K君の2004年3月の劇場映画評

 

ドッグヴィル


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“ラディカルな傑作”

閲覧時期・場所 2004年3月 劇場にて
監督 ラース・フォン・トリアー
出演 ニコール・キッドマン/ローレン・バコール/ジェームズ・カーン/ベン・ギャザラ/クロエ・セヴィニー/ジェレミー・デイヴィス/ポール・ベタニー
評価 A
批評  カンヌパルムドールを受賞した世界的大ヒット作の“ダンサーインザダーク”に続くラース・フォン・トリアーの新作で問題作。カンヌで席を立つ人や嘔吐する人まで出た衝撃作。主演は、離婚後成長著しいニコール・キッドマン。
 
ギャングに追われ寂れた小さな街ドッグヴィルに逃れてきた美女。その美女に対し素朴な街の人たちは親切に接するが、徐々にその本性をあらわしていく。
 
どこかのガレージに線を引いただけの舞台のようなセットで繰り広げられる実験的な演劇のような作品。ダンサー〜は個人的に余り好きではないが、この作品のラストはこれまで見た映画で1,2位を争う衝撃度。この監督の実験性と勇気は尊敬に値する。“ダンサー〜”でカンヌ主演女優賞を獲ったビョークがこの監督の厳しい演出のせいでもう映画には出ないといっているが、今回のこの閉塞感のあるセットで素晴らしい映画を作りきった俳優陣も素晴らしい。

 

レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード


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“もっとバンデラス”

閲覧時期・場所 2004年3月 劇場にて
監督 ロバート・ロドリゲス
出演 アントニオ・バンデラス/サルマ・ハエック/ジョニー・デップ/ミッキー・ローク/エヴァ・メンデス/ダニー・トレホ/エンリケ・イグレシアス
評価 C
批評  超低予算映画“エル・マリアッチ”で華々しくデビューし、その後“デスペラード”やスパイキッズシリーズですっかり稼げる監督になったまだ30代前半のロバート・ロドリゲス。ロドリゲスは監督から脚本、音楽まで全て1人でこなすため何と言っても安いコストで質の高い作品を作るという特徴がある。
 
CIAの捜査官が伝説のデスペラードにマルケス将軍の暗殺を依頼。マルケスに妻と娘を殺されたデスペラードはその依頼を受ける。
 
バンデラスとデップの共演ということで豪華にはなったが、このシリーズ最大の見せ場であるバンデラスのカッコいいアクションシーンが減ってしまいがっかり。また、意味なく複雑なストーリーも減点要因。

 

ションヤンの酒家(みせ)


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“ションヤンの顔は微妙だった”

閲覧時期・場所 2004年3月 劇場にて
監督 フォ・ジェンチイ
出演 タオ・ホン/タオ・ザール/パン・ユエミン/チャン・シーホン/ウー・ルイシュエ/リー・ショウチェン/ヤン・イー
評価 C
批評  日本でもヒットしたノスタルジックな親子の郵便配達人を描いた“山の郵便配達”のフォ・ジェンチイ監督の新作。この作品で主演のタオ・ホンは数々の映画賞を受賞した。
 
中国4大都市の一つ重慶の旧市街で、鴨の首料理を看板とした屋台の女性主人の話。兄夫婦とのトラブルや薬中の弟やその弟に思いを寄せる卓球の愛ちゃんに似た田舎者の娘等の世話に毎日忙しい。そんなときこの屋台取り壊し計画が明らかになる。
 
特にこれといった感動もないままに細かなトラブルを中国的価値観で解決してくが、はっきりいって本当にどうでもいい話である。ただし、強く生きるしかないションヤンの生き様には感心した。映画としてはいまいち。

 

グッバイ、レーニン!


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“元東ドイツ国民の悲哀溢れるコメディ”

閲覧時期・場所 2004年3月 劇場にて
監督 ヴォルフガング・ベッカー
出演 ダニエル・ブリュール/カトリーン・ザース/チュルパン・ハマートヴァ/マリア・シモン/フロリアン・ルーカス/アレクサンダー・ベイヤー/ブルクハルト・クラウスナー
評価
批評  ドイツ映画。本国では興行新記録を記録。ドイツ映画というとヴィム・ヴェンダースや“ブリキの太鼓”など少し小難しい映画で有名だったたが、近年“ラン・ローラ・ラン”や“ノッキン・オン・ザ・ヘブンズドア”等の充分ハリウッドと戦える作品を作っている。
 ベルリンの壁崩壊を知らずに昏睡状態になった筋金入りの社会主義者の母親。壁の崩壊後目を覚ましたが、強いショックを与えると命に関わると医者に言われ息子は何も変わってないとウソをつき続ける。
 見に行った恵比寿ガーデンシネマは毎回満席という大盛況。見る前は笑えるコメディだと考えていたが、統一された東ドイツ国民の様々な悲哀が描かれており、よくできたドラマであった。映像もヴィヴィッドかつソリッドでかっこよかった。音楽は“アメリ”のヤン・ティルセンで映画に良くあっていた。
やはりたまにしか公開されないドイツなどの第三国の映画は厳選されており、外れは少ないなあと思った。