、骨がでっぱっていようが、正常であろうが、ありのまま愛される必要があります。いったん、両親、先生、その他の人達が子供の病気の制限を示唆する話題に触れた時は、ちゃんと現実的に話しましょう。子供によっては、気持ちを言葉にするのは難しいかもしれませんが、言わないからといって思いがないわけでもありません。MHEの子供は学年があがるに従い、自分と他人との違いを知っていきます。心の思い・悩みを聞いてくれたり、言葉にしやすく、助けてくれる人が親、先生、友人など、いると精神的に楽になるかもしれません。

スポーツ、学校、ビジネスの世界など何かを成し遂げる、一番になることが価値のある事とされる世の中において、すべての困難を乗り越えられるわけではないのだ、ということを理解するのは難しいでしょう。MHEの子供にとって、靴紐を結べるようになるというほんのちょっとしたことが、画期的な達成になるんです。ただ、これができたからといって、かけっこができるようになったわけでもありません。私たちは、障害あるなしにかかわらず、理由もなく子供達に期待を抱きます。メディアが伝えるような、足を切断したスキーヤー、対麻痺のバスケットボールの選手、など、すばらしい成功をしている人もいますが、正常な体の持ち主でも、プロのバスケットの選手、フィギュアスケートの選手、オリンピックのゴールドメダリストになれないように、これらが即、障害のある子供のゴールとはならないのです。

"私の娘は、足の大きな神経の周りに外骨腫ができて、足が伸びたままになっったんですが、歩く練習を驚くほど頑張って気丈にやるんです。 一般の人達は、MHEは骨折の手術のように、やれば治ると思っています。 1個所の外骨腫だけじゃなくて、動作をいろいろと制限するほかの外骨腫があるということに気づいてくれないんです。時々、うちの娘にこれやあれやがすぐできるようなるよ、と言う人がいます。 でも、娘に言わせると、それはできないよって言うんです。よく、「できないって絶対言わないのがうちのモットーだ」と、言って励まそうとして下さる方もいらっしゃいますが、娘は自分の体がどうなのか知っているし、制限もわかっています。できることに関する才能と頑張るちからを持っているということもよくわかっているんです。できること、できないことがあるというのを知った上で、そこから何ができるか を考えるのです。

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MHE AND TEENS

- MHEと10代後半 -

10代後半に入ると、MHEも子供は障害と共に生活していくのが大変になるでしょう。15歳や16歳のとき、骨が成長し骨端線がくっついたころにMHEの多くの手術が行われます。普段の生活の大変さに加えてなのです。

"17歳の女の子として、他人と違うところを見つけてしまうのは、とてもつらいです。精神的には強いほうだけど、体の形が人と違うっていうのは、きついです。指は短くて、左手の指は中指と薬指が入れ替わったみたいになってます。 背も平均より低いし。何が一番最悪かっていうと、この病気が自分の価値と自信を無くすように思える、っていうこと。高校に入ってすぐ、他人と違うことは平気なことじゃない、魅力があることでもないって、いやでもわからされる。"

10代後半の子がいくらMHEの障害とその子自身はうまくやっていると感じていても、周りの人は難しい反応をします。

"今日は心理学のクラスで、自己紹介とこれまで生きてきて向き合わなければならなかった困難なことについて話し合いました。話題は、両親、友人の死、両親の離婚、怒られたこと、スピード違反のチケットをもらったことなど様々でした。私の困難なことはあきらかにMHEです。なので、わたしの番がきた時、骨の状態、どこに外骨腫ができるか、ふつうは骨の成長部分であるとか、そのせいで背が低い、指がとても短いとか、膝と右手首に8個の手術の跡があるなど話しました。運動ができなくなる、重いものをもてない、階段を上れないなども話しました。先生はとても良く聞いてくれて、「悪性化する心配のこととか、MHEのほかのひとの症例を知っているなら、あなたがこれからの生活で問題、悪影響だと思うことは何ですか?」 と質問してきました。じっと見られること : これが一番イヤなのです。 高校生は思いやりというものを知りません。悲惨な人を哀れむようにまるで怖がるかのように私をみます。クラスの半分の人は一緒にいるとうつるんじゃないかって思っているようです。まったくもう、風邪をひいたのとはわけがちがうのに。両親や友人が亡くなってしまった人をかわいそうだと思い、哀れみ、思いやりを持って接しなければならないことはあっても、骨の形が変で傷がある女の子もまったく同じようにみられるべきなんでしょうか。とても、憤りを感じます。私はこの病気とうまくやっているし、自分が惨めだとは思っていません。どうして、他の人は違うんでしょう?"

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このハンドブックは本来、教育目的で書かれています。

MHEの患者さん自身のための教育だけでなく、周りの子供、大人(親、教育者、教師)、

クラスメート、友人の方々によりいっそうご理解いただくためのものです。

貴重な時間と労力を割き、経験談、見解を下さった多くのご家族の方に感謝の意を表します。

HME−Jp管理人

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翻訳版の作成に際し、Hiromi Burton 様、Mae Y 様、 その他多くの方々にご協力いただき、 大変感謝しております。
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