K君の2002年1月の劇場映画評

 

息子の部屋

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“誰にでも訪れる愛する者の死を自然に繊細に描いた佳作”

閲覧時期・場所 2002年1月 劇場にて 
監督 ナンニ・モレッティ
出演 ナンニ・モレッティ ラウラ・モランテ ジャスミン・トリンカ
評価 B
批評 2001年カンヌ映画祭パルムドール作品。イタリアのウディ・アレンと呼ばれる皮肉っぽい作品で有名なN・モレッティが、突然の息子の死を乗り越えようとする家族の姿を描いた作品。大げさに感動させようとするハリウッド的なアプローチとは対極の非常に自然な描き方が好感が持てる。大きな喪失感を前に、もし〜なら、死なさずにすんだかもと考えてみたり、生前の思い出を探ってみたりと同じような状況でたぶん自分も同じようなことをするのではと思わせるシーンが満載であった。

 

フォロウィング

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“メメントより複雑な構成。こちらの方が完成度は上”

閲覧時期・場所 2002年1月 劇場にて 
監督 クリストファー・ノーラン
出演 アレックス・ハウ ルーシー・ラッセル ジョン・ノーラン
評価
批評 “メメント”で一躍時代の寵児となったノーラン監督がメメント以前に撮った作品。白黒で70分の小品だが、4つに分断された時間軸が交互に入り混じる構成はメメントより複雑だが、今回は登場人物の脳は正常であり、ラストのたねあかしで驚かせながらもすっきりさせる。“ユージュアル・サスペクト”的な展開を短時間でもたらす、脚本と構成の力は恐るべきものだ。ノーラン監督は、この作品とメメントで只者じゃないことを示したが、似たような作品が二作続いたので、D・アロノフスキー監督、N・シャラマン監督と同様、次回作が勝負となるだろう。

 

ペイネ・愛の世界旅行

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“やさしさに溢れたLove&Peaceの世界”

閲覧時期・場所 2002年1月 劇場にて 
監督 チェザーレ・ペルフェット
出演 アニメーション作品
評価
批評 フランスの世界的イラストレータである故レイモン・ペイネのアニメーション作品。バレンチノとバレンチナが、愛を探すために時空を越えて世界中を旅するというストーリーで、イエス・キリストやビートルズ、ビクトリア女王など歴史的な有名人が多く登場する。1970年代前半のヒッピーの時代の作品で、楽しいラブ&ピースの精神が明るい雰囲気なのだが、時折見せる戦争などの暗いシーンが印象的であった。

 

レイン

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“個人的には大好きな映画。激しく切ない聾の殺し屋の純愛”

閲覧時期・場所 2002年1月 劇場にて 
監督 オキサイド・パン ダニー・パン
出演 パワリット・モングコンビシット プリムシニー・ラタナソパァー
評価
批評 香港出身の新鋭パン兄弟がタイを舞台に聾の殺し屋を描いた映画。幼いころから耳が聞こえずそのせいでいじめられずっと一人ぼっちの人生を送ってきた主人公は射撃場で会った殺し屋に腕を見込まれ殺し屋になるが、一人の少女との出会いが彼の人生を変えていくという話。殺し屋になるしかなかった主人公だが本当はとても純粋で、その純粋さがとても切ない。随所に“男たちの挽歌”の影響を感じるシーンがあり、香港ノワールの伝統的な手法と聾者の音の無い世界の視点がマッチした独自の世界観を描くことに成功している。主役を演じる俳優はオーディションで選ばれたそうだが、素晴らしい演技であった。

 

 

メメント

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“刺激的なリワインドムービー。アイディア勝ちという感じ”

閲覧時期・場所 2002年1月 劇場にて 
監督 クリストファー・ノーラン
出演 ガイ・ピアース キャリー=アン・モス
評価
批評 イギリスの新鋭ノーラン監督の逆回転サスペンス。妻を殺された男が、事件の怪我のせいで記憶障害となり短い時間の記憶しか持てなくなった。記憶が頼りにならない男は、刺青やメモ、ポラロイドを駆使して犯人を追うというストーリー。スタートからどんどん過去に遡る手法が斬新で、結末も衝撃的で良く出来た映画である。主人公のガイ・ピアースは傑作“LAコンフィデンシャル”でケビン・スペイシーやラッセル・クロウと共に主役級の役で出演していたが、他の2人の大活躍の陰で忘れかけていたが、こんな低予算の秀作に出ていたとは・・・。面白いけど疲れる映画。

 

ヴァニラ・スカイ

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“分かりやすく、頭の足りないカップルにもおすすめ”

閲覧時期・場所 2002年1月 劇場にて 
監督 キャメロン・クロウ
出演 トム・クルーズ ペネロペ・クルス キャメロン・ディアス
評価
批評 スペイン映画“オープン・ユア・アイズ”のリメイクで、映画としてもほとんど差異がなく(ペネロペ・クルスは同じ役で出演)ただ予算をかけただけという評価がアメリカの評論家の意見も多いが、僕は“オープン〜”を見てないので純粋に楽しめた。随所にちりばめられた謎が、ラストで明らかになる展開や突飛なストーリー、キャメロン・ディアスの切れた演技、元音楽評論家のクロウ監督ならではの凝りまくったサントラ(Looperとか出てきてマニアにはたまらない)と見所が多い。

 

バンディッツ

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“無駄に豪華なキャストを配した暇つぶしムービー”

閲覧時期・場所 2002年1月 劇場にて 
監督 バリー・レビンソン
出演 ブルース・ウィリス ビリー・ボブ・ソーントン ケイト・ブランシェット
評価 C
批評 ハリウッド的大作に出ながらも、“パルプフィクション”やシャラマン監督の秀作にも出演する油断できないB・ウィルスと僕からA・ジョリーを奪った脚本・監督・俳優(“シンプル・プラン”の演技はすごい)まで超一流の手腕を持つB・B・ソーントン、そして映画通にすこぶる評判のいいカメレオン・アクトレスのK・ブランシェットが出演というだけで、見逃せない映画である。しかし、B・ウィルスの悪い冗談としか思えないカツラや素顔が判別不能のK・ブランシェットのメイク、そしてテンポの悪さなど問題が多い。ただし、ラストは気持ちよく終わり暇つぶしにはもってこいの映画である。