9/13の日記に載せてたのを移してまいりました。下らないですがコラムって感じです(汗)。
ビバップとルパン
私がよく行く「ルパンの」サイトの掲示板で「ビバップが」話題になっていた。
皆さん劇場版を見に行かれたようで、大〜絶〜賛〜。
その中でも得にビバップの映画を気に入ってらした方がいて、ほんとにべた褒めでした。
2時間絵がくずれないのがすごいと書いてあって、
「そうかそうか、絵がくずれなかったのか!」
と私的にはほくそ笑みだったんだけど、その人はちょっと悔しがっているような感じで。
同じ路線を目指しているものとして、あんなにクオリティーの高いものを見せつけられちゃうと
毎年のルパンのいい加減さに泣けてくるとその人は感じていたんだと思う。私の推測ですが。
ルパンのファンをやめようかと思うくらい圧倒されたと書いておいででした。
ビバップのクオリティーは前々から高いものだったので
想像するだにすごいんだろうという感じだし…
きっとビバップの劇場版は、アニメの、クオリティーに於いての可能性みたいなものを
かなりハイレベルな位置で実現・提示しちゃったんだろなあ。
そういう「頂点」がある中で、ルパンは確かにクオリティー的には落ちてきているのかもしれない。
でもね。ビバップとルパンは、同じものではない。
路線的にはかぶってないとは言えないが、でも根本的に全く違うものだ。
少なくとも私の中ではそうだ。
作っている人の個性も違うし、スタンスも違う。狙っているものも違うし描かれているものも違う。
ビバップのスタッフは、かなりいい加減ですよ(笑)。あ、いい意味でね(フォロー)。
ものすごい肩の力抜いて、ものすごいもの作っちゃうタイプかと思います。
なんていうか、発売予定日通りに品物が出たことの方が少ない(断言)。
CD、カレンダー、イラスト本に始まり、
今回の劇場版だって、結局どれだけ遅れたのか、もうわからなくなっちゃってる。
…言い換えれば、ビバップのスタッフにはものすごくこだわり派が多いのでしょう。
だからこの映画がとてもハイレベルなものだということがわかる。
ファンを待たせて公開を遅らせても、自分たちの納得のいかない作品は絶対に作れない、
そういうカタギな集団。
ビバップには、ルパンとは逆の、そういう「自分たちのために」っていう要素が強いと私は感じる。
たとえば前述したスタンスっていうのもそういう意味で、
監督がジャズ好きだからジャスアニメ作ろうかみたいなところから始まり、
これこれこういう人たち向けに作りました、っていうようなものはおそらくない。
自分たちが作りたいなと思ったものを作ってみたんで、
好きになってくれた人は見てみてくださいよ、っていうスタンス。
自分たちが描きたいと思っていることをきちんと描くためには、その表現方法に気を配ったりはしない。
だから、地上波では一部カットで放映されました。
ちょっとグロめのシーンとか、血がたくさん流れる場面ももちろんある。
そうじゃないと ほんとうのこと が描けないから。
「カウボーイビバップ」というアニメは、これはもちろん私の思ったことだけれど、
人間の本当の姿、っていうのを忠実に描き出そうとしていると思います。
弱い部分も、暗い部分も。
ビバップは、カッコいいけどちょっとダークで、とってもリアルなアニメ。
それに対してルパンはどうでしょう?
リアルではあるけど、基本的にはあり得ない設定。
ルパンはヒーロー。彼に不可能なことはない。最終的には何でも成功させちゃうすごいヤツ。
スパイク(ビバップの主人公)は、過去を背負い、「醒めない夢」の中をひとりさまよっている男。
ほらっ!全然違うじゃないかっ!
そう、ビバップとルパンはそういう意味で全く逆の位置にいる!と、私は声を大にして言いたいのです。
ビバップという存在を初めて知るきっかけになった、声優林原めぐみさんの言葉。
「第2のルパンと言われるような〜〜云々」
ここから既に、私のルパンvsビバップの対比が始まっていました…。
第2のルパンってどんなものだろう?ルパンの二番煎じなんて面白くないぞ。
…でも、ビバップは二番煎じどころか全然違うものだと、初め見たときからハッキリそう思った。
だから、今でもまことしやかに口にされる
「ビバップはルパンを基盤にして作られている」
という台詞は聞きたくない!!(><)
見た人が、たとえそこに似たものを嗅ぎ取ったとしてもそれは単なるその人の「感想」であって、
それが事実だというようなことは言われてほしくないのです。
確かに、監督さんやスタッフさんが最初にやりたいことを漠然と話してた中で
「ルパンみたいなのやりたいんだよね」
ということは言われていたそうだけど、でも他のスタッフにやりたいことを説明するときに、
「ルパンみたいなのがやりたい、と言えばそれはすぐ伝わるけど、
それでできあがるものなんて、せいぜいルパンの二番煎じじゃないですか。そうじゃなくて
他とは違うオリジナルなものを作りたいわけだから…」
と、これは監督さんの談。
というわけで、ルパンが好きな人たちではあるけど、決してルパンを基盤にしたわけじゃないのだ。
似ているのはオープニングだけなんだ!
歌じゃなくてインストの曲だっていうのと、なんとなく“見せ方”が似てたっていうだけなんだあ。
…ちょっとムキになってしまうけど(汗)、
他にもルパンとビバップの相違点を挙げることはできます。
例えば、主人公の素性ひとつ取ってもその違いが。
ビバップの主人公たちは、ワケありの人を除いてみんな年齢、国籍がちゃんとわかってる。
でもルパンたちは「不明」。年齢不詳もいいとこ。
また、ビバップは初めから“TVアニメ”として作られていて、
2クール、26話の中できっちり物語が終焉を迎えます。
それ以上話を続けようとしてももう続けられないくらい、問答無用で「終わって」しまった。
ビバップはこれだけで「完結」しちゃってるのです。
でもルパンは皆が知っているようにそうではない。
その絵のクオリティーにしても、ビバップには川元さんという
いわゆる「キャラクターデザイン」さんがいて、その人の絵が一応「本物」ってことになっているし、
そのキャラデザさんの絵へのこだわり具合と言ったら、他の絵描きさんをして
「やらねえよそんなこと」
と言わしめた(?)ほどらしい。気の遠くなるような手の入れよう。っていうか絵上手いし。
ルパンには、正式な絵描きさんと呼べる人はとりあえずいません。
…もしかしたら私がこんなにムキになっているのは
私がルパンもビバップも両方同じくらい大好きでしょうがないから
それらを一緒にしたくなくて頑張っているだけなのかもしれません(汗)。
ただ、これだけははっきり言えると思います。
それは、基本的に「カウボーイビバップ」は新しいアニメだ、ということ。
だから必然的にルパンと同じものではあり得ない、ということが言えると思うのです。
ビバップを見てすごかったからって言ってルパンを嫌いになることなんてナンセンスだし、
そういうものではないんだ、ということが言いたかったのです…。
…こんな下らない話題で(まあ私にとっては下らなくないんだけど)
なんでこんなにもヒートアップしているのでしょう私は(汗)。
呆れてしまった人ごめんなさい。
ただ、ずっと前から言い続けてたことで、書き出したら止まらなくなってしまいました。
ビバップを知らない人が読んだら「ふーん」じゃないかこれ…(爆)。
すみません。
「カウボーイビバップ」
監督:渡辺信一郎
シリーズ構成・脚本:信本敬子
キャラクターデザイン:川元利浩
メカニカルデザイン:山根公利
音楽:菅野よう子
セットデザイン:今掛勇
プロデューサー:南雅彦・池口和彦