30:ルール

この世界に、すきになっちゃいけないひとなんていないのにね。
彼女は唇を強くかんで言いました。
もし、あなたをすきになっちゃいけないってルールがあったとしたら
私はこの気持ちを一生知らないままだったのかしら。
そう考えて彼の横顔を見ると、彼女はたまらなく悲しい気持ちになるのでした。
誰かをすきになることって、なんて楽しくて苦しくて幸せで痛くてうれしくて悲しくてせつないことなんでしょう。
でもそんな気持ちをコントロールできるならそんなのはすきじゃないってことなのかしら。
彼女のこんがらがった気持ちをほぐすように、彼は何度も何度も彼女の髪をなでるのでした。


2003.9.7.



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