月に溺れる

窓越しに覗く
オレンジ色の月が
あまりに凄惨過ぎて

肥大した自我が
プラスチックの水槽に
飲み込まれる

ドアを開けないで

電信柱に絡み付く
黒い犬らの嘲い声
迫り来るのは
道化の行進

ドアを開けないで
ドアを開けないで

渇いた唇が
うわ事を繰り返す

ドアを開けないで
夜が忍び込んで
来るから

あぁもうすぐ僕は
月に溺れる