今までの話で美容業がいかに大変なものかを、多少なりとも
おわかりいただけたと思うが最近の若い子(まあひとくくりにしちゃいけない
けれども)はなんといっても我慢が足りない、と私自身は思ったことが結構あった。
わたしはなりたくて飛びこんだ世界だったから、多少の、と言うか年が年だったので、
かなりの我慢はしなければならないだろうという覚悟でいた。
しかしそういう、美容師にどうしてもなりたい!と言う固い決意で入ってくる子ばかりではない。
美容室に行ったことがある人なら誰しも経験するだろうが、
美容師さんは非常に移動が激しい。
自分の好みをわかってくれる美容師をやっとこさ見つけ、
行くときは必ず指名して、足繁く通っていても、ある日行ったら突然いなかった
なんて言う事はざらにある。
まず美容師は独身の女性が圧倒的に多い。
だから結婚したり、子供ができたりするとそう言う事もありうる。
他に考えられるのは、美容室は女の園であるから、結構派閥もあったり、
いじめなんかが起こったりすると男のそれよりも状況は過酷だと言えるだろう。
あとは美容室の収入と言うのは、ほとんどが技術料&サービス料で成り立っている。
まあ薬代、水道代、電気代その他かかるとしても、技術料&サービス料のウエイトは
かなり高いと言って良い。
それを証明するのは、ド田舎とまでは行かなくても、小さな町のすごく引っ込んだ
立地条件超最悪と思われるようなところでも、なかなかつぶれない。
わたしは常々それを不思議に思ってきたが、つまりはそう言う事だと言えよう。
話がそれた。
で、なんで我慢が足りないと思うかと言うと、大変だとわかると、
あっという間に辞めてしまう子がずいぶんいたことだ。ひどい子は、荷物までまとめて
住みこみに来たのに、2日で辞めたと言う実例もある。2日で美容業の過酷さ、
逆を言えば喜びがわかろうはずもないのだが、あまりにも決断力がありすぎるだろう。
あと、彼氏と休みが合わないから、と言うしょうもない理由で辞めた子もいた。
じゃあ最初からくるなよ…といいたくなる。職人になりたいと思うからには
それなりの犠牲は必要なのに、そう言う気構えさえもないんだろうか。
かえってバイトできていた高校生のほうが、可愛げがあったし、素直ですぐ動いて
くれたような気がする。何回注意しても平気で遅刻を繰り返したり
(結局その子も辞めてしまった)、仕事のことで注意したら反抗的な態度をとったり。
まあこういうことはどこの会社でもありうることだろうが。
わたし自身もトラブルがなかったわけではない。でもだんだんと仕事ができるように
なってくると、今度はお客さんと自分、と言う個人的な輪ができてくる。
そうすると俄然やる気が出てくるものだ。
(まあ中には、やる気を失せるような事もなくはないが)それでも自分を必要として
くれてる人がいる、と言うのはまんざら悪い気はしない。朝から指名が入っていたり
なんかして、それがお気に入りのお客さんだったりすると、早く行きたくてしょうがない。
会社なんか行きたくない、と思う人のほうが圧倒的に多いと思うが、この仕事をしてたら
そういう日もあったりする。逆にすっごく緊張を強いられる(チェックがやたら厳しいとか)
お客さんもいるのだが、そこは美容業の醍醐味、成功すれば色んな所での宣伝効果も
期待できるわけであるから、そこは毎日、技術向上に努めて成功を勝ち取る事が
後々の自分のため、と言う事だろうか。
そういうわけで、もっとこの仕事の喜びを感じて欲しいなあ、と若いお嬢さんたちに
対しては切に願うところなのである。