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17:うわのそら
彼女はうわのそらで誰かの助けを求めていました。
自分の問題は自分で解決するものだとわかってはいても、
今の彼女にはどんなにがんばってもそれだけの気力がうまれてこないのでした。
嫌なことがあってもスターバックスコーヒーのあったかいカフェモカを
ひとりでゆっくり飲めば、ある程度のことは乗り越えられていたのに
今はもう、そのコーヒーですら彼女の頭痛を呼び覚ますだけで
かつての優しさを与えてはくれないのでした。
飽和なんだわ、と彼女は考えました。
たくさんたくさん、それはもう一生分に値するほどの幸せをもらってしまって
幸せに対して鈍感になってしまったから
さらにもっと多くのものを求めてしまったのかもしれないわ。
どうしてわからなかったのでしょう、存在だけでいいことが。
何もしてくれないで、ただ一緒に笑っていてくれればいいことが。
彼女は深い深い後悔と共に一口飲んだだけのカフェモカをゴミ箱に投げ入れたのでした。
2003.6.24
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