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心の纏足
昔中国に女が逃げ出さないため幼女の頃から足に木型(布で硬く巻いていたという説もある)?をはめ成長を止める習慣があったと聞く。現に戦前そうゆう人を見たことがあるが、外股でヨチヨチとしか歩けなかった。つまり、肢体不自由者であった。
私は精神病院の付属施設に10年ほど勤務した経験があるが、そこで思春期の人たちがうつ病とか、神経症と診断され治療に通ってた。
その多くの人たちは知能も高く、良家の育ちで優等生タイプであった。
よそから見ると羨ましいような環境で育ったにもかかわらずこころの病にかかってしまったのか?
不思議に思った私は彼らの生育暦と生育環境を調べてみた。幸い治療者でもなく、指導者でもない友達付き合いができるる立場だったので日時をかけてゆっくりと彼らの話を聞くことができたのである。 実は知的障害者の働く場所として設けられた施設内喫茶店のマスターという立場であった。
彼らが憩いに来るときの話し相手をしながら彼らの本音や偽らぬ心境を聞くことができたのである。
その結果要約していうと、多くの人が幼少時「ねばならない」「あるべきだ」の中で育ちまた本人もそれに応えてよい子であろうと努力して生きてきた。そして、親には逆らえない精神構造が出来上がっている。
そこは人間、「ねばならない」「あるべきだ」に当てはまらないことに遭遇する。たとえば、進学、あるいは恋愛等。これは現実に即し臨機応変に対応しなければならない場合が多い。
きつい建前で育てられた彼らにはよい子でいられなくなる局面に遭遇したとき、彼らの心は壊れてしまう。
この「ねばならない」「あるべきだ」の極端な束縛は、心の纏足のようなもので正常な発達を阻害してしまう。マニアルとおりで無いと動けなくなるのだ。
建前で仕事をしている教師や、裁判官の親が自分の子供を私物化して育てると、たいていこの様な子供にしてしまう例が多い。
もちろん、心身症の若者は、いじめが元だったり家庭内人間関係が元だったりと要因は多様であるが、他人から見るとあんな立派な家庭に育ってどうして心身症になるのというような場合は大半は心の纏足をくった人たちだと思う。
蛇足を付け足すと、最近量販店や、チェーン店の店員が会話の纏足をされている。いわゆるマニアル通りの応答を強制されているやに思う。その結果彼ら(かのじょら)は言葉と心が連動しなくなってしまっている。このために病気になったという話しはまだ聞いていないが、不吉な予感がする。