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13:ドア
彼女は目の前でドアを閉められることがとても苦手でした。
ドアが閉まるがちゃん、という音は、
彼女にとって拒絶されているように聞こえるのです。
ある日、彼女がポストをのぞいているうちに、彼はドアを閉めてしまいました。
閉められたドアを見ながら彼女が途方に暮れていると
ドアは、開けるものだから閉まるんだよ、
とドアを開けてくれた彼がやさしく彼女を抱き寄せました。
その理屈がわかるようでわからない彼女は
開けられたドアを必死で守るようにしっかり彼の手を握るのでした。
2003.5.29.
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