K君の2005年11月〜12月の劇場映画評

 

 

ブレイキング・ニュース



ブレイキング・ニュース

“高い緊張感のまま一気に魅せる傑作”

閲覧時期・場所 2005年12月 劇場にて
監督 ジョニー・トー
出演 ケリー・チャン/リッチー・レン/ニック・チョン/ラム・シュー/サイモン・ヤム/ホイ・シウホン/ユウ・ヨン
評価 A
批評  骨太のノワール映画を量産する職人ジョニー・トー監督の新作。個人的にはフランシス・ンが出ている“ミッション 非情の掟”は香港ノワールのベストといえる出来栄えで期待大。
  香港警察が銀行強盗団の逮捕に失敗して非難を浴びる。警察は威信回復のため、女性エリート指揮官レベッカを派遣し、現場のライブ映像をメディアに提供。しかし集合住宅に逃げ込んだ犯人に翻ろうされていく。
 冒頭の緊張感溢れる長回しから緊張感を高いレベルで維持したまま一気に見せるすばらしい作品。さまざまなキャラクターが己の立場・役割を懸命に遂行する様は見事としかいいようが無い。

 

 

親切なクムジャさん

 

親切なクムジャさん

“傑作!!”

閲覧時期・場所 2005年11月 劇場にて
監督 パク・チャヌク
出演 ヨンエ/チェ・ミンシク/オ・ダルス/キム・ビョンオク/カン・ヘジョン/ソン・ガンホ/シン・ハギュン
評価 A
批評  “JSA”で大ブレイクし、“オールド・ボーイ”でカンヌグランプリを獲得したK君一押し監督の、“復讐者に憐れみを”(これも傑作)、“オールド・ボーイ”に次ぐ復習三部作の完結編。
 “優しくて親切”と評判の女囚クムジャさんが出所した。彼女は13年前に誘拐殺人の罪をなすりつけた男に復讐するため、行動を開始。かつての囚人仲間の協力を得て、緻密かつ華麗に計画を進めていく。
 これぞチャヌク監督というような残酷な描写が多くセンセーショナルな作品だが、シーンに応じて顔つきががらりと変わるイ・ヨンエの演技はすさまじい。“オールド・ボーイ”と比較するとスケールも遊び心もこじんまりした印象を持つが、特別な作品であることに間違いなし。

 

 

ティム・バートンのコープスブライド




ティム・バートンのコープスブライド(字幕版)

“愛すべき作品”

閲覧時期・場所 2005年11月 劇場にて
監督 ティム・バートン
出演 ジョニー・デップ  ヘレナ・ボナム・カーター  エミリー・ワトソン   
評価 B
批評  “チャーリーとチョコレート工場”の大ヒットも記憶に新しいティム・バートン監督のパペットアニメ。本作もアメリカでは大ヒット。声優は、バートン映画の常連のジョニー・デップと監督のプライベートのパートナーでもあるヘレナ・ボナム・カーター。
 ひょんなことから花嫁の死体と結婚を誓い、“死者の国”に連れて行かれたビクター。死者たちが歩き回る世界に戸惑う彼だが、規律に縛られた人間社会と対照的なそこでの自由な暮らしに魅了されていく。
 ゴシックっぽい不気味さと切なさを併せ持ったまさにバートン的世界観。とてもかわいらしく切ない愛すべき作品。

 

 

ミート・ザ・ペアレンツ2



ミート・ザ・ペアレンツ2

“レベルの低い笑い”

閲覧時期・場所 2005年11月 劇場にて
監督 ジェイ・ローチ
出演 ベン・スティラー/ブライス・ダナー/テリー・ポロ/ダスティン・ホフマン/バーブラ・ストライサンド
評価 B
批評  大ヒットした“ミート・ザ・ペアレンツ”の続編。ローチ監督は“オースティン・パワーズ”シリーズの監督でありコメディ映画の天才。なおこの映画はアメリカでは歴代コメディ映画の興行収益No.1だそう。
 ドジな看護士グレッグが、婚約者パムの頑固な父親ジャックをマイアミの実家に連れていく。しかし、グレッグの両親バーニーとロズもかなりの変わり者。動物や赤ん坊も絡み、一大トラブルが発生する。
 まあ笑えるシーンは盛り込まれているが、笑いのレベルは小学生レベルが120%理解できるほどの低さ。歴代No.1といってもこんなもんなのね、アメリカ人は。

 

ミリオンズ



ミリオンズ

“印象に残らない映画”

閲覧時期・場所 2005年11月 劇場にて
監督 ダニー・ボイル
出演 アレックス・エテル/ルイス・マクギボン/ジェームズ・ネスビット/デイジー・ドノヴァン/クリストファー・フルフォード
評価 C
批評  “トレインスポッティング”で時代の寵児となったものの、続く“ザ・ビーチ”の失敗でハリウッドからイギリスに戻ってしまったボイル監督の新作。前作“28日後”はヒットもしたし出来もまあまあだっただけに期待大。
 母親を亡くした幼い兄弟アンソニーとダミアン。新興住宅地に引っ越してきた彼らの秘密の遊び場に大量のポンド札が降ってきた。その大金を貧しい人に与えようとするダミアンの前に、強盗が現れる。
 特に印象に残らない映画だった。イギリス映画の特徴(?)の歯切れの悪さ・中途半端さを受け継いだ作品。