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09:ねこ
あたたかい草の上でぼんやりとしていたねこは
恋人のねこが毛を逆立てて青白い静電気を放ちながら
こちらにやって来るのに気が付きました。
新しいねこが私のうちに来たのです、私の居場所がどんどん狭まっているのです。
と、恋人のねこは、息もつかずにいいました。
世界は流れていくものだから、そういうことも起こりうるんだよ。
ねこは寂しそうにつぶやきましたが、
恋人のねこはそのさみしさに気づくことができずにこう言いました。
何かを手に入れれば何かを失うということをわからせないと。
ねこはパチパチする青白い静電気をものともせずに恋人のねこの毛並みを舌で整えるのでした。
2003.5.13.
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