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26:ばたばた
彼女は時々、とてもたまらないというように足をばたばたさせるのです。
それはうでまくらの最中だったり
ふとした時にキスをした後だったり
彼が車から守るように手をひいた時だったり。
何かこわいことがあったの?と彼が彼女の顔をのぞき込んでたずねました。
違うの、幸せが私の中に入ってきて私からあふれそうになるのよ、
それがあふれないように、逃げないようにどうにかしたいけど
どうにも出来ずにあふれてしまうの、それでたまらなくてじたばたしてしまうんだわ。
彼は愛おしいものを見る目で彼女をなでて
あふれてもそれ以上のものをあげるよ、大丈夫、なくなったりはしないよ。
彼女はにっこり笑って彼にしがみつき、少しの間足をばたばたさせていたのでした。
2003.8.1.
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