■ふるさと再生へ向けて
わたくしたちの五木村は、「五木の子守唄」にもうたわれているように、すぐれた自然の恵みを様々な形でうけながらも、厳しい山村の生活環境の中で、独特の伝統や文化を受け継ぎ、育んできました。
しかしながら、この30年間直面してきたダム問題や、世の中の産業構造の変革、近年の急激な高齢化、情報化、国際化の進展など、社会経済情勢は大きく変化しており、将来の生活のあり方など、21世紀を目前にして五木は歴史的な転換期を迎えています。
そこで、このような時代の潮流にも対応し、五木ならではの山・川・里の恵みを活かした村民参加型の村づくりを図るため、「五木村ルネッサンソン」をキャッチフレーズとした長期的な計画を「子守唄の里づくり計画」というタイトルでまとめました。
この「子守唄の里づくり計画」は、五木村振興計画の具体的展開を、生活環境整備、観光産業おこしの両面から進めていくために、村民のみなさんや村内外の関係者との幅広い意見交換を行いながら、村づくり計画として策定して参りました。
「ローマは一日にしてならず」で、村づくりには長い年月がかかります。この計画書で示した村の将来像の実現に向け、また、わたくしたちの子孫のためにも魅力ある五木村づくりを目指し、村民の皆さんとともに本計画の実現に努力していきたいと存じます。今後の村づくりに、より一層のご協力を賜りますようお願いいたします。
平成8年3月
五木村長 西村 久徳
■目次
はじめに
(1)「子守唄の里づくり計画」の位置づけ
(2)「子守唄の里づくり計画」の構成
1.村づくりの目標・理念
(1)村づくりの目標
(2)基本理念
(3)村内各地域の方向性
2.基本計画
(1)「子守唄の里づくり」の方針
(2)ふるさとミュージアムとしての演出の考え方
(3)「子守唄の里づくり」方策の長期展開
(4)里づくりを支える将来経済システム
3.実施計画
(1)生活基盤施設等の整備に関わる実施計画
(2)道路等の整備に関わる実施計画
(3)里づくり拠点施設の整備に関わる実施計画
1)子守唄の里づくり計画は、五木村振興計画と連携しながら一体となって村づくりを進めることを基本としつつ、村の将来像等について、振興計画と矛盾がなく、かつ村づくりの具体化に関する事項を明示するものです。
2)「村づくりの基本理念や方針」、「村内各地域の整備方向性」を設定した上で、高齢者保険福祉計画や林業振興計画、水源地域整備計画等の進行中プロジェクトの内容とも整合を図ることを基本として、村づくりの考え方をわかりやすく具体的に示していきます。
3)施策を実現化していくための様々な長正を通して、子守唄の里づくり計画は、村民の生活再建に直接かかわる内容を総合的にまとめる方針となります。この方針内容を基本に、今後3年間の見きわめ期間を経て、充分な審議等を図り、次期の「五木村振興計画」の策定を行っていきます。
<図1>
■(2)「子守唄の里づくり計画」の構成
この計画は、村づくりの目標・理念、基本計画、実施計画をもって構成します。
[村づくりの目標・理念]
基本構想は、21世紀を展望した五木村の将来像を見据えて、村づくりの目標、理念を定めています。
[基本計画]
基本計画は、村づくりの目標・理念に基づき、村域のバランスのとれた環境整備と産業観光振興の両面からみた村づくりの基本理念や方針を定めています。
[実施計画]
実施計画は、目標年次を短期(〜平成12年)、中期(〜平成17年)、長期(〜平成27年)の20年後までとし、基本計画を実現するための具体的計画を村内各地域毎に定めています。なお、計画の遂行に当たっては、今後の村民協議や社会経済情勢の変動に常に柔軟に対応するとともに、弾力的な運用を図るものとします。
【1.村づくりの目標・理念】
(1)村づくりの目標
五木村における村づくり(地域振興、地域活性化)の取り組みが目指すものは、“地域経済が盛ん”であり、“住みやすい生活環境”のもとで、“地域住民が活力に満ちた生活を送り”、地域外の人にとっても“訪れてみたいと思われるような地域イメージ”のある状態をつくりだすことです。
<図2 村づくりの4つの目標>
・経済の活性化 - 雇用創出、観光収入等
・住みやすい生活環境の整備 - 安全、便利、快適
・人の活性化 - 住民意識の高揚、交流
・地域イメージの送出 - 情報発信、知名度向上、イメージアップ
(2)基本理念
●五木村は、九州中央山地にいだかれた、「五木の子守唄」の知名度と豊かな山・川・里の恵みを誇る山村です。
●近年、心の豊かさや生活のゆとり、うるおいを求める方向で人々の価値観が変化し、自然への価値意識が高まる中で、都市とは異なる自然に恵まれた生活空間や警官を有する山村地域は、人間の活力の向上や活動の場として、さらに次世代に継承すべき貴重な自然的・文化的資源として、その存在意識が改めて見直されています。
↓
●五木村を、五家荘(泉村)から人吉・球磨圏域を含めた広域的な視点で見ると、川辺川に沿って背後には五家荘を中心とする秘境源流地域、全面には、相良・人吉を中心とする農村の広がりを有しており、いわば「山奥と里まちの中間」に位置し、山奥と里まちの人や文化の交流が盛んに行われる地点です。
●人吉球磨圏域の将来方向は、生活関連施設や産業基盤の整備の推進によって、住民にとって暮らしやすい環境を実現しながら、自然と伝統・文化の地域資源を生かした観光レクリエーションの振興を図り、交流人口の増加による活性化を目指すことです。
↓
●五木村では、これまでダム問題で急激な人口減少をみ、高齢化や林業の低迷など、経済活力低下が深刻度を増し、就業機会の不足により地域衰退の傾向が続いていました。こうした状況をふまえた今後の村づくりの目標は、「経済の活性化」「生活環境の整備」「人の活性化」「地域らしさの送出」であり、「自然環境との共生」「様々な交流・連携」を通じて、『山・川・里の恵み』を生かした開かれた村づくりを展開することとします。
●五木村の新しい村づくりでは、『山・川・里の恵み』(地域資源)の利活用による産業観光振興が不可欠です。村内的には観光を中心とする産業創造型の経済運営により活性化を図るとともに、村外に対しては子守唄の高い知名度に裏づけられ、都市とは異なる自然に恵まれた生活空間や環境を有する山林「日本のふるさと」として、心の豊かさや生活のゆとり、うるおいをもたらす役割を果たしていきます。
●五木村では、この「産業観光振興」の基本的考え方を全ての村民が理解するよう努めるとともに、官民一体となった協力体制のもと、産業観光の振興により、地域の活性化を推進していきます。
前頁の考え方に基づき、「子守唄の里づくり計画」の理念は、次のようにまとめられます。
全村域を対象に、村民総参加で、
「自然環境との共生」「交流の舞台づくりと活動」を通して、
五木ならではの山・川・里の恵みを生かした
「日本のふるさと」を創造していく。
●意見交換を基本に観光ビジョンを確立し、村民理解によって気運を盛り上げる。
●行政の先導によって、組織的、計画的に観光振興を推進する。
●広域圏全体での環境・産業・生活面の工場を図るため、五木村が中心となって積極的な広域連携を図っていく。
●産業間の連携により農林業の継続を図り、自然環境保全に寄与していく。
●都市とふるさと五木の交流展開を図り、村の活力を持続していく。
●積極的な交流活動の中心となる人材を配置・育成する。
以上のような考え方をまとめて、今後の村づくりテーマ(キャッチフレーズ)を次のように設定します。
自然が奏でる子守唄の里
山・川・里の恵みが心に響くふれあい・リフレッシュ
五木村ルネッサンソン
※「ルネッサンソン」とは、復興を忌みする「ルネッサンス」、五木村特有の山村環境「サンソン」、そして子守唄「ソング」の3つを重ね合わせた造語です。
(3)村内各地域の方向性
村づくりにあたり、地形条件、交通条件や集落の分布状況などの観点から、以下の6地域に分類し、それぞれの地域が有する条件や特性に応じて計画を展開し、村づくりを分担連携していきます。
■頭地周辺 ・・・・・・交流拠点ゾーン
■ダムサイト ・・・・・導入ゾーン
■宮園周辺 ・・・・・・リフレッシュゾーン
■小鶴周辺 ・・・・・・清流生活ゾーン
■下梶原周辺 ・・・・・山間の生活ゾーン
■端海野周辺 ・・・・・高原ふれあいゾーン
<図3 各ゾーンの位置と概要>
■頭地周辺 ・・・・・・交流拠点ゾーン
村内生活の中心地であり、村外との交流の拠点ゾーンとして位置づけ、行政関係、教育、文化・コミュニティ・交流などの機能を複合的に充実させることにより、広域圏内における交流活動の中核としての役割を果たすことを目指す地域。
■ダムサイト ・・・・・導入ゾーン
道路との整備に合わせて、人吉方面からの玄関口として、ダイナミックな眺望が楽しめる自然環境に配慮した沿道環境整備を進める地域。
■宮園周辺 ・・・・・・リフレッシュゾーン
村内生活のサブ拠点として位置づけるとともに、福祉施設や健康増進施設等を充実し、谷間の田園風景と一体になったゆとりとやすらぎのあるリフレッシュゾーンとして整備を進める地域。
■小鶴周辺 ・・・・・・清流生活ゾーン
村の西の玄関口として位置づけ、渓谷の清流に沿ったうるおいある生活ゾーンとして、
■下梶原周辺 ・・・・・山間の生活ゾーン
村内東部の山間の生活ゾーンとして、山の緑に抱かれた集落環境整備を進める地域。
■端海野周辺 ・・・・・高原ふれあいゾーン
美しい森林など豊かな高原の自然環境を生かして、山村留学や芸術家の創作の場、余暇施設等の整備を進める地域。
【2.基本計画】
(1)「子守唄の里づくり」の方針
(2)ふるさとミュージアムとしての演出の考え方
(3)「子守唄の里づくり」方策の長期展開
(4)里づくりを支える将来経済システム
【3.実施計画】
(1)生活基盤施設等の整備に関わる実施計画
(2)道路等の整備に関わる実施計画
(3)里づくり拠点施設の整備に関わる実施計画