いかす老板たち
○×同業会の登山会に参加した。
月一のこの会に毎回参加しているおかあさんに誘われたのだ。
おとうさん・おかあさん・オレの三人。妻は用事があったので不参加。
みんなけっこう夫婦・家族連れで参加してた。で、ここに集まるみなさんはみんな老板(社長さん)。
オレはひじょ〜に緊張したね〜。
今回の目的地は高雄県にある鶏冠山。
8:50に燕巣のインターチェンジで待ち合わせだが、一向に出発する気配がない。
人が集まれば、おしゃべりに花が咲き、情報交換が終わらないのだ。
と、そこに会長さんがオレの前にやってきて、流暢な日本語で話し掛けてくれた。
「私は小学校まで日本語を勉強してたからね〜。」
台湾の年輩方の日本語は、流暢だけでなく、温かく、優しい。
台東に住むオレの公公・婆婆しかり、李登輝元総統しかりだ。
15台の車を連ねて、目的地・鶏冠山に到着。
おいおい、この山・・・岩むき出しやん。そして延々と続く急な階段。
最高年齢70歳を筆頭にみなさんお年を召していらっしゃる・・・。大丈夫なんか?
しかし、威勢良く駆け上っていく老板さんたち。さすがや。
40分ぐらい歩いた、いや登っただろうか、やっとこさ目的地に到着した。勿論一人の脱落者もなく。
しかし、目的地に到着したものの三角点(頂上)ではなく、
そばに頂上へ向かうさらに過酷な獣道が横たわっていた。リーダー曰く、
「行きたい人は自由に行っていいよ。15分ぐらいかかるけど。」
すると、おとうさんが登り始めた、いや這い上がり始めた。オレも慌てて附いていったね。
岩を掴みながら、一歩一歩のぼっていった。
登りきった向こうは麓まで見える断崖絶壁だった。ひえ〜。
しかし、どうも頂上といった感じでなく、中途半端な気持ちでいたら、隣に岩山があってそこが頂上らしい。
でも誰もそこまで行かなかった、いや、行けなかったのだ。
諦めて降りていった老板さんたちを尻目に一人の男が果敢に挑んでいった。
『おとうさん、まじかっ?』
そう、来年還暦を迎えるうちのおとうさんやっっ!!
そして、頂を制覇したおとうさんは
「Tomoky、おまえは来るな、危ないから。」
もしかしたらオレは、その言葉に本当に感謝したかもしれない。
だって、ほんまにこわかったんや。そしてオレはココロの中でおとうさんに最敬礼したんだ。
老板になる素質は何よりも、この度胸と好奇心ではないかとオレは思った。
オレはほんまにまだまだや。
降りる時におとうさんは、
「小さい頃、新竹の山奥で育ったから、これくらいわけないよ。」
「いかすぜ、おとうさん。」
後で山を下りる時、おかあさんにこの話をすると、
「おとうさんは小さい頃、すごく貧しくて、学校に行く時、靴を履かずに手に持って行って、学校に着いてから、履いてたんだよ。
そしたら靴が破れないだろ。」って。
これはオレが好んでいたドラマ『阿扁と阿珍』でも全く同じシーンがあった。
「じゃ、阿扁(陳水扁総統)と同じやん。」とオレが言うと、
「昔はみんなそうだったからねえ。」
オレはじ〜んとしちまったぜ。