K君の2004年6月の劇場映画評

氷の国のノイ

 



                                              

“後味悪いアイスランド映画”

閲覧時期・場所 2004年6月 劇場にて
監督 ダグール・カウリ
出演 トーマス・レマルキス/エリン・ハンスドッティル/スロストゥル・レオ・グンナルソン/アンナ・フリズリクスドッティル
評価 D
批評  アイスランド映画。フィンランドにはアキ・カウリスマキがいたり、スウェーデンはベイルマンからハレストレムまでいろいろいるけどアイスランド映画はマイナーですね。ただ音楽の世界では、僕の好きなシガー・ロスやビョーク、ムーム等けっこうタレント揃い。
 17歳の高校生のノイは問題児。ただIQはすごく高い。スタンドの女の子に恋をして2人で逃げようとする。
 突然襲ってくる結末はノイを全ての檻から解放すると同時に全てを奪い去る。映像は最初から終始暗いし、後味も悪い。

 

 

シルミド


“男の映画。切なく痛い。”

閲覧時期・場所 2004年6月 劇場にて
監督 カン・ウソク
出演 ソル・ギョング/アン・ソンギ/ホ・ジュノ/チョン・ジェヨン/イム・ウォンヒ/カン・ソンジン/カン・シニル
評価 A
批評  最近レベルの高い作品連発の韓国映画から新たな傑作の登場。この作品はこれまで“シュリ”の持っていた韓国の興行記録を塗り替え、韓国の4人に1人が見たというメガヒットを記録している。
 1968年。死刑囚など31人の男たちが、実尾島(シルミド)に極秘で集められた。そこで社会復帰という報酬と引き換えに金日成の暗殺を命じられた彼らは、特殊部隊としての過酷な訓練を開始する。最強部隊となった彼らだが南北融和の情勢の中で部隊が邪魔になったため抹殺される運命となる。
 なんとこのとんでもない話は実話である。“KT”のときにも思ったが本当に韓国はつい最近まで恐ろしい国だったことが分かる。男たちの自己の存在に対する強い執念と悲劇的な運命が心を打つ。切なく痛い映画である。

 

トロイ


“ブラピ主演骨太アクション”

閲覧時期・場所 2004年6月 劇場にて
監督 ウォルフガング・ペーターゼン
出演 ブラッド・ピット/エリック・バナ/オーランド・ブルーム/ダイアン・クルーガー/ブライアン・コックス/ショーン・ビーン/ブレンダン・グリーソン
評価 B
批評  古代ギリシアのホメロス作“イリアス”を題材とした映画。主演は、“SEVEN”以降主演作でヒットがないブラッド・ピット。この作品はある意味勝負の作品だったがまずまずのヒットで一安心か。
 古代ギリシア時代。トロイの王子パリスが、スパルタの王妃ヘレンを略奪。怒ったスパルタ王の兄でギリシア連合の盟主アガメムノンは、大量の船と最強の戦士アキレスをトロイに差し向ける。
 話は超有名なものなので今さらストーリーも何もないが、かなり骨太なアクション映画として楽しめた。パリス役のオーランド・ブルームも情けなくてよかった。

 

4人の食卓



                                              

“気味の悪い映像の連続”

閲覧時期・場所 2004年6月 劇場にて
監督 イ・スヨン
出演 チョン・ジヒョン/パク・シニャン/ユ・ソン/キム・ヨジン/チョン・ウク
評価 C
批評  日本でも大ヒットした韓国映画“猟奇的な彼女”のチェン・ジヒョン主演のホラー作品。今年は既に公開され高い評価を得た“殺人の追憶”やこれから公開される“シルミド”“ブラザーフッド”と話題作が多く、韓国映画の当たり年になりそう。
 毒殺された2人の少女の幻影に悩まされる青年と、不思議な能力を持つ嗜眠症の女性が出会うことから、恐ろしい過去を蘇らせ、底知れない恐怖体験が繰り広げられる。
 脚本が一見しっかりしてそうで実はそうでもない映画。よって不気味かつ気味の悪い映像の連続でひたすら嫌な気分にさせる。ジヒョンはきれいだが。

 

レディ・キラーズ

 


                                              

“退屈な作品”

閲覧時期・場所 2004年6月 劇場にて
監督 ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
出演 トム・ハンクス/イルマ・P・ホール/マーロン・ウェイアンズ/J・K・シモンズ/ツィ・マー/ライアン・ハースト
評価 C
批評  カンヌパルムドールの“バートン・フィンク”、アカデミー賞受賞作“ファーゴ”の巨匠コーエン兄弟の作品。今作では珍しくトム・ハンクスという大スターを起用し、“マダムと泥棒”をリメイク。
 教授と呼ばれるリーダを中心に様々なエキスパートが集合した犯罪集団が黒人の未亡人の地下室からカジノへのトンネルを掘り地下金庫の強奪を計ろうとするが、未亡人の思わぬ反撃にあう。
 とっても退屈な作品。コーエン兄弟はもう無難な作品しか撮れなくなってしまったのか?

 

21グラム

 



                                              

“素晴らしい構成。インテリ向き映画”

閲覧時期・場所 2004年6月 劇場にて
監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演 ショーン・ペン/ナオミ・ワッツ/ベニチオ・デル・トロ/シャルロット・ゲンズブール/クレア・デュヴァル/メリッサ・レオ
評価 B
批評  メキシコ映画“アモーレス・ペロス”が話題を呼んだイニャリトゥ監督のハリウッドデビュー作。“アモーレス・ペロス”を見たショーン・ペンが直談判して出演した作品。少し前にトロ様と呼ばれ話題になったベニチオ・デル・トロと、“マルホランド・ドライブ”で突如現れた遅咲きのナオミ・ワッツが共演。
 交通事故で娘と夫を失った女、その事故を起こした男、事故で死んだ夫の心臓を移植されることで一命を取り止めた男。3人の人生が交錯し悲劇的な結末を迎える。
 “アモ−レス・ペロス”は3つの話で構成されていたが今作は3人のばらばらの人生が交錯するという話。説明的な映像が少なく、短いカットが時系列を無視しパズルのようにバラバラに構成されているが、それも緻密な計算の元だろう。ヘビーな話だが、その構成の妙で素敵な作品になっている。