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15:毒
彼女ははさみを持って途方にくれていました。
私の中にある毒はどんなに時間がたっても消えないの。
消えたと思ってもふとしたひょうしにみつかって
それまで私の中の奥の奥の方で息をひそめていたことがわかるんだわ。
どこか私の体に切れ目を入れて、この毒をすっかり出してしまわなきゃ。
毒が赤い色をしているだなんて、思わなかったの。
そう言った彼女の手にばんそうこうをはりながら
彼も昔、同じことを考えてさっくりと入れた切れ目を服の上からおさえたのでした。
2003.6.18.
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