事故それは突然やってきた。

 

私は基本的に朝寝起きが悪い。だからその日も急いでいた。アクセルを力強く踏み込む、よしなんとか間に合いそうだな、煙草に火をつけいつもの道を進む。そして、運命の9時15分を迎える。そう、私は追突した。それも停車中の車に。追突の瞬間なんともいえない恥ずかしさと無常感があった。ああやってしまった・・・・・俺は無事なのか?いやもうそんなことはどうでもよかった。へこんだボンネットを見ながら私は呆然と座っていた。ふと遠くで声がする。あんた大丈夫か?幸いにも私はかすり傷ひとつない。愛車は私を守ってくれたのだ。自らは深い痛手を負いながら・・・・・。むなしく流れるCDがよりいっそう悲しくさせる。すまん、こんな俺のためにごめんよ・・・・「生きろよ」・・・・そんな声が車から聞こえた気がした。そして、彼とのしばしのお別れの時がやってきた。その寂しそうな後姿を見て私は「いつかまた逢えるさ・・・」そう言った。彼はテールランプを点灯させ「ああ、その日が来るまで待ってる」そう言い残して私のもとから去っていった。彼とのたくさんの思い出がフィードバックして蘇る。ついさっきまで一緒だった彼がいまは見知らぬ車に載せられている・・・・・。彼の壊れた部品を手に取り私は涙した。そう、もしかすると二度と彼のアクセルを踏むことはないかもしれない・・・・(その2へつづく)

戻りたい・・・