| K君の2003年1月の劇場映画評 |
ストーリーテリング

“不快な映像が好きな人へ”
| 閲覧時期・場所 | 2003年1月 劇場にて |
| 監督 | トッド・ソロンズ |
| 出演 | セルマ・ブレア/レオ・フィッツパトリック/ロバート・ウィズダム/アレクサ・パラディノ/ジョン・グッドマン/マーク・ウェバー/ポール・ジアマッティ |
| 評価 | B |
| 批評 | 引篭もりブス少女の物語“ウェルカム・ドールハウス”や変態が主人公の“ハピネス”とマニアックで毒気の多いトッド・ソロンズの作品。今作も人種差別や身体障害者などを取り上げ、多くのタブーをあえて犯し、偽善的な世の中を赤裸々に描いている。個人的には前2作よりも、嫌な気分にならなかったし、普通に見られた。ただし、タブーを犯した過激な映像を撮るために、本筋に関係ない映像が加えられ、結果としてストーリーが締まらないきらいがある。しかし、この不条理極まりないエピソードの連続は、ある意味クールなシニシズムの結晶であるとも言える。またこの映画では、僕の好きなBelle&Sebastianがサントラの曲を書いており、サントラも注目。 |
カンパニー・マン

“メメント+π+ファイトクラブ”
| 閲覧時期・場所 | 2003年1月 劇場にて |
| 監督 | ヴィンチェンゾ・ナタリ |
| 出演 | ジェレミー・ノーザム/ルーシー・リュー/ナイジェル・ベネット/ティモシー・ウェッバー/デビッド・ヒューレット |
| 評価 | A |
| 批評 | 閉塞感溢れる緻密なサスペンスの前作“CUBE”のカナダ人監督ヴィンチェンゾ・ナタリの新作。前作以降メジャースタジオからのオファーを蹴りつづけこの作品を完成させた。映像の暗さやテンポのよさ、緻密なストーリーなど前作を彷彿とさせる。ハイテク企業の産業スパイになるために洗脳された主人公が、ライバル会社の二重スパイとなったり、謎の女性に翻弄され、失いつつ自己をなんとか取り戻そうとする話。“メメント”のようなストーリー、“π”のような演出、“ファイト・クラブ”のようなオチである。いくつかの合点のいかない点、例えば賢いはずの主人公が自ら課した洗脳により自分の存在を忘れ、救うことを目的としていた女性を殺しそうになったことなどがあるが、全体的に非常によく出来た映画である。 ルーシー・リューがミステリアスな美女として出ているが、あいつはそんなに綺麗ではないと思う。多分、あの顔が、白人の考える美人な東洋人なんだろう。日本でも白人が日本では誰にも相手にされないような不細工の女と付き合っているのを見るが、彼らとは多分美人の定義が異なるのだろう。ブスはみんな輸出してしまえばいいのに。 |
ギャング・オブ・ニューヨーク

“血生臭い大作。デイ=ルイスの映画”
| 閲覧時期・場所 | 2003年1月 劇場にて |
| 監督 | マーティン・スコセッシ |
| 出演 | レオナルド・ディカプリオ/キャメロン・ディアス/ダニエル・デイ=ルイス/リーアム・ニーソン/ヘンリー・トーマス/ブレンダン・グリーソン/ジム・ブロードベント |
| 評価 | B |
| 批評 | “タクシードライバー”等の巨匠スコセッシの念願の超大作。興行的には、前作“救命士”は失敗し、これはもともと演技派志向だったが“タイタニック”の大ヒットにより完全にキャリアを崩された感のあるディカプリオも“ザ・ビーチ”の失敗後ということである意味、後のない2人である。また共演に俳優を引退し、イタリアで靴屋をやっていた名優ダニエル・デイ・ルイスを復帰させるなど気合は相当入っている。 冒頭から血なまぐさいシーンの連続で、ニューヨークという町が多くの血により形作られたことが分かる。非常に力強い作品であり、デイ=ルイスの演技はさすがであったが、一方でディカプリオ演じる青年の心理的な動きがつかみにくく(うまくいっていたビルに対し急に復讐心を蘇らせたのはなぜ?)、作品の出来はスケールは大きく迫力はあるが及第点といったところである。またアメリカでは、中ヒット程度であり、制作費の回収はディカプリオブランドが市場支配力を持っている日本を初めとするアジアでの成績にかかっている。 |
8人の女たち

“大女優共演の女だけの異色映画”
| 閲覧時期・場所 | 2003年1月 劇場にて |
| 監督 | フランソワ・オゾン |
| 出演 | カトリーヌ・ドヌーヴ/エマニュエル・ベアール/イザベル・ユペール/ファニー・アルダン/ヴィルジニー・ルドワイヤン/リュディヴィーヌ・サニエ/ダニエル・ダリュー |
| 評価 | B |
| 批評 | 単館公開ながら大ヒットの登場人物は全て女性(厳密には1人男性が出るが)の異色ミュージカル。大邸宅に集まった家族の主人が殺され、家政婦等も加わってその犯人を探すというサスペンス仕立てになっている。ドヌープをはじめとするフランスの誇るスター女優が共演しており、急に歌い始めたり踊り始めたりして見所は多い。どろどろした女性たちの台詞や、知られざるそれぞれの女性と主人の本性が徐々に明らかになる展開はかなり引き込まれる。個人的にはラストシーンの後味が悪かった。もうすこし楽しい終わり方をしてほしかった。 また、この映画を見たのは京都朝日会館であったが、この映画館が1月いっぱいで閉鎖されるということで、京都で単館映画(アート系映画ともいう)を見る映画館が、交通の便の悪い南会館のみになってしまった。やはり、小さい映画館というのは、なかなか経営は大変なのだろうか?このような映画館には、商業主義に左右されない良質な映画を観客に届けるという大きなミッションを持っていると思うので、頑張って欲しいものである。 |