K君の2004年7月の劇場映画評

 

アメリカン・スプレンダー

 


                                              

“サンダンスグランプリの大傑作”

閲覧時期・場所 2004年7月 劇場にて
監督 シャリ・スプリンガー・バーマン/ロバート・プルチーニ
出演 ポール・ジアマッティ/ホープ・デイヴィス/ジュダ・フリードランダー/ジェームズ・アーバニアク/ハービー・ピーカー
評価 A
批評  サンダンス映画祭グランプリ他数々の映画賞を受賞した作品。“アメリカンスプレンダー”というカルトコミックを書いたハービー・ピーカーの半生を描いた作品。
 
病院の書類係をやりながら、だらけた毎日を送っているピーカーは、ある日自分の日常をマンガに書くことを思いつく。絵を親友のロバート・クラム(有名な漫画家)に頼んだところ意外なヒットとなる。
 とっても楽しい作品で、最後はぐっと来るシーンもある。役者陣も素晴らしく、時おりでてくる本物のピーカーもとてもいい味出している。やっぱりサンダンス作品はとってもレベルが高い。中でもこの作品は大傑作。

 

マッハ!

 


                                              

“芸術的なスタイリッシュアクション”

閲覧時期・場所 2004年7月 試写会
監督 プラッチャヤー・ピンゲーオ
出演 トニー・ジャー/ペットターイ・ウォンカムラオ/プマワーリー・ヨートガモン/ルンラウィー・バリジンダークン/チェータウット・ワチャラクン/ワンナキット・シリプット/スチャオ・ポンウィライ
評価 A
批評  タイの今まであるそうでなかったムエタイをフューチャーした映画。私も一度バンコクのルンピニースタジアムで生で見たことがあるがすごい迫力だった。フランスや香港で大ヒットしたらしい。
 
盗まれた田舎の村の宝物である仏像を取り戻すため、ムエタイの達人がバンコクにやってくる。
 とにかくアクションがスタイリッシュ。トニー・ジャーの動きはそれ自体が芸術の域に達している。この映画を拡大公開するというギャガの遊び心がとても嬉しい。

 

子猫をお願い

 


                                              

“20歳のそれぞれの旅立ちを等身大で描く”

閲覧時期・場所 2004年7月 劇場にて
監督 チョン・ジェウン
出演 ペ・ドゥナ/イ・ヨウォン/オク・ジヨン/イ・ウンジュ/イ・ウンシル
評価 C
批評  韓国で2003年度の女性が選ぶ映画No.1に輝いた作品。(ちなみに2位は“猟奇的な彼女”)。主演は“吠える犬は噛まない”のペ・ドゥナ。
 高校時代の仲良し5人は卒業後20歳になる。証券会社で働く女性、実家の銭湯を手伝うかたわらボランティアする女性、失業中の女性、怪しげなアクセサリーを売る双子姉妹。個性豊かなメンバーは時にぶつかりながらそれぞれの道を歩み始める。
 女性が共感を感じる作品として非常に評価が高いようであるが、自分は年代も性別も異なり共感を感じることができなかった。ペ・ドゥナはよかったけど。

 

茶の味

 


                                              

“石井監督の新境地”

閲覧時期・場所 2004年7月 劇場にて
監督 石井克人
出演 坂野真弥/佐藤貴広/手塚理美/三浦友和/浅野忠信/中嶋朋子/土屋アンナ
評価 B
批評  “鮫肌男と桃尻娘”“PARTY7”でスリリングなストーリーとスタイリッシュな映像を同居させた石井監督の最新作。カンヌで好評だったらしく、世界各地での公開も決まっている。
 ユーモラスなホームドラマ。長男は片思いに悩み、妹は大きな自分の幻影に悩まされる。精神科医と父、アニメータの母、なぜかCDを作ってしまう祖父等が巻き起こす騒動を味わい深く描く。

 今までの作品と趣きの違う作品であるが、割りと楽しめる作品。ジョークの切れ味はイマイチだが、小津映画のような雰囲気がいい。

 

テッセラクト

 



                                              

“スリリング”

閲覧時期・場所 2004年7月 劇場にて
監督 オキサイド・パン
出演 ジョナサン・リース・マイヤーズ/サスキア・リーヴス/アレクサンダー・レンデル/カルロ・ナンニ/レナ・クリステンセン
評価 B
批評  “ビーチ”“28日後”などで有名なイギリスの人気作家アレックス・ガーランドの原作の映画化。製作は日本のアーティストフィルム。監督は“TheEYE”のパン兄弟の片割れオキサイド・パン(タイで活動している香港人)。主演は“ベルベッド・ゴールドマイン”のジョナサン・リース・マイヤーズという多国籍映画。
 バンコクで別々に活動する薬の売人、息子を失った女性心理学者、盗みを働くベルボーイの少年、女殺し屋4人の運命は絶妙に絡み合い衝撃のラストを迎える。
 原作はもっと複雑らしいが、2時間弱の映画にするためにシンプルなストーリーにしたようである。思ったよりヒネリがなく若干物足りないが、それでも前衛的でスリリングな映像は素晴らしい。

 

 

ブラザーフッド


“後半の狂気の展開はすごい”

閲覧時期・場所 2004年7月 劇場にて
監督 カン・ジェギュ
出演 チャン・ドンゴン/ウォンビン/イ・ウンジュ/チェ・ミンスク/コン・ヒョンジン/キム・スロ
評価 A
批評  ハイレベルな韓国映画の中でも真打の登場である。“シュリ”のカン・ジェギュ監督の韓国史上最大のヒットとなった作品。主演は、チャン・ドンゴンとウォンビンという2大スター。
 ソウルに住む仲の良い兄弟は、貧しいながらも、兄の婚約者と弟と幸せに暮らしていた。6月のある日、朝鮮戦争が勃発。兄弟は、強制的に軍用車に乗せられる。弟を除隊させるためにあえて危険な任務につく兄に弟は反発を覚える。
 また朝鮮の南北対立の話かと思いきや後半は敵は北だけではないというすごい展開になる。戦闘シーンはとにかくすごい迫力。絶対泣くまいと思っていたが、最後のシーンは堪え切れず泣いてしまった。ただ個人的には“シルミド”の方が好き。