K君の2003年2月の劇場映画評

 

ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔


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“原作を読もう!”

閲覧時期・場所 2003年2月 劇場にて 
監督 ピーター・ジャクソン
出演 イライジャ・ウッド/イアン・マッケラン/リヴ・タイラー/ヴィゴ・モーテンセン/ショーン・アスティン/ケイト・ブランシェット/ジョン・リス=デイヴィス
評価 A
批評 指輪物語三部作の二作目の映画化。前作に続き、アカデミー賞作品賞ノミネート。よくハリー・ポッターと比較されるが、前作も今作も圧倒的にこちらの方が評価が高いし、今作はアメリカの興行成績でも圧勝である。この映画は1年に1作のペースで公開されているが、撮影は3作一緒に撮影している。つまり、通常は1作目がヒットしたら2作目を作るというプロセスでシリーズ化されるが、この作品は必ずヒットさせるという決意を込めた大きな賭けをし、それに勝利した作品である。(監督は3作作るというよりも9時間の大作を作ることしか考えてないという)
今作は、フロドとサム、アラゴルンとギムリとレゴラス、メリーとピピンという3グループに分かれての展開だが、今作はアラゴルンのグループが中心の展開。ローハン国での、ウルク=ハイとの戦いに勝利するアラゴルンは、人格者でいて大変格好がよく、フロドと並ぶ主役と言っていい。また指輪に魅せられた怪物のゴラム(原作はゴクリ)は、フロドの影のような存在で、ドラマに深みを与えている。
かつては映画化不可能といわれた壮大なファンタジーを、迫力満点でいて大味になることのない完璧な作品に仕上げたのは奇跡に等しい。

 

猟奇的な彼女


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“日本映画よりレベル高い”

閲覧時期・場所 2003年2月 劇場にて 
監督 クァク・ジェヨン
出演 チョン・ジヒョン/チャ・テヒョン/キム・インムン/ソン・オクスク/ヤン・グムソク/ハン・ジンヒ/ヒョン・スキ
評価 A
批評 韓国で大ヒットした作品で、アメリカのドリームワークスがリメイク権を買い取ったり、ニュースステーションで久米宏が絶賛してたりと、非常に評判の良い作品。実際に見てみると、なるほどよくできた映画である。前半はかなり軽い乗りのラブコメである。ただ、猟奇的というタイトルの通りかなり暴力的な女性と、気の弱い男性というキャラクター設定と、演じる役者が本当にうまさが際立っている。後半は、少しシリアスな展開を見せ非常に切ないラブストーリーとなっている。この作品はキスシーンすらも全くない非常にストイックな作品ながら、脚本がよくて展開は読めないし、役者はうまいし、また非常に純粋な気持ちにさせる良い映画だった。韓国というと、“シュリ”“JSA”といった38度線を意識したような作品が多かったが、この作品は万国共通の楽しさがある。


わすれな歌


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“まあまあのタイ映画”

閲覧時期・場所 2003年2月 劇場にて 
監督 ペンエーグ・ラッタナルアーン
出演 スパコン・ギッスワーン/シリヤゴーン・プッカウェート/ブラック・ポムトーン/プラシット・ウォンラックタイ/ポーンティップ・パーパナイ/ソムレック・サックディクン/アンポン・ラッタウォン
評価 B
批評 タイ映画のクオリティの高さを世界中に知らしめた“6ixtynin9〈シックスティナイン〉”のペンエーグ・ラッタナルアーンの新作。前作は、スタイリッシュな巻きこまれ型犯罪映画だったが、今作はノスタルジックな夫婦愛を描いた映画。とは言っても、主人公であるペン君のすさまじく場当たり的で運に見放された人生は、幸せになるはずだった奥さんを不幸のどん底に突き落とすという異色な内容。でも決して重くなり過ぎず、テンポが軽いので憂鬱な気分にはならない。ラストは前向きな終わり方でいい感じ。

 

レッド・ドラゴン


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“ラトナーはサスペンスも撮れる”

閲覧時期・場所 2003年2月 劇場にて 
監督 ブレット・ラトナー
出演 アンソニー・ホプキンス/エドワード・ノートン/レイフ・ファインズ/ハーヴェイ・カイテル/エミリー・ワトソン/メアリー=ルイーズ・パーカー/フィリップ・シーモア・ホフマン
評価 B
批評 トマス・ハリスのレクター3部作のうちの第1作の映画化。実は1986年にマイケル・マンが映画化しているが、“羊たちの沈黙”“ハンニバル”の大ヒットもありリメイクされた。原作ではレクターは脇役として出てくるだけだが、映画では主役として登場する。監督が“ラッシュアワー”のブレット・ラトナーと聞いて、不安を覚えたファンも多いだろうが、作品としてはレクターがたくさん出てくる以外は原作に忠実である。まあ映画なので犯人ダラハイドの人物描写は少し浅いが、許せる範囲である。役者陣はとにかく豪華。A・ホプキンスは当然として、E・ノートンやH・カイテル、それにF・S・ホフマンやE・ワトソンといった人気と実力を兼ね備えた曲者揃いである。
 映画の出来としては、原作を読んでいる僕でも十分楽しめる内容であった。もちろん読んでない方が楽しめるとは思うが。もともとの原作が他の2作と比べると硬派なサスペンスという趣が強いので“羊たち”のような革命的にスゴイ作品にはなり得ないが、おすすめできる秀作である。

 

ボーン・アイデンティティー


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“マット・デイモンの魅力が溢れる”

閲覧時期・場所 2003年2月 劇場にて 
監督 ダグ・リーマン
出演 マット・デイモン/フランカ・ポテンテ/クリス・クーパー/クライヴ・オーウェン/ブライアン・コックス/アドウェール・アキノエ・アグバエ
評価 B
批評 全米の精子ランキング(子供に遺伝子を継いで欲しい有名人)でNo.1のマット・デイモン主演作。盟友のベン・アフと自らを売り込むために脚本を書いた“グッド・ウィル・ハンティング”でのメジャー昇格から6年余りで、ベン・アフに少し水を開けられた感があったが、この作品のヒットはデイモンがスターとしての地位を確立するに至った。共演は大ヒットしたドイツ映画“ラン・ローラ・ラン”のF・ポテンテ。記憶喪失のCIAの工作員が主人公という、ハリウッドの最も得意とするサスペンス/アクションで、脚本や演出等なかなかのクオリティである。デイモンといえば、“リプリー”での情けない海パン姿が記憶に残るし、ハーバード卒の秀才で陰気臭いインテリ青年のイメージが強いが、今作では肉体派の二枚目俳優という地位を確立するために必死のアクションを繰り広げる。

 

至福のとき

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“チャン・チィイーになれるか?”

閲覧時期・場所 2003年2月 劇場にて 
監督 チャン・イーモウ
出演 ドン・ジエ/チャオ・ベンシャン/フー・ピアオ/リー・シュエチエン/ニウ・ベン/ドン・リーファン
評価 A
批評 名匠チャン・イーモウの“あの子を探して”“初恋のきた道”に続くしあわせの3部作の完結編。現在、香港などで大ヒットしている“ヒーロー”も期待大である。主演は、オーディションで選ばれたドン・ジエ。かつてのコン・リーやチャン・チィイーのように今後のブレイクが期待される。
結婚に対する強い願望を持つ失業者の初老の男が、見合相手に中年女性に盲人の連れ子を押し付けられるというクセのある話であるが、非常にテンポのいいコメディとして、ラストシーン間際まで進んでいく。唐突に巻き起こる悲劇とラストシーンは非常に切ないものがあるが、全体としてよくできた作品である。
 イーモウ監督は農村を舞台にした作品が多く、都会の映像は撮れないんじゃないかという疑念を払拭するためにこの作品を撮ったらしい。まあ、都市でも田舎でもあまり関係のない話であったが、イーモウ監督は人間模様を描かせたら右に出るものはいない。

 

ケミカル51

 

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“ロバート・カーライルがジェダイと夢の共演”

閲覧時期・場所 2003年2月 劇場にて 
監督 ロニー・ユー
出演 サミュエル・L・ジャクソン/ロバート・カーライル/エミリー・モーティマー/リス・エヴァンス/リッキー・トムリンソン/ショーン・パートウィー/ミート・ローフ
評価 C
批評 サミュエル・L・ジャクソンとロバート・カーライルという米・英のクセ者の共演映画。資本は米・英と両方から出ているが舞台もリバプールだし、よい意味でも悪い意味でも典型的なイギリス映画のプロットで満載ある。イギリスのギャングものの持つ独特のオフビートなB級感と、あまり面白くないジョーク、そしてあまり本筋とは関係なく挟まれるサッカーの映像など英国オタクには答えられない映画である。ガイ・リッチーの映画のようなカッコいい疾走感やひねりのある脚本というものはこの映画には残念ながらないが、ポップコーンを見ながらストレス解消に見るにはいい映画かもしれない。
 この映画を見たのは映画の日で、他の映画(刑務所の中etc)がいっぱいだったため、仕方なく見たのだが映画の価値としてはちょうど1000円くらいだった。1800円出して見る映画ではないなあ。