(レポート1-10)


レポート10.”「かんなみ」さん、集合!”

専門辞書によると、「かんなみ」さんには、「神波」、「神並」、「神南」および「甘味」氏がのっている。それ以外に「甘南」さんが近畿地方に4世帯おられた。電話でのお話で大阪府河内長野の出身で親の代に大阪に出、以前は「かんなみ」と読んでいたとのこと(今は「かんなん」)。  また「神南」さんは、日本全国に54世帯おられ関東地方に多い。新潟六日町の方のみ「かんなん」と読むとのこと。いづれも名前の由来はご存じなかった。「神波」、「神並」、「甘味」氏については、電話帳にはなかった。

1.「神南」(かんなみ、かみみなみ):武蔵野国多摩郡の名族にして源姓なり。神南左大夫源正照の旧屋敷は本郡河内村にあり、また「甘南備」とも通ず。
2.「神波」(かんなみ):神波理助は本心鏡智流槍術家で、信州高遠内藤藩に仕えのち城代となる。その他には神波方努(徳川中期の医家)、神波即山(明治の漢詩人)。
3.「神並」(かんなみ):河内国河内郡神並荘、「当宮縁事抄」に石清水八幡宮寺領(保元3年)とある。今、神並邑という。
4.「甘味」(かんなみ、かんなび):奈良時代の医家として甘味神宝の名がある。 (2001.09.08記) --おわり--



レポート9.”「川(河)浪」さん、「川南」さんについて”

1.「川(河)浪」:地名としては過去にもなく、『姓氏家系辞書』には、”菅原姓。肥前(長崎・佐賀)にあり”と書かれているように、現在も同地方に多い。また「川浪」さんが青森・北海道にも多いのは、どの時代かに肥前国から移入したものと考えられる。

2.「川南」:地名の由来は、その地の河川流域の南に位置する所とする。滋賀県能登川町「愛知川」、広島神辺町「高屋川」、宮崎川南町「名貫川」、鹿児島根占町「雄川」、鹿児島菱刈町「川内川」、大阪市「安治川」の南地域がそれにあたる。また「川南」に対する「川北」の地名を前記地域が合わせもっている。『角川地名大辞典』によると、「広島神辺川南」、「大分大野町川南村」については「河南」とも書くとしている。

 「川南」さんの地域分布をみてみると、@大阪・滋賀・京都、A鹿児島、B北海道が主で地名の分布と一致する。(2001.07.10記)

--おわり--



レポート8. ”名字「かわなみ」さん、全員集合!”

 「かわ」の字がつく名字で、「川○○」さんが70%、「河○○」さんは30%となっている。「川(河)浪」さんが最も多く、全体の40%で、「川(河)並」さんが最も少なく10%である。「かわなみ」さんの全国分布の特色をみてみると。
          1. 「川(河)並」、「川南」さんは滋賀に多い。
     2. 
「河波」さんは京都・福岡に多い。
     3. 
「川波」さんは福岡に多い。
     4. 
「河浪」さんは長崎に多い。
     5. 
「川浪」さんは北九州(福岡・佐賀・長崎)と青森・北海道に多い。

古文書では「河」を「川」と書いたり、また逆の場合も多くあり、その点を考慮しながらそれぞれの「かわなみ」さんの地域性と名字の由来をみてみると。
1.「川(河)並」 : 地名「川(河)並」は、滋賀から東海地方に集中している。”滋賀五箇荘町川並、滋賀余呉町川並、岐阜七宗町川並”そして、”名古屋中川区川並町、名古屋市熱田区川並町”。名字の由来はこれら地名からきていると考えられる。参考に古来「川並(または「川竝」。かわなみ)は”筏師”のことをいう。
2.「川(河)波」 : 地名としては現在はなく、江戸期に”奈良野迫川に川波村、島根江津に川波村、山口本郷村・美川町に河波村”。歴史上人物をみると、”太平記”に南北朝期に新田義貞に従軍し福岡地方に威を張った川波新左衛門の名が。 また「河波」氏が京都の特に”福知山市”に多いのは、京都養父郡小佐郷に地頭河波絲五郎がいた。 「川(河)浪」、「川南」さんについては、次回にみてみる。 (2001.05.13記)

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レポート7. "「河南」と同音異語の名字”

 同音異語の名字について文献(丹羽基二著『日本姓氏大辞典』)によると
     1. カンナン  : 河南、神南
     2. カンナミ  : 河南、神南、神並、甘並、甘南、甘味、神波
     3. カンナビ  : 甘南、甘南備、甘味
     4. カワミナミ : 川南、汾陽、河南
     5. カワナミ  : 川並、川南、川波、川浪、汾陽、河並、河南
               河奈美、 河波、河浪、河陰
     6. カナン   : 榎南、河南
     7. コウナミ  : 河南、神波
 「カワナミ・カワミナミ」さんについては次回に検討として、他の名字についてみてみると・・・。
1.「神南」さん : 日本全国に54世帯おられ、読み方は「カンナミ」が多い。関東地方に多いのは文献にいう”武蔵国多摩郡の名族にして源姓なり。神南左大夫源正照の旧屋敷は本郡河内村にあり”によるものか。地域性で特異なのは「和歌山県有田郡箕島」、「新潟県南魚沼郡六日町宮」に各6世帯集中している。
2.「甘南」さん : 近畿地方に4世帯だけで、すべて親戚関係にあり出身地は、大阪府河内長野市とのこと。読み方は「カンナン」(以前は「カンナミ」)
3.「甘南備」さん : 日本全国に4世帯。惣家の福島県いわき市の「カンナビ」さんの話によると、もともと河内国出身とのこと。古代氏族「甘南備」氏は名族。 (2001.03.25記)

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レポート6. "河南さんの読み方は?"

 名字「河南」の読み方を文献(太田 亮著『姓氏家系辞書』、丹羽基二著『日本姓氏大辞典』)によると

           1. カンナン      2. カンナミ      3. カワミナミ
           4. 
カワナミ      5. カナン       6. コウナミ
       
以上の六通りの読み方がある。 名字の8〜9割は訓読みだ。しかし古代はそうではなく「やまと言葉」に漢字を振っていた時代があった。万葉の当て漢字の例をみると「○○山」→「○○夜麻」、「○○川」→「○○河波」。余談だが、中国人の方と話しをする機会があったとき”中国河南省”の読み方を尋ねると、[hёnan](ホ(ヘ)ウナン)。 日本全国の何人かの「河南」さんに、読み方について電話による聞き取り調査をした。

           1. 
鹿児島県        :カワミナミ
           2. 
兵庫県          :カンナン
           3. 
大阪・富山・北海道  :カワナミ
           4. 
石川県          :カワナミ、カワミナミ

以上3通りの読み方が多く、唯一、カナンさんが秋田県横手市におられた。 (2001.02.18記)
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レポート.5 "地名河南はあるのだろうか"

現在ある地名「河南」は大字(おおあざ)が4ヶ所で読み方はすべて「かなん」。 1.宮城県桃生郡河南町 2.大阪府南河内郡河南町 3.愛媛県今治市河南町 4.広島県府中市河南町。 小字(こあざ)としては2ヶ所で 5.石川県加賀市河南(かわみなみ) 6.滋賀県米原町河南(かわなみ)。

詳細図
また今はなくなった地名として、10ヶ所あり鎌倉期から戦国期にかけての荘園名として、「河南荘」が 1.富山県滑川市 2.福井市 3.大阪府 4.兵庫県印南郡 5三重県.鈴鹿市 6.奈良県五条市にあり、郷名として「河南郷」が 7.兵庫県東条町に。村名として「河南村」が 8.鹿児島県高山町にあった。江戸期から明治にかけての町名として「河南町」が 9.金沢市 10.福井市にあった。地名の由来のほとんどは、河の南に位置するところからきている。(2001.01.15記)
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レポート4. "河南と類似の名字について"

名字「河南」があれば「川南」あるいは「河(川)北」、「河(川)東」、「河(川)西」の名字も当然あり、それらと地域性について調べてみると、

         1. 川西         5746世帯  大阪・香川・兵庫
         2. 河西(かわにし)    2677     山梨・長野・東京
         3. 河西(かさい)    1654     東京・静岡・大阪
        4. 川北          2869      三重・大阪・京都
        5. 河北          677      三重・京都・福岡
        6. 川東          731      大阪・香川・兵庫
        7. 河東          287
        8. 河南          587

 「川(河)西」さんが最も多く、山梨・長野に集中しているのは、甲斐国の豪族「河西(葛西)」氏に由来する。地名も多く--兵庫川西市・新潟川西町・大分湯布院川西など--全国43ヶ所ある。
「川(河)北」さんは三重・京都に多く、伊勢国(三重)奄藝郡川北邑の川北氏をはじめとして、伯耆国(鳥取)名和族の河北氏・大隈国(鹿児島)肝付族の川北氏および筑後国(福岡)の河北氏がある。地名33ヶ所。
「川(河)東」さんは大阪・兵庫が多く、読み方は「かわひがし」,「かとう」,「かわとう」。磐城国(福島)石川郡川東邑・伊勢国川東邑の河東氏がある。地名18ヶ所。地名「川(河)南」は? (2001.01.01記)

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レポート3. "河南さんの分布の地域性について"

全国2300人の「河南」さんの分布をみると、近畿地方に多く兵庫・大阪・京都の3府県で全国の67%(約1600人)を占める。

詳細図東京・大阪・福岡・愛知などの大都会の「河南」さんは、地方からの流入・移転と考えられる。逆に「河南」さんが一人もいない都道府県は、青森・福島・静岡・岡山・島根・山口・徳島・佐賀及び長崎の9県となっている。分布の特色として、--- @兵庫・大阪・京都を中心とした近畿地方 A石川・富山の北陸地方 B鹿児島を中心とした南九州地方 ---の三地域に集中しているといえる。 (2000.12.25記)

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( 図をクリック ⇒ 詳細図表示 )



レポート2. "全国に河南さんは何人いる?"

我が家には家系図や先祖代々の家伝書とかいった類のものはないので、まず手始めに日本全国に「河南」さんが、いったい何人おられるのかNTT電話帳を調べることにする。
日本の総人口は約1億4000万人。日本は名字の種類が世界一だ。その数、約10万種類といわれている。ただし、名字5000で世帯数の92%を占めるから、特殊な名字が多いということになる。人名研究家の佐久間英著『日本人の姓』をもとにした「日本の名字六〇〇〇ランキング表」によると、
      1. 鈴木     東日本     200万
      2. 佐藤     東日本     190万
      3. 田中     西日本     130万
        ・
        ・
      
3253 河南  西日本     5000

私が電話帳で調べた結果は、日本全国に「河南」さんは、
約2300人(587世帯)おられる。(2000.12.20記)

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レポート1. "はじめに"

私が小学校(大阪)の頃、先生に名前を呼ばれるとき、「カナン」、「カワミナミ」、「カワナミ」(「カンナン」とはまず呼ばれなかったが)・・・などとまともによばれることはまずなかった。社会人になってからも、初対面」の方は同様だ。名前を覚えられていいじゃないかと言われるものの、当人にとってはその都度言い直さなければならず、度重なると面倒臭くなって、もういいやということになる。子供心に自分の名前が恨めしく思ったものだ。
 どうせ先祖さまは、河の南に住んでいたので「河南」と名乗ったのだろうと思うくらいで今日まできたが、ふとした機会に---@名前の由来は? A「河南」氏は歴史上どんな人物だったのか?---について調べてみようと思い立った。 (2000.12.09記)


--おわり--