35:プラネタリウム

私のベッド、ちょうどねっころがって見上げたところの天井に5つの星があります。
夜行塗料が塗ってあって、電気を消すと光るのです。
それは昔、私がまだ小学生だったころにひとつ上の先輩からもらったものなのです。
小学生の時の私の友達の部屋には、たくさん星のシールがはってあって
電気を消すと天の川のようでした。
それに憧れた私はそのシールの話を先輩にしたのでした。
しばらくして、先輩は私に5つ、星をくれました。
私はうれしくて家に帰るとすぐにその星を天井にはり、電気をつけたり消したりしたのです。

中学生になってもそのシールはまだ天井で光り、私は先輩と同じ部活に入部しました。
小学校から高校までの一貫校だったのでそのままそんな日々が続いていくのだと
その時は何の疑問も抱かなかったのです。

中学から高校になる時、ブレザーにリボンだった制服はブレザーにネクタイにかわります。
ブレザーもスカートも中学の時と同じものだけど、新しいネクタイは違う気分を私にくれました。
高校の入学式まであと数日。

そんな日の夜、テレビを見ている時に電話がなりました。
先輩が亡くなったそうです。
エイプリルフールにはまだ早いなぁ、とぼんやり思ったことは覚えています。

京成志津駅付近の踏切に飛び込んだ先輩の死に顔は見ることが許されませんでした。
最後に会ったのがいつだったのか、うまく思い出せなくて
葬儀場のガラスにうつった、初めてしたネクタイを眺めていました。

なぜか、先輩のことを思い出す時は、小学校の時にしたドッヂボールのシーンと
先輩が1人で体育の授業の帰りに階段を上っているシーンが出てくるのです。
あれからもう6年半くらい。
いまでもまだ星はあるし、これから何度引っ越そうとも、その星はきっと持っていくと思う。

死というのは色々なことを忘れないために存在するのかもしれない。
わからないけど。
でも、星を見る度に思い出せる思い出があることに、感謝します。


2003.10.9.

Thanks Kino,I have a lot of your memories.



目次へ。

TOPへ。




GuestBookBBSSearchRankingPowderRoom-RoseGo to Top