美容師は練習会というものに参加しなくてはならない。
そういう会を設けていない店もあるが)わたしが勤めていた店は夜は
週に1回の頻度で行われていた。どんな事をするのかというと、お互いの頭、
あるいはウイッグというカットやセットの練習に使う、頭だけの不気味な顔をした人形
を使ってカット、セット、ブロー、等の練習を行う。自分の技術に合わせて、
最初は先輩に付いてもらいながらやる。
最初はシャンプーから入るが、ここではちょっとはしょってワインディング
(簡単に言うとパーマを巻く技術)の話。ワインディングはぺーパー、ロッド
(巻くときに使う太さで色分けされたプラスティックの穴のあいた棒(例えが陳腐で
すいません。(笑))それとゴムの基本3点セットを使いこなす事から始まる。
見ていると非常に簡単そうにさっさと巻いているが、実は結構細かい配慮が必要で、
以外と難しい技術である。巻く角度や幅の取り方、立つ位置等色々決まりごとがあり、
それがちょっとでも違うと仕上がりにも差が出てきてしまうので、やはり職人技と言えよう。
国家試験科目にもワインディングはちゃんと入っていて、全頭何分以内で巻く、と言う
時間制限もあるから、最初の練習の段階で、
タイマーが登場する。
タイマーの存在は緊張を極限まで高めてくれる、イイのやら悪いのやら
非常に微妙な存在だ。時々巻いている最中にロッドを落っことすと
もうあせりに拍車がかかる。一本一本のタイムロスが、全部に影響するため、
失敗は許されないのだ。
出来不出来はともかく、まずは早さが要求される。
下手でもイイから時間内に巻く事がとにかく優先。試験ではいくらキレイに
巻けていたとしても、完成していないと減点対象になってしまうため、
お話にならないからだ。また営業でも同じ事が言える。わたしはあまり早く巻ける方では
ないので耳の痛い話なのだが、実際営業では、早く馴染むよう薬をつけてから巻くことが多い。
そのため、あまり時間がかかると、最初に巻いたところと後で巻いたところの差が
できてしまいこれまた仕上がりに影響する。だからキレイに早く巻くことが最終目標なのである。
参考までに。
店で実際に巻くときは、気をつけていればわかるが、下っ端はお客さんから見て
目立つ部分はやらせてもらえない。ひところソバージュ(ラーメンのようなちりちりした
ヘア)が大流行したが、あの時も下っ端はたいてい後ろの下の部分を担当していた。
時々右と左を違うスタッフが同時にやる事があるが、あれは止めた方がいいと思う。
なぜなら人によって巻き方に多少癖があるため、同じ仕上がりにならないことが
往々にしてあるから。お客さんに詰まっていて、どうしようもないときなんかに良くある光景だが、
それがいやなら空いている時間を狙っていくか、最初から全部担当者に巻いて欲しいと頼む事だ。
そうすればそういうトラブルは未然に防げるはずである。