K君の2002年9月の劇場映画評

 

サイン


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“前半は素晴らしい、後半は賛否両論だろう。”

閲覧時期・場所 2002年9月 劇場にて 
監督 M.ナイト・シャマラン
出演 メル・ギブソン/ホアキン・フェニックス/ローリー・カルキン/アビゲイル・ブレスリン/チェリー・ジョーンズ/パトリシア・カレンバー
評価 A
批評 “シックス・センス”“アンブレイカブル”のナイト・シャラマン脚本・監督の3作目。前2作の大ヒットを受けて、この作品の脚本料は1000万$というすさまじい額になった。主演は今作はB・ウィリスではなくM・ギブソン。ただし今作もスリラー系、子供がカギを握る、主人公の過去の霊的な体験など非常によく似たメタファーが多い。突然現れるミステリーサークルや家畜の凶暴化、子供の変化などの前兆が牧師を辞めた主人公の前に現れるという話。この映画もこれまでの作品と同様ネタばれがあると面白くないという制限つき。僕の感想としては、前半の緊張感のある展開(非常に巧みに観客を引き込む)、後半はB級SFコメディとして見ればよい作品であると思う。


アバウト・ア・ボーイ

 

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“一皮むけたヒュー・グラントがいい”

閲覧時期・場所 2002年9月 劇場にて 
監督 ポール・ウェイツ/クリス・ウェイツ
出演 ヒュー・グラント/ニコラス・ホルト/レイチェル・ワイズ/トニ・コレット/ビクトリア・スマーフィット
評価 B
批評 “ハイ・フェデリティ”のニック・ホーンビィ原作の男性版“ブリジット・ジョーンズの日記”という内容。主演は“ブリジット”で、嫌味なエロ上司を演じていたH・グラント。H・グラントといえば、“モーリス”のイメージが未だに消えないが、最近のコメディ路線のおかげでハリウッドでも客の呼べる男優に成長した。父親のレコードの印税で全く仕事もせず、結婚もせず気ままに生きる38歳のダメ男が主人公で、ふとしたきっかけで仲良くなった母子家庭の少年と共に成長していくという話。“ブリジット”より、話がまとまっていてよくできていると思う。



インソムニア


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“アル・パチーノ熱演。緻密な心理描写が素晴らしい”

閲覧時期・場所 2002年9月 劇場にて 
監督 クリストファー・ノーラン
出演 アル・パチーノ/ロビン・ウィリアムズ/ヒラリー・スワンク/マーティン・ドノバン/モーラ・ティアニー/ジョナサン・ジャクソン/ニッキー・カット
評価 A
批評 “メメント”のノーラン監督がS・ソダーバーグなどの力を借り作ったメジャーデビュー作。出演者がA・パチーノ、R・ウィリアムズ、H・スワンクと豪華。犯人を追い詰めるためなら手段を選ばない主人公であるLAの刑事が、アラスカで起こった殺人事件を解決するために助っ人で来るという話だが、パートナーによる裏切り、新人女性警官の活躍、犯人の心理など見所が多い。“メメント”が、時系列を逆回転させた謎解きというところに見所があったが、こちらの方は非常に深い心理描写が巧みでドラマとして完成度が高い。まだ30そこそこのノーラン監督には今後も期待できる。



ズーランダー

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“ベン・スティラーって面白い”

閲覧時期・場所 2002年9月 劇場にて 
監督 ベン・スティラー
出演 ベン・スティラーオーウェン・ウィルソン/ウィル・フェレル/クリスティーン・テイラー/ミラ・ジョヴォヴィッチ/ジェリー・スティラー/ジョン・ヴォイト
評価 B
批評 “メリーに首ったけ”や“ミート・ザ・ペアレンツ”でコメディ俳優としていい味出しているベン・スティラーの監督・主演作品。“リアリティ・バイツ”の監督としても知られる才人スティラーだけに大きな期待を胸に大阪天六のホクテン座へ。場内放送で“スリや暴力を見たらお知らせください”などと流れるのでちょっとびっくりしてしまうが、場末の映画館という感じで雰囲気がいい。で、映画の方はお馬鹿映画である。ファレリー兄弟やオースティン・パワーズに近いのりで知性ゼロのメイルスーパーモデルのストーリーが展開される。チョー下らない話だが僕は好きである。



天国の口、終りの楽園。



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“メキシコに行きたくなってしまう”

閲覧時期・場所 2002年9月 劇場にて 
監督 アルフォンソ・キュアロン
出演 ガエル・ガルシア・ベルナル/マリベル・ベルドゥー/ディエゴ・ルナ/フアン・カルロス・レモリーナ/アナ・ロペス・メルカード/マリア・アウラ
評価 A
批評 ハリウッド進出も果たし、次作はハリーポッターの三作目というメキシコ人A・キュアソン監督のロードムービー。“アモーレス・ペロス”も世界的に話題を呼んでいて、メキシコ映画は旬な感じである。この作品は下心がいっぱいの十代の2人の少年が、人妻を連れ出し、実在しない海岸“天国の口”を目指すというロードムービーであるが、少年たちが互いに反目しながらも、人妻という存在を媒介として何かを手に入れ、何かと決別する様が巧みに描かれている。映像もきれいだし、おすすめ。

プレッジ

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“ショーン・ペンの執念”

閲覧時期・場所 2002年9月 劇場にて 
監督 ショーン・ペン
出演 ジャック・ニコルソン/ロビン・ライト・ペン/サム・シェパード/ベニチオ・デル・トロ/アーロン・エッカート/ヴァネッサ・レッドグレーヴ/ミッキー・ローク
評価 B
批評 俳優としては超一流のショーン・ペンの監督作品。“コン・エアー”“スネーク・アイズ”など大作出演が続いたかつての盟友ニコラス・ケイジを魂を売ったとして絶縁するなどペンの映画に対する情熱はすさまじい。この作品も彼の情熱が、ジャック・ニコルソンという天才を突き動かし作品としては非常によくできている。しかしテーマが非常に暗く、事件を描くサスペンスというより引退した警官の執念と運命にスポットが当たっていて、見ている方も非常に辛かった。ペン自身が主演した“デッドマンウォーキング”のように良く出来てはいるが2度とは見たくない作品である。

 

Returner

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“日本映画には珍しく、よくできたエンタメ作品”

閲覧時期・場所 2002年9月 劇場にて 
監督 山崎貴
出演 金城武/鈴木杏/岸谷五朗/樹木希林/高橋昌也/川合千春/岡元夕紀子
評価 B
批評 “ジュブナイル”の監督の新作。主演は“アジアの星”金城武。僕は“スペーストラベラーズ”やウォン・カーウァイの“恋する惑星”“天使の涙”が好きなんで金城の映画は極力見るようにしている。で、この作品であるが、VFXなんかは“マトリックス”をかなり意識してるように見えるし、話自体もどこかで見たことがあるような話ではあるが、よくできていて最後まで楽しく見ることができた。このような大規模の日本映画で面白いと思えるものがほとんど存在しない中でこの作品は見てよかったと思わせるクオリティの高さがある。

ウィンドトーカーズ

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“ジョン・ウーはかっこよさだけを追求すべきだ”

閲覧時期・場所 2002年9月 劇場にて 
監督 ジョン・ウー
出演 ニコラス・ケイジ/アダム・ビーチ/クリスチャン・スレーター/ロジャー・ウィリー/ピーター・ストーメア/マーク・ラファロ/ブライアン・ヴァン・ホルト
評価 C
批評 香港で“男たちの挽歌”などの傑作を多く撮りQ・タランチィーノ等の多くの映画作家の尊敬を受け、ハリウッドに進出後も“フェイス・オフ”や“MI2”など大ヒット作を連発するジョン・ウーの新作。この作品ではウーのトレードマークである、“死のバレエ”とも呼ばれるスローモーションを多用した優雅な銃撃シーンも、二丁拳銃も鳩も見られない。戦争をよりリアルに描くためそれらの要素を外したらしいが、個性のない戦争映画になってしまったと思う。コードトーカー(暗号通信者)のナバホ族と白人兵との戦場での友情に感動させようと思っているのだろうが、それほど感動はしなかった。

ダスト

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“圧倒的なスケールとストーリーテリング。傑作!”

閲覧時期・場所 2002年9月 劇場にて 
監督 ミルチョ・マンチェフスキー
出演 ジョセフ・ファインズ/デヴィッド・ウェンハム/エイドリアン・レスター/アンヌ・ブロシェ/ニコリーナ・クジャカ/ローズマリー・マーフィー/ウラード・ヨハノフスキ
評価 A
批評 世界中で絶賛され30以上の賞を受賞した“ビフォア・ザ・レイン”から7年を費やした新作。(この作品も必見!)老婆の家に強盗に入った男が、反対に老婆に銃で脅され約100年前のガンマンの話を無理やり聞かされるという始まりから、ぐいぐい物語に中に引き込まれる。ニューヨークからマケドニア、現代から19世紀末という時空を越えたスケールの大きな物語が、巧みなストーリーテリングにより完璧な作品として仕上がっている。“DRIVE”を見た後この作品を見たのだが、“DRIVE”を見たことを思い出せなくなるくらい、素晴らしい作品だった。客入りは今ひとつだったが、必見の作品である。


DRIVE

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“オフビートなロードムービー”

閲覧時期・場所 2002年9月 劇場にて 
監督 SABU
出演 堤真一/柴咲コウ/筧利夫/大杉漣/寺島進/安藤政信/ジョビジョバ
評価 C
批評 “アンラッキー・モンキー”や“ポストマンブルース”の日本映画の雄SABU監督の5作目の作品。主演はもちろん堤真一。初期の作品はとにかく走り続けるスピード感ある作品だったが、ここに来てドラマをきちんと描こうとする作品を作るようになったようだ。登場人物のそれぞれのキャラクターや台詞回しが面白く、幽霊なんかが急に出てきたりそれなりに楽しい。ただし、見に行った映画館(梅田ガーデンシネマ)が満員ですごく前評判の高い作品だと思われるが、それほどにすごい作品かといわれるとそうは思えない。