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「やる気があるのか!?」
こう聞かれたときあなたならどう答えるでしょうか?
「あります!!」と元気に答えられる人より、「あります.」と答えながらも、内心「なんとなかしなきゃ」と不安に思う人の方が多いのではないでしょうか?
三無主義(無気力、無感動、無関心)の時代だといわれて久しいですが、「やる気が出ない」という問題は依然として変わらない。
どうしたら、無気力感から脱却できるか、今の人生に燃えることができるようになるのか、というのがまず第一の課題である。
もし、「やる気」がわいてくるなら、仕事や勉強にその効果が現われてくる。そればかりか、その「やる気」にみなぎった生き生きとした姿は、周りの人を引き付ける。大変魅力のある人物と評価されることだろう。
では、どのようにしたらやる気を培うことができるのだろうか?まず、その前にやる気が起きない原因について少し考えてみよう。
親が子どもに「やる気を出せ」と叱咤するのはよくあることだ。ところが、たいていは空回りするだけである。それは「やる気が出ない」という問題についての原因追求を怠っているからである。
一般に次の点を考えることができるだろう。
1.身体・エネルギー的な問題
2.方向が定まらない
3.目的が多すぎる
4.目的への魅力が感じられない
5.目的はあるが意欲が弱い
【1.身体・エネルギー的な問題】
まず、第一に肉体的な問題を考えてみよう。
「だるい」「気力がない」「疲れやすい」「頭痛がする」こういう悩みを持ったことはないだろうか?ストレスのたまりやすい現代では、病気の数も豊富にある。健康が損なわれていると、体に十分なエネルギーが行き渡らず、気持ちもそれに連動して元気がなくなってくる。もし、もっと元気があったらこんなこともできるのに、と考えている人も多いのではないだろうか?
もちろん精神状態が肉体に打ち勝てば、そのハンディキャップを逆手にとって、物事を進めることができるが、一般には肉体の疲労困ぱいに影響されて、心も滅入ってしまう。気ばかりが焦って、体がついてこないということになる。大病を患ってしまっては目標どころではなくなってくる。したがって、身体をパワーアップすることがまず第一の条件となる。
【2.方向性が定まらない】
次に心の問題に移ろう。
肉体は健康なのに、やる気が湧いてこない。やりたいことが分からずに、ぼんやりと毎日を過ごしてしまう.....
こういうときには、どうしたらよいのだろうか?
やる気とは、心の方向性ということである。方向が定まらなければ、どこへ自分の意志を向けれいいか分からなくなる。目標を持たずして、「やる気がない」などというのはナンセンスであろう。目標が決まることによって初めて、行くべき方向がわかり、「何とかしたい」と思うようになるのである。
ここで最も肝心なことは、どのようにして目標を設定するかである。目標が魅力的でないと、やる気が起きてこない。魅力ある目標を探すことが、やる気を出す第一歩となる。
目標がはっきりしてくると、自然とやる気は高まってくるものである。例えば、受験で漠然といい大学に行きたいというのと、早稲田大学へいきたいというのでは、やる気の度合いは全くちがってくるだろう。後者の方が対策を立てやすいし、姿勢も変わってくる。
目標を明確にするとは、より具体的に目標を描き出すこと、実感として感じることができること、期限がはっきりしていること、そこへ至るステップがはっきりしていることである。
明確な目標があれば、何に精神集中したらよいかわかるし、自分の取る行動の選択も躊躇なくできるし、やらなくてはという義務感から行動に移さずにはおれなくなる。
また、目標へのステップをはっきりさせることによって、それまで現状と目標との間に接点を見いだすことができなかったのがそこに、はしごができ、「これなら到達できる」という確信を得ることができる。そして、やることが具体的で集中しやすくなる上、目前の行動が指し示されるため、、その方向に行動が自然と流されることになるのである。
【3.目的が多すぎる】
次に、目的がないのとは逆に、やりたいことがいろいろあって困るという悩みもある。あれもこれもといっている間に何もせずに時間だけが過ぎていく。こういう場合は、やりたいことに優先順位をつけてみることだ。これによって目標がはっきりする。
【4.目的への魅力が感じられない】
目的への魅力が感じられないと、いくら表面では「やろう、やろう」と思っていても、心の内面では「そんなことどうでもいい」と思っているから、やる気が持続しない。達成したときのメリットを認識し、強い動機を培うことが必要となってくる。もし、達成した状態が魅力的であれば、その途上のことが面白くなくてもやる気は出てくるものである。
以前あるバイト先で、はたから見てつまらない仕事を楽しそうにやっている人に出会ったことがある。さぞかしその仕事に興味をもっているのだろう思って聞いてみると、そうではなく、得たお金で海外旅行に行きたいという夢をもっているといくことだった。動機がはっきりしていれば、やる気もでてくるというわけだ。
そのためには、今やっている仕事がいったいどういう意味を持っているのか、自分にとってどういう意味を持っているのかを理解することが大切である。それによって「そんなことどうでもいいじゃないか」といった不要な不安や疑問を除去することができる。
また、目標としていることに関し手、よく学び、精通することも必要なことである。そのメリット・デメリット、なぜ、自分がなさなければならないかをはっきりと知ることが強い動機付けとなり、いい加減さや妥協から自分を守ることができる。
自分の本心から望む目標であるなら、目標をありありと描くことができ、先に述べた目標の明確化もうながされることになる。
【5.目的はあるが意欲が弱い】
メリットはわかった。目的達成の必然性や可能性についても理解した。あとは断じて実行するのみである。いかに意欲を燃やすか。そこで出てくるのが決意である。人間の行動は、潜在意識に大きく影響されているといわれている。私達が普段使っている表層意識よりも、潜在意識の方がずっと強力である。表層意識では、こうしなければと思っていても、その通りに動けない時がある。逆に、潜在意識に強くやる気のデータを根付かせれば、表層意識でどう思おうと、自分の目的の方向に動かすことができる。
決意が固まれば、あとは目標に向かってまっしぐらである。
かつて私が受験生だったときもこの方法を用いた。大学に行くことに対してそれほど強い欲求がわるてくることもなかったし、あまり魅力が感じられなかった。かといって避けて通るわけにもいかなかった。
私はやる気を起こすのに苦労した。やる気がなければ勉強しない。勉強しなければ知識は身につかない。知識が身につかなければ試験に通らない。
「やることが決まっている以上、最善の努力をしよう」。こう考えた。頭はあまり良くなかったが、自分に妥協させないために、志望校を最高にした。手の届くところを目標にしてしまうと、どうしても自分に楽をさせてしまうからだ。
そして、毎日のように「絶対東大に合格するぞ」と念じ、紙にも書きなぐった。これは毎日毎晩は必ず、その他にも暇を見つけてはこの決意を実行した。また、自分の内側から否定的な情報をシャットアウトした。「だめなんじゃないか?」という思いが自分の中に起こったら、すぐにそれを取り消した。これを続けているうちに、必死に努力することが苦でなくなってきたし、怠惰になって妥協してしまいがちなときに心の底から沸々とやる気が込み上げてきた。模試の結果ひどい合格判定が返ってきても「できる」という確信を損なうことはなかった。その結果、わずか一年足らずの勉強で合格することができたのだ。
この方法は自分自身に最大限の努力を課す方法ではないかと思う。現在の状態がどうであれ、絶対に受かるという自信を培うことによって、試験当日まで安定して努力し続けることができたのだ。自分には無理だろうか、失敗したらショックではないかなどと惑いがあれば、それだけで時間は過ぎていくし、集中も鈍る。その結果、やる気が持続しない。
失敗を恐れて、その言い訳づくりに時間を使っていたら、必ずその通りの結果になるだろう。絶対にできるという確信が大切である。
【やる気を挫く様々な障害にどう対抗するか】
「さあ、頑張るぞ!」といざやる気を出して、取り組んでも目標に到達するまでには様々な障害がある。これに負けてしまって挫折する人のいかに多いことか。次は、やる気を挫く原因とその対策について簡単に述べておこう。
| 挫折感 |
恐れ |
無関心 |
飽き |
| 慢 |
自信のなさ |
ストレス |
あきらめ |
この中の一つでも兆候が現われてきたら、危険だ。注意してその原因を取り除かなければならない。
【失敗をどうとらえるか】
「人は転ぶと坂のせいにする。坂がなければ石のせいにする。石がなければ靴のせいにする……」。これはユダヤの格言である。これはなかなか的を射ている。
目標に向かって突進して、とんでもないトラブルに出くわしたり、悪い結果に出会った時に、どのように原因をとらえるか。それによって、「やる気」を失うか否かが決まる。
だれでも、失敗しても自分に非があるとは認めたくないものである。自分を正当化したいので、言い訳に走ったりする。しかし、言い訳をして自分を正当化しても、前に進むことはできない。自分の良くないところをきちんと認めた上で初めて次のステップがある。
心理学では、成功や失敗の原因を上記の4つに分類している。これはアメリカの心理学者アトキンソンによる原因帰属の考え方である。成功や失敗の原因を上記の4つに分類している。これはアメリカの心理学者アトキンソンによる原因帰属の考え方である。
そして、失敗の原因を外発的要因や固定的要因に求めるかぎり、やる気は起こらないといわれている。悪い結果が起きた時に、自分にその原因があると考えると、以外とやる気も出てくるものである。外的要因が原因だとすると自分ではどうしようもなうなってしまう。そう考えると、当然やる気は失われていく。
また、失敗を自分のせいにするのはいいが、自分の能力のせいにしてしまうと、やる気は失せてしまう。「自分にはもとから能力がないのだから」と考える時がそうである。
本来、固定的要因というのはないのであるが、あまりにもその傾向が強いと、あたかも固定的要因であるかのように見えてしまうのである。失敗を自分の才能や環境のせいにせず、自分の努力不足を実感してこそ、次のやる気につながってくるのである。
【恐れや不安に対して】
新しいことを始める場合、不安はつきものである。それを恐れていたら進歩することができない。「失敗したらどうしよう」「しっぱいしたらそれで終わりだ」などと思っていたら、行動に移せない。当たってくだけろの精神が必要である。周りを見渡しても、やる気のない人ほど、失敗を必要以上に恐れる傾向がある。何かと理由をつけて自分が責任をとることを回避しようとする。逆に失敗を恐れず、ミスを正当に評価できるタイプはどんどん挑戦していくことができる。
【飽きに対して】
たいていの人は同じことを繰り返していると飽きてくるものだ。しかし、仕事にしろ勉強にしろ同じことを繰り返さなければならないことは多い。
これはモノトーン効果と呼ばれているものであるが、工事現場や線路の近くでよく経験することで、初めは「うるさいな〜」と感じても、しばらくするとだんだん気にならなくなり、最後には全くといっていいほど気にならなくなる。つまり、同じような刺激が繰り返されると、わたしたちの頭脳はそれらの情報を受け付けなくなるのである。不快なことはこれでいいかもしれないが、勉強や仕事に対してこの効果がでてきてはまずい。
菊池寛氏の「恩讐のかなたに」という小説の中で、主人公が何十年にもわたってひたすらトンネルを掘り続ける話が出てくる。はたから見れば、なぜそのような単調な仕事が続けられるのだろうかと思ってしまうが、彼がその偉業を達成したのには理由があった。それは、その近くの地形が悪く、命を落とす人が多かったので、少しでも事故をなくしたいという大きな目標があったためである。
やる気を保持するには、このように将来の自分の目標がはっきりさせる必要がある。将来の目標がはっきりとしているから、今自分のなすべきことがわかる。また、目標が遠くにある分だけ、やる気も維持しやすい。目標を長期的にとらえることが、目先の飽きから脱却し、やる気を維持させるのである。
もちろん大きな目標であればあるほど、その道のりは長く、終わりが見えてこないため、それと逆に気力を失ってしまうこともあるだろう。日中戦争のとき、日本兵にとって中国大陸はあまりにも広く、占領という目標まで遠かったため、志気が低下し、敗退の一因となったという。
大きな仕事をこなすためには、目標を小さく区切って一つ一つこなしていくのがよい。そうするとゴールが目先に見えてくる。人間はゴールが目前に迫ってくると、自然とやる気が出てくるものである。
また、やり方に変化を付けるなどの工夫をする必要もあるだろうし、たとえ同じことを繰り返していても、毎日必ず新しい発見があるはずだ。それが好奇心を刺激し、やる気の元となっていくのである。
【怠惰さに対して】
日本人の美徳として無言実行というのがある。しかし、怠惰な現代人がこれをやると自己防衛本能が出てきて、積極性が失われ、結局やらないままになってしまう。有言実行−−周りに公言して、思い切って自分から積極的に取り組んでいくことが無気力から立ち上がる一つの方法となる。
わたしたちのやる気を妨げる障害は数多くあり、目標を達成するためにはこれらに打ち勝っていかなければならない。この世を構成している法則や心の法則について学ぶことが、これらの障害を取り除く第一である。そうすれば、どんな状況に陥ったとしても、やる気を妨げる否定的な情報の誤りに気付いて、それを取り除くことができるのである。
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