| K君の2005年3月の劇場映画評 |
エターナル・サンシャイン

| 閲覧時期・場所 | 2005年3月 劇場にて |
| 監督 | ミシェル・ゴンドリー |
| 出演 | ジム・キャリー/ケイト・ウィンスレット/キルスティン・ダンスト/イライジャ・ウッド/トム・ウィルキンソン/マーク・ラファロ |
| 評価 | A |
| 批評 | “マルコビッチの穴”、“アダプテーション”の天才脚本家チャーリー・カウフマンとビョークなどのビデオクリップで知られるMTV出身のミシェル・ゴンドリー監督が“ヒューマン・ネイチャー”に続きコンビを組んだ作品。本作はアカデミー脚本賞受賞作品で、ケイト・ウィンスレットは様々な女優賞を受賞した作品。 ケンカ別れした恋人が記憶消去会社で自分との記憶を消したことにショックを受けるジョエル。彼も彼女の記憶を消そうとするが、手術の最中に大切な思い出がフラッシュバックし記憶を消さないよう必死に抵抗する。 天才脚本家の本分が発揮されたすばらしい作品。ゴンドリー監督は“ヒューマン・ネイチャー”はぱっとしなかったが本作は人間の心の機微や、幻想的な映像感覚ですばらしい仕事をしている。またシリアスドラマでよい仕事をすることの多いジム・キャリーと“タイタニック”の栄光を捨て作家性の強い作品ばかり出ているケイト・ウィンスレット、“LOR3部作”のフロド役のイライジャ・ウッド等役者陣もすごい。非常に凝った作りをしているため、一定以上の理解度を求められる作品だが(ある意味見る人を選ぶ)、分かる人には完璧な作品。 |
マシニスト

“衝撃はあまりないがよい作品”
| 閲覧時期・場所 | 2005年3月 劇場にて |
| 監督 | ブラッド・アンダーソン |
| 出演 | クリスチャン・ベイル/ジェニファー・ジェイソン・リー/アイタナ・サンチェス=ギヨン/マイケル・アイアンサイド/ジョン・シャリアン/ラリー・ギリアード/レグ・E・キャシー |
| 評価 | B |
| 批評 | “ワンダーランド駅で”の監督ブラッド・アンダーソンと“アメリカン・サイコ”のクリスチャン・ベイルによる作品。ベイルはノーラン監督版の“バットマン”に主演。この作品は“メメント”以来のカリスマ映画といわれている作品。ベイルは役作りのために30Kgも体重を落としたらしい。 不眠症で1年間も眠れずにいる機械工のトレバーは、自宅で不気味な張り紙を見つける。以来、奇妙な出来事に苛まれるようになる。 終始ダークで異様な雰囲気であった。よい作品ではあるがラストの落ちはいまいちで“メメント”ほどの衝撃はなかった。ただベイルの演技はよかったのと、落ちがつまらないのは脚本のせいで、監督はよい仕事をしていたと思う。 |
ロング・エンゲージメント

“生真面目なファンタジー”
| 閲覧時期・場所 | 2005年3月 劇場にて |
| 監督 | ジャン=ピエール・ジュネ |
| 出演 | オドレイ・トトゥ/ギャスパー・ウリエル/マリオン・コティヤール/ドニ・ラヴァン/ジャン=ピエール・ベッケル/ドミニク・ベテンフェルド/クロヴィス・コルニヤック |
| 評価 | B |
| 批評 | 大ヒットした“アメリ”の監督・主演コンビによる作品。監督のジュネは、“デリカテッセン”や“ロスト・チルドレン”というブラックな作品で評価を得て、ハリウッドで“エイリアンW”に抜擢されるが、メジャースタジオでの慣れない仕事がうまくいかず、失意のうちにフランスに戻り、前作“アメリ”の大ヒットで復活した。 第1次大戦に出征したマネクは、激戦中に行方不明になってしまう。婚約者のマチルドはマネクの死亡通知を受け取るが、あらゆる手立てを使ってマネクを探し出そうと決意する。 “アメリ”の軽いノリを期待するとあてが外れてしまう非常に硬派な作品。原作がおそらく非常に内容が濃いため、駆け足でストーリーが展開され、ついていくのが精一杯。よい作品だとは思うが、“アメリ”のような魔法はない。 |
大統領の理髪師

“庶民の視点”
| 閲覧時期・場所 | 2005年3月 劇場にて |
| 監督 | イム・チャンサン |
| 出演 | ソン・ガンホ/ムン・ソリ/イ・ジェウン/リュ・スンス/チョ・ヨンジン/ソン・ビョンホ/パク・ヨンス |
| 評価 | B |
| 批評 | ソン・ガンホとソン・ムリという韓流とはあまり関係ない演技派の競演による作品。監督は新人のイム・チャンサン。 韓国大統領官邸、青瓦台のお膝元である町、孝子洞。そこで理髪店を営む平凡な男が、ひょんなことから大統領の理髪師に選ばれる。 近年、再評価の機運があるというパク・チョンヒ時代の時代背景を庶民の視点からアイロニカルに描いた作品。涙を流すような場面も大笑いする場面もないが、ほのぼのとしたよい作品。 |
故郷(ふるさと)の香り

“切なきノスタルジー”
| 閲覧時期・場所 | 2005年3月 劇場にて |
| 監督 | フォ・ジェンチイ |
| 出演 | グオ・シャオドン/リー・ジア/香川照之/グァン・シャオトン/グォ・ズーシン |
| 評価 | B |
| 批評 | 日本でもヒットした“山の郵便配達”の監督作品。この監督の前作“ションヤンの酒家”は重苦しい都会の話だったが、近作は“山の郵便配達”と同じにおいのするノスタルジックな作品。 ジンハーは10年ぶりに帰郷し、初恋の人ヌアンと再会。ヌアンの夫ヤーバは、ジンハーが訪ねてきたことから、思いがけない決意をする。 何ということのない帰郷の話を美しく、切なく描いた秀作である。聴覚障害者のヤーバ役の香川照之はさすがの演技だし、主演の2人もいい感じ。こういうノスタルジーに弱い日本のおじさんは多いんだろうなあ。 |