泣ク セエルスマン


車を買いに、販売店に行った。高い買い物をする時は当然お母さんについてきてもらう。
セールスマンも年上の方には弱いのだ。高雄で物を買う時はまけてもらうのが当たり前。
露店などに行ったら、向こうから勝手に安くしてくる。
そしてそれが似合う街なのだ。

いろんな車をぶらぶら見ていると、オレと同世代のニイチャンがついてきた。
「この車買うんだったら、先に50000元の予約金が必要だけど・・・。」
所謂“見るだけの客”撃退法なのだろうけど、オレたちは“買い”に来ていたのだ。
オレたちを“見るだけの客”と決め付けていた態度。
どうやら、彼はオレたちの“なり”を見て、判断したらしい。
ママ、キレたね。
「あんた、そんなやり方じゃ、セールスマン失格だね。」

的を得ていたお母さんの発言に、彼は一気にブルー。
「先輩に教えてもらったんです。」と爆弾発言。
慌てて上司が出てきて、フォローしてた。

見かけだけじゃ、人は判断できねーって。

オレが日本でルーキー(新入社員)してた頃、一度先輩と仕事サボって、スーツを見に行った。
気に入ったものを発見し、「これ新作ですか。」と尋ねると、
店員は「それぐらいご存知でしょう。」と薄ら笑いを浮かべ、言った。

後日先輩がもう一度、その店へ行き、店員が「オレたちをライバル店のスパイ」
だと思っていたことが発覚。
勿論平日にスーツ着て行ったオレたちもオレたちだが・・・。

早とちりちゃうん?


結局そこで車を買い、納車時、再び彼と遭遇。
彼は背が縮んだんじゃないかというぐらい、低い腰でサービスを提供してくれた。
彼はオレたちに、ピカチュウのキーホルダーをくれ、
「裏に私の名前が刷り込んでありますので、何かございましたら、ご連絡ください。」

ママは、茶目っ気、皮肉たっぷりに
「これじゃ、あんたの事忘れたくても、忘れられないね。」

二人に笑顔が戻った瞬間だった。
「やるやん、おかん。」そしてオレは思ったね。
前にも書いたが
「台湾女性強し、お母さん強し。」