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プロ監査役ビジネス 2002年12月28日
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多くの日本企業が、低迷する株価に苦しんでいます。根底に「日本売り」があるので、回復は容易ではありませんが、一企業に限っていえば、その企業の株式が、投資家にとって買いたい株、売りたくない株でありさえすれば良いはずです。もともと株式会社というのは、事業を通して利益をあげて株主利益を極大化するためのもの。純粋に「いい会社」になる努力をすればよいのです。
ところが、多くの大企業がやっている株価対策といえば、「自社株買い」や「既存株主に対する増資引受のお願い」ばかり。このような小手先の対策には限界があります。多くの経営者は「本業でも頑張っている」と反論するでしょうが、本当にそうでしょうか?売上を伸ばすために、コストを下げるために、利益をあげるために、製品やサービスの品質を落とさないように、常に合理的な行動をしていると、胸を張って言えるのでしょうか?これまで企業に関わってきた既得権益者(経営者自ら、および企業OBも含む)に対する遠慮から、合理的な行動を控えることで、自ら「いい企業」になる選択肢を捨ててしまっているからこそ、株価が上がらないのではないでしょうか?
実は、そういう間違った企業行動を監視しコントロールするために「監査役」が存在するのですが、多くの企業において、監査役が(形式的には株主総会で選任されるのですが、実態として)企業経営者に選任されている状況では、ろくな監査機能は期待できません。そこで、全国の経営コンサルタントおよび総会屋の皆さん、外部監査役ビジネスをはじめませんか?いうことを聞かない経営者からお金を取るよりも、プロの監査役として、株主総会の選任を受け、問題点をあぶり出し、「いい企業」になる本質的な提言を行うのです。
恐らく「プロ監査役」ビジネスは、あまり儲からないと思うので、しばらくは国が助成してもいいと思います。つまんない銀行に公的資金を注入して不良債権処理を進めるくらいなら、ひとつひとつの企業が競争力をつけ再生させるために税金使ってもいいのではないでしょうか?
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金融庁とメディアの罪 2002年12月27日
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2〜3日前、「みずほフィナンシャルグループが大幅に中小企業向け融資を減らしてけしからん!」というニュースがありました。こういう舌足らずのニュースこそ「けしからん!」と思います。
ご存知の通り、みずほフィナンシャルグループは(金融庁の主導によって)日本興業銀行・富士銀行・第一勧業銀行の三行合併で発足したメガ・バンクですが、合併を成功させるためには資産(重複した過大な融資、店舗、人員など)、わけても不良化した資産を徹底して減らす必要があります。実際には、いわゆる「貸し剥がし」も相当あったのでしょうが、まず大手銀行は企業努力として融資を減らすことが必要なのであって、それは金融庁も求めていたことです。そして、中小企業相手とはいえ「やってはいけない融資」もあるのです。減らさないと叱られ、減らすと叱られ・・・。これではみずほも立つ瀬がありません。
金融庁をはじめとする日本の中央官庁、そしてマスコミ各社も、早急にIAEAの査察が必要です。
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社員一人ひとりの時代感覚 2002年12月18日
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本日ボーナスを支給されました。時代の流れで大幅な減額であったにせよ、雇用が確保され、その上ボーナスまで頂戴できるなんて幸せなことです。ところが、従業員組合と経営がボーナス減額について闘争をしているとき、ある社員が言ったそうです。
「こんなに一生懸命仕事をしているのに、減額するとはどういうことだ?」
この非常識さ、時代感覚の無さにはあきれます。誰だって一生懸命なのです。一生懸命頑張った報酬が欲しければ自営しなさい。
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不祥事 2002年12月18日
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今年一年間振り返ってみますと、「不祥事」で、社会を騒がせた企業が本当に多かったように思います。担当者の独断によるものであればまだしも、組織ぐるみ、あるいは組織による不祥事の隠蔽、など絶対に許せない事件ばかりでした。残念なことですが、そうした企業のいくつかとは、永年の取引を解消しました。不祥事発生時と同じ経営者が居座っている、あるいは不祥事そのものに対する反省のない企業と付き合う気はさらさらありません。
「不祥事」は、どこの会社でも起こりうることです。コーポレート・ガバナンス(もしくはコンプライアンス)という(当たり前の)概念が導入されて以来、従来日本の企業で「可」とされていたことの多くが、突然「不可」になったのですから。会社のために「正しい」と信じてやってきたことの多くが「不祥事」になってしまうのです。
今の組織を守るため、あるいは先輩の顔に泥を塗る(もしくは先輩の手が後ろに回る)ことを避けるため、不祥事は上手に隠蔽し、先送りすることが、企業人としての正しい処し方であったのでしょうが、もうそれは通用しません。そんなことを続けていては、顧客や社会により近い目線を持った、若い社員がついてこないからです。(一枚岩とは言わないまでも)組織の最低限の秩序を守るためには、間違いを間違いであると言い切って行動する勇気が必要なのです。
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どうして国立大学? 2002年12月17日
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松江北高の国立大学盲信病は末期的です。まだ右も左もわからない一年生に、希望校、それも必ず国立大学だけを何度も何度も申告させるのです。大学進学だけが人生ではない。ましてや、生徒達を国立大学に送り込みさえすればよい(学校と教師の評価があがる?)という偏狭な考え方は、どうにも納得できません。そんな申告を強要する暇があれば、生徒達の悩みや夢をシェアする努力をして欲しいものです。情緒や人間性を形成するのに大切なこの時期に、物事の本質がわからない教師にあたった長女がかわいそうです。
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金利適正化 その前に 2002年12月13日
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「金利の適正化」という言葉があります。ちょっといい響きですが、実は、銀行からお金を借りている企業にとって「支払う利息が増額」することを指します。今、全国の金融機関が「金利の適正化」という言葉のもと、取引先に金利引上げの要請を行っています。
多くの金融機関が破綻の危機に面しており、金利収入を安定化させないと、金融サービスの継続ができなくなる、というのが「引上げ」の理由なのですが、実は金融機関の経営悪化は今に始まったことではありません。
バブル崩壊後企業倒産が増加し、金融機関は毎年大きな損失を計上しています。また、倒産の懸念がある取引先に対する融資に対して、一定の「貸倒れ引当金」を積んでおく必要があったのに、わざと自己査定を甘くして、銀行自らのバランスシートを美しく取り繕っていたのです。
もう何年もの間、金融機関の経営コストは急上昇していたのに、それをカバーする収益増やコスト削減の方策を怠っていたのです。金融機関自身が、今までの金利体系では大赤字になってしまうことすら知らなかったのです。ここに来て慌てて「金利適正化」を要請するのでなく、時間をかけて取引先に理解を得る努力をすべきであったし、人件費や物件費ももっと抑制すべきであったのです。
もっとも、金融機関にとって不良債権が増加した直接の原因は、取引先の財務内容の悪化です。取引先の収益力が改善し「要注意先」や「破綻懸念先」から「正常先」に査定アップすることで、銀行は「貸倒れ引当金」負担を軽減させることができます。
いま金融機関が為すべきことは、取引先の収益力が向上するためのアドバイスや支援協力を強化することです。それでも改善の見られない企業には、相応の金利を支払っていただきましょう。まず最初に「金利引上げありき」では通用しません。
カッコつけずに、いままでの失敗をさらけ出しましょう。なぜ金利を引上げないといけないのか、取引先と膝を交えてじっくり話しましょう。事業者と金融機関は、お互いがお互いを必要としているのです。
そして、とてもそんな悠長なことをやっている余裕の無い金融機関は、すでにビジネスモデルが崩壊しています。一刻も早く廃業してください。
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バランス感覚 2002年12月9日
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会社に入った頃、先輩に「一番大切なのはバランス感覚だ」と教えられました。その後もさまざまな場面で、この「バランス感覚」という言葉が登場。社会の中で自然とバランスをとる努力をしてきたように思います。
ところが今になって考えてみると、いま日本を悩ませる問題の多くに、この「バランス感覚」神話が絡んでいるようです。
総会屋利益供与事件で捕まった担当者や社長は、
「もちろん悪いことだとは知っていたけど、自分が暴露してしまえば、上司や(当然に事実を知っていたはずの)歴代社長に迷惑がかかる。前例通りに続けるのが大人の判断だ・・・。」
地方選出国会議員は、
「高速道路は必要ないけど、選挙のことを考えるとちょっと・・・。いつまでも通用しないとは思うけど、公共工事を増やせば選挙区の景気も少しは上向くだろう。」
銀行の頭取は、
「公表していない不良債権はまだまだあるけど、これらを全部『要注意』債権にすると貸倒引当金を山ほど積まないといけない。そうすればうちの銀行も大赤字になって破綻するかもしれない。取りあえず、全部『正常先』にしておけば、うちの銀行も取引先企業も安泰だ。」
大学教授は、
「『不可』をつけた学生の親から、また抗議の電話がきた。とても合格レベルではないけれど、『可』ぐらいに引き上げてもいいかな?放っておくと、いつまでも親がうるさいし、別に一人くらい成績を変えても、たいした問題にはならない。」
食品メーカー社長は、
「せっかく受注したのだから、欠品を出すわけにはいかない。ラインの点検と洗浄はシーズン後にしよう。そうだ、ラベルに『国産』と印刷すればもっと売れるかもしれない。」
地方公務員は、
「こんな補助金利用したら、また地域産業の競争力が落ちてしまう。でも、○×省は『絶対に使え』っていうし、地元の人は当然もらえるものだと思っている。何よりも補助金を創設して地域に引っ張ってきた議員に叱られる。補助金漬けだなんて批判されるけど、公務員は黙々と手続きをしなければ。」
皆な、間違った「バランス感覚」に囚われています。自分と社会のバランスを上手にとっているように見えて、実は前例と人間関係に縛られて問題を先送りしているだけなのです。勇気を出して自分が断ち切ってしまうと、自分と社会の関係だけでなく、相手や先人が築き上げたバランスをも壊していまう、あたかもジェンガを一気に崩してしまうような恐怖感があります。
もう一度、自分の信じるバランスはどこか?よーく考えてみます。手始めに、バランスの振幅を広くとってみることから始めます。
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もう一度、ビジネスプロデューサー 2002年12月4日
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20年も銀行員やっていますが、いわゆる「融資」という仕事をほとんどやったことがありませんでした。海外支店開設、法人営業、公務営業といった経歴を経て、いま初めて銀行員の本来業務のひとつである「融資」をやっています。具体的には、融資推進、回収、金利交渉、などを通しての融資ポートフォリオ構築といった仕事です。
さて、システムインテグレーションの多喜さんが、常々
「融資の話をしないとき、銀行員は最高のビジネス・プロデューサーになる」
と言われます。銀行員はテリトリー内のお客様を誰よりよく知っている。お客様ごとの事業内容はもちろん、強みや弱み、ニーズやシーズ、あらゆることに精通している。したがって、そのマッチングや紹介をするだけでも、新しい商品やサービスの開発といったビジネスのお手伝いができる。ところが、銀行員が融資のことを考えだすと、とたんにトーンダウンしてしまうのだそうです。
漠然と、そんなものかな?と思っていたのですが、いざ自分が「融資」の仕事をやってみると、まさに多喜さんの言う通りです。
「面白い技術だ」とか「このビジネスは行ける!」と感じることがあっても、まず頭に浮かぶのは、お客様のバランスシートや、銀行にとっての収益性や保全、果ては、
「この融資稟議は承認されるか?」
なんてことばかり。それはそれで銀行員として大切なことなのですが、もっと純粋にお客様のビジネスや、そのお手伝い、ビジネスプロデュースを、という視点が欠落してしまっている自分に気付き、愕然とすることしばし。お客様や地域のために一生懸命ビジネスプロデュースを心掛けて行動すれば、預金や融資の実績なんて自然とついてくる(はず)です。もっともっともっと情報発信します。先日、フューチャー・フィナンシャル・ストラテジー富樫社長も言っていました。
「銀行業は、入口と出口に金融機能がついているだけで、本質は情報産業だ。」
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祝!JR東日本完全民営化 2002年12月2日
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JR東日本が、今年6月に政府保有株売却に伴い、完全民営化を達成したお祝いとして、55,000人いる全従業員に一人73,000円の旅行券を大盤振る舞いしたとのこと。
ちょっと待ってください。国鉄が破綻し分割民営化されたとき、国鉄清算事業団に移管した、あの多額の不良債権を忘れていませんか?当時の借金が今いくら残っているのかわかりませんが、土地の売却などで得たお金の他は、国民の税金や郵便貯金・簡易保険をもって返済をしてきているのではないでしょうか?
完全民営化はめでたいことなのでしょうし、一生懸命頑張っているJR職員を悪く言うつもりはありません(頑張っていない人も多いですが)。ただ、職員に40億円バラ撒く余裕があるのなら、清算事業団の負債内入れをする(借金返済をすすめる)なり、迷惑を被った国民(JRユーザー)に対するサービス向上に使ってはいかがなものでしょうか?
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政教分離とリーダーシップ 2002年11月29日
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佐高信、テリー伊藤の「お笑い創価学会〜信じるものは救われない」を読みました。専門家や元信者の手記に交え、テリー伊藤が「普通感覚」でみた、創価学会−公明党の「違和感」がテーマ。
確かに、素人の私がみても「あれ?何か変だ」と思うことはあります。例えば本日の聖教新聞一面の大見出し
「池田SGI会長 世界から135番目の知性の栄冠
キエフ国立貿易経済大学が名誉博士号」
別に今日に限ったことではなく、ほぼ毎日どこかの名誉市民、名誉博士に選ばれ、紙面は祝賀と賞賛と笑顔に満ち溢れています。戦争や経済危機のみならず、嫌な事件が毎日起きているのに、ずいぶんとお気楽な新聞です。(政教分離ということを考えればそうなのかもしれませんが、これならまだ「赤旗」を読んでいるほうが勉強になります。日本共産党は好きではありませんが、批判と論争を通して、与党と社会に対する問題提起を続ける態度は少なくとも評価できます。)
しかしながら、宗教というものはもともと社会の中で恵まれない人たちを救うためにあるもので、加えて現世利益を唱える創価学会が、戦後信者を急拡大できたのは当然のことだと思います。他の宗教ですが、あと数日の命と宣告された病人の枕元で3日3晩踊り続けたら元気になった、なんて話はよく聞きます。医療にも見放された病人は、何かにすがりたいのです。恵まれない人、弱い人は皆な、何かしらすがりつく対象が欲しいのです。創価学会が本来の日蓮正宗と乖離している点、池田大作氏の人格面に対する批判も、信じる人にとっては問題ないことだと思います。それが内々のことである限りは。
これが与党の一角を担う公明党となると多少意味合いが違ってきます。これといって公明党の政策で迷惑を被った記憶はありませんが、創価学会内部の論理を国政に反映させてもらっては困ります。もっとも、一番困りモノなのは、議席と党勢確保のため、創価学会−公明党にすりよる、節操のない自由民主党のような気がします。
前にも書きましたが、誤解がないようもう一度。私の周りに創価学会信者の方が何人かおられますが、皆さん本当にいい方ばかりです。信じるものを持って行動する人は強く、美しいです。
夜は支店の若い社員+本店から出張のK課長と、日比谷で夕飯。K課長はいつもの辛口本音トーク。いわく「社員は組織と対等になれ!」
同感です。多くの大企業同様、わが社には、創価学会員にとっての池田大作氏のような絶対的なリーダーシップは存在しません。リーダーシップの存在しない組織で、社員全員が従順なフォロワーシップを実践しているだけでは未来がないのです。
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「印象」と「意味」と「真意」 2002年11月27日
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「銀行の不良債権(処理)」という言葉から受ける「印象」は、
(1)銀行の財務状況が大変だ
(2)銀行がつぶれるかもしれない
(3)また貸し渋りされるかもしれない
(4)私の預金、大丈夫かなぁ?などなど・・・。
「銀行の不良債権(処理)」の「意味」は、
借りたお金を返さない人や企業に
(1)強硬に「返してください」と言う
(2)「返せないなら、せめて金利をたくさん払ってください」と言う
(3)借金を棒引きにする、などなど・・・。
そして、「銀行の不良債権(処理)」の「真意」は
貸してはいけない人や企業にお金を貸してしまうこと。
バブル期の融資の多くがそうであったし、「政治絡みの融資」「情実融資」も伝統的に不良債権を産み出す温床です。銀行が、借りるニーズの無い融資や、返済の困難な融資を行うことは、もはや犯罪なのです。
例えば、地域金融機関が地域振興のために行った融資であっても、それが返済できない融資であったなら、それはやはり「やってはいけない融資」であり、結局これらが現在銀行のバランスシートを大きく蝕み、地域経済や産業界に悪影響を及ぼしてきたことは事実であり、自らを律することで、さらなる不良債権の出現を防止したいものです。
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好奇心 2002年11月26日
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今冬初めて河豚を頂きました。河豚だなんて、またtobyはグルメだ、とか言われそうですが、私は「食」に対する好奇心を失ったらお終いだと信じています。
男性同士でレストランに行くと、よくある会話。
「何になさいますか?」
「え〜と、カツカレー」
「あ、俺も!」
「右に同じ」
「・・・僕も、カツカレーでいいや。」
自分だけ時間のかかるメニューで、人に迷惑かけたくない?
初めての店や料理は不安だ?
いえいえ、多くの男どもは、単純に、面倒くさいのです。
かたや、多くの女性どもは、時間をかけて全員違うメニューを選んだ挙句、おかずを交換しあったりと、楽しんでいます。「スローフード」文化はイタリア人だけでなく、実は日本人女性も昔から実践しているのです。
私は、「右に同じ」カツカレーを選ぶ人間には絶対になりたくないし、常に高いレベルの好奇心を持ち続けることで、自分を高め、周囲に刺激を与えることのできる人間になりたいのです。絶対に(松江の家族に内緒で)自分だけ河豚を食べた、言い訳をしているのではありません。
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苦しい今だからこそ 2002年11月19日
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以前、三井物産(香港)の網崎副社長に聞いた話を思い出しました。
当時は97年の中国返還を間近に控えた微妙な時期で、政治や社会制度だけでなく、香港でのビジネス全般にわたって「返還リスク」があると、誰もが不安を感じていた頃でした。我々銀行員もそうでしたが、三井物産の若い社員は、あらゆるリスクを想定し、様々なリスクヘッジ方法を考案し、上司である網崎副社長に提言をしていました。ところが、網崎さんは、これを一喝!いわく
「リスク対応は(経営者である)我々がするから、君達はもっとビジネスそのもの、儲けることを考えなさい。だいたい、97年リスクとか返還リスクとか、騒いでいるが、戦前に設立した三井物産(香港)は、太平洋戦争(という、とてつもなく大きなリスク)すら経験している。中国返還などたいしたことではありません。」
果たして、これをリスク管理の専門家K先生が見たらどう思われるかわかりませんが、若い商社社員にしてみれば、とてつもなく心強い「一喝」だったはずです。先輩達が、上海・香港と苦労して海外拠点を築き、商売を拡大し、戦争を経験し・・・そんな長い歴史の積み重ねの上に、自分達が立っていることを、実感できたことだと思います。
さて、連日の株価急落で、大手銀行の国有化や企業の破綻が心配される毎日です。リスク管理というよりも、明日何が起こるかわからない、不安な日々です。でも、それだからこそ、一人ひとりが、次につながる前向きなことを行うべきです。全員がリスクに怯えているようでは、明るい未来は来ないのです。
政治家はデフレ対策を実行し、営業は一人でも多くの顧客と面談し、研究員は実験や検証を重ね、先生は子供達に知識と夢を与え、工事人夫は少しでも深い穴を掘り、そしてリッチな人はたくさんのクリスマスショッピングをしましょう。
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リッチな個人 2002年11月16日
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新宿・原宿でちょっと気の早いクリスマスショッピング。タイムズスクエア高島屋は、ブランドショップでギフトを買い求める人でいっぱい、すでにクリスマスモードです。豪華なギフトカタログには、夢と暖かさがあふれています。東急ハンズでも、ツリーやリース、サンタクロースの衣装が飛ぶように売れていました。この賑わいを見ていると、日本はどこが不況なのか?悩んでしまいます。
政府や銀行、企業は大赤字で苦しんでいますが、個人はリッチです。(中小企業を企業と見るか、個人事業と見るかで、多少「くくり方」は違ってきますが・・・)国民の多くが、不良債権処理を必要なことだと感じていながら、遅々として進まないのは、リッチな個人がなかなか本気にならないからです。
せめて国民は、しっかりとクリスマスショッピングをしましょう。消費拡大に貢献しましょう。昨年12月の日記にも書きました。Christmas is time for giving です。何が本当に大切なことか?隣人のために自分に何ができるか?じっくりと考えて、行動してみませんか?
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立場変われば 2002年11月14日
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私のよく知っているおじいさんAさんは、若い頃朝鮮で過ごしました。日本人から見た当時の朝鮮は貧しく、不潔で、いい思い出はなかったそうです。悲しいことですが、Aさんは現在でも朝鮮蔑視を隠そうとしません。そんなAさんが大切にしているのは青磁の椀やお皿の数々。
「昔、朝鮮人を使って、墓や古墳から掘り出させたものだよ。」
おいおい、そりゃ盗掘じゃないですか!盗人に朝鮮蔑視する資格なんてありません。
こう書くと、Aさんはよほど悪人だと思われるかもしれませんが、優しくて常識人で、実にいいおじいさんなのです。戦前の教育を受け、大陸で苦労をした人達にとって、Aさんのような考え方は珍しくないのかもしれません。
逆に、そんな日本人に占領され、朝鮮戦争を経て南北に分断された朝鮮の人たちが日本に対して不快な感情を持つのは仕方ないことです。同じ歴史を過ごしてきても、立場が変われば、受け止め方がまったく違ってしまうのです。
帰国した拉致被害者の5人は、前に進めず後ろにも戻れない、新たな悲しみの日々を送っておられます。自らの出自を知らずに育ち、今北朝鮮に残されている子供さんたちにしてみれば、帰ってこない両親が「日本に拉致された」と感じているのかもしれません。立場変われば、です。
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タイムマシンの調整 2002年11月11日
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井上尚登の「キャピタルダンス」読み始めました。「T.R.Y」「C.H.E」同様革命がテーマですが、辛亥革命前夜や、南米の反政府ゲリラといった、非日常的な革命ではなく、つい数年前のネットバブル時代のベンチャーバブルがモチーフ。かなり生臭いストーリー展開ですが、読み進む先が楽しみです。
文中、あるベンチャー起業家の
「アメリカの現在は日本の未来だ。だからアメリカのネットビジネスをそのまま日本に持ってくるってのが大正解なんですよ。タイムマシンです。タイムマシン経営をしていれば、成功は間違いない。」
という発言に対し、主人公が
「タイムマシン経営なんて、いつの時代にもあったものだ。外国で成功したビジネスを導入する。ありふれた手だ。そして成功率はかなり高い。だが、今回はそれが危うい面を持っていることをこの秀才はわかっていない。」
と論評する段を読んで、思わずドッキリ。私自身が、今年6月頃の日記に
「〜将来私がNY支店長になったら、タイムマシン経営する〜」
なんて書いていたからです。
「ありふれた手」ですみません。でも実際ビジネスのヒントは山ほどあります。日本の土壌にあわせた調整は必要ですが、アメリカであろうが中国であろうが、「いいもの」「面白いもの」は貪欲に採り入れるべきだと思います。
思うに、竹中大臣もアメリカ製の「いいもの」を、ほとんど日本の土壌にあった調整をせずにストレートに導入しようとするから、必要以上に苦戦しているような気がします。それでも竹中氏の良い点は、密室で決めずに議論を表舞台に引き出していることです。論点や決定のプロセスが国民の目に明らかです。仮に竹中氏が守旧派に押し切られたにせよ、それは国民が自分の目で見、自分の頭で考え、(納得はしないかもしれませんが)了解した結果であり、従来よりはずっと民主的であります。
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ネタありませんか? 2002年11月8日
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業界団体のセミナーに参加し、フューチャー・フィナンシャル・ストラテジー(株)富樫直記社長の講演を聴きました。富樫氏自身が運営するもうひとつのビジネス「まいさいど」は今のところ不発ですが、本日の講演に限って言えば、金融機関の情報戦略の問題点および今後採るべき戦略を見事にあぶりだしており、大変参考になりました。
講演の中で
「最近、複数の地方銀行の頭取から『次の中計(3〜5年ごとに企業が策定する中期経営計画)に盛り込むネタありませんか?システム投資も、商品開発も、店舗リストラもやったし、何か他にネタないですかねぇ?』と聞かれました」
という話があり、ぶっ飛んでしまいました。
これだけ、地方経済が疲弊し、中小企業が苦しんで、銀行も収益が上がらず、社会的批判をうけ、行員は激務でへとへと、なのに
「何かネタないですかねぇ?」
とは、いったい何事でしょう?いかに経営者たちに現場感覚がないかの証左です。どうやら悪いのは、厚顔無恥な四大金融グループのトップ達だけではなさそうです。わが社の頭取がその一人でないことを祈るだけです。
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捨印 2002年11月6日
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先日長女の携帯電話を買ったとき、契約書の二枚目にある預金口座振替依頼書(つまり「電話代金を銀行口座から自動引き落ししてください」という契約書)に
「捨印(すていん)を押してください」
と、言われ、やんわりとお断りしました。
しばしば契約の当事者になる銀行員だから敢えて皆さんに警告しますが、捨印なんて絶対に押すものではありません。捨印ひとつで契約書の内容なんていくらでも変更可能なのです。口座振替依頼書くらいなら、仮に改ざんされても実害はないかもしれませんが、例えば金銭消費貸借証書(いわゆる借用書)に捨印を押し、契約内容を勝手に改ざんされでもしたら大変です。一般的には、あとで銀行員が書き損じたときのため、捨印を頂いているのが実態ではありますが、そんな時はお客様にお願いして、新たに訂正印を頂けばいいのです。そんなことまですべて(オールマイティの)捨印で済まそう、というのは銀行員の横暴であり、皆さんは絶対に応じてはいけません。それを強要するような契約であれば締結しないでください。
思うに、捨印なんて制度が残っているから、日本人は一般的に契約意識に疎く、リーガル・リスクに対し無防備になったのではないでしょうか?
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役割 2002年10月31日
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会社で会議をすると、若い連中から、素直な問題意識に基づく建設的な提案や議論がどんどん出てきます。ちょっと前まで自分もその一人だったはずなのですが、妙に最近は「司会屋&ご意見番&調整役」機能を期待され、そして結構器用にそれに応えている自分がいて、なんだか居心地が悪いです。加齢に伴う社会的役割の変化なのでしょうが、もっと本音が言いたい!と思うときがあります。
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プリウスでGO! 2002年10月28日
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毎月、地方銀行協会で開かれる「例会」には、全国地方銀行64行の頭取が一堂に会し、いろいろと内緒話(?)をします。その日、神田の地方銀行協会横の駐車場は、まさに黒塗り乗用車の見本市。ベンツ、プレジデント、シーマ、クラウン・・・東京ならではの光景です。
これら黒光りする一団のゴキブリ(?)の中に一台だけ、濃紺の「プリウス」が停まっています。このプリウス、実は長野県の地方銀行、八十二銀行の公用車なのです。見栄と慢心のステイタス「黒塗り」の中にあって、なんと爽やかに見えることでしょう!
「プリウスじゃ、ホテルの正面に横付けしても、ドアマンが開けてくれないんだよね」
運転手さんはぼやいているそうですが、低コスト・低公害で環境に優しいハイブリッドカーに乗って東京を走り回る、八十二銀行頭取。お会いしたことはありませんが、最高にカッコイイと思います。
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安全をたかろう! 2002年10月24日
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トム・ハンクス「ロード・トゥ・パーディション」や、北野武「Dolls」ほどの話題作ではありませんが、「宣戦布告」という映画をロードショー上映中です。北朝鮮の潜水艦が日本海岸の原発近くで座礁、特殊作戦部隊が上陸したけど日本の自衛隊は(有事に使えない)法律にしばられて手も足も出ないという近未来映画。実際に、原発二基を後背に抱える我がふるさと島根県東部の住民にとっては、「映画だから」と軽視できないストーリーです。
放射能もれの危険だけでなく、諸外国やテロリストの攻撃対象となりうる原発は明らかに迷惑施設であり、それだからこそ電力会社各社は発電所周辺の自治体と住民に対し多大なる補償を続けていますが、なんだか違っているような気がしてなりません。ひなびた漁村であった島根県鹿島町は、原発誘致を決めたその日から、立派な道路と、役場と、学校と、運動公園と、桜並木と、マリーナと、町民の雇用と、漁業保証金と・・・その他信じられないような施設とお金を手に入れ、超裕福な自治体に生まれ変わりました。その後二号炉建設で鹿島町はさらに潤い、いままた三号炉まで建設しようとしています。近隣の松江市にも多額のお金が落ちてきました。
ここまで来ると「たかり」です。電力会社各社には、目先の地元対策よりも、放射能もれや各種攻撃に耐えうる安全対策にお金をかけて欲しいです。どうせたかるなら「安全」をたかろう!
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カントリークラブ 2002年10月18日
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有名ゴルフ場を多数経営する企業が破綻しました。全国のゴルフ場が危機的な状況です。プレー客が減少、会員権価格が低迷、財務的にも苦しく、会員権の買戻しに応じられないケースもあるようです。民間のゴルフ場であれば、破綻しても会員(出資者)、銀行、従業員が大損するだけですが、地方自治体が造成・運営に関わっている第三セクター方式のゴルフ場は大変です。さらなる支援を行うことに、自治体住民の賛同が得られるのでしょうか?
日本でもアメリカでもカントリー・クラブという呼び方をしますが、その言葉の意味合いは全然違います。日本のカントリー・クラブが純粋なゴルフ場で、お父さんや社用族のための閉ざされた世界であるのに対して、アメリカのカントリー・クラブは(ゴルフ場を併設した)地域住民のための開かれた社交場です。きれいな庭園やレストラン、ホールでは、同窓会、結婚披露宴、退役軍人の会など様々な催しが行われ、地域の人々が集います。パブリックですからゴルフのプレイー・フィーも安いです。第三セクターのゴルフ場が、これから進む道のヒントにならないでしょうか?
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冴えない「通信産業」 2002年10月15日
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ケータイやインターネットなど現代の社会インフラを掌る「旬」の産業であるはずの「通信産業」ですが、どうも最近、ワールドコムの破綻、NTTの大リストラ、アステル九州の事業撤退・・・と、元気のないニュースばかりです。最近、(零細通信ベンチャーでなく、いずれはNTTと対峙するかもしれない、そこそこの規模の)通信関連企業経営者の話を聞く機会がありましたが、その話の中に「通信産業」が冴えない理由のひとつを見つけました。
彼らの多くは「通信事業のデパート」を目指しているのです。A社がメール機能を始めたら、うちも始める。B社が動画配信を始めたら、うちも始める。C社がADSLを始めたら、うちも始める。D社がIP電話を始めたら、うちも始める・・・。個々の事業の採算性や優位性、まして市場ニーズの存在すら疑うことなく、ただただ業界のスタンダードに遅れないように「品揃え」することが仕事の中心になっているのです。事業ごとにそれなりの理由付けはあるのでしょうが、製品の陳腐化が激しい現在、個々の事業の初期コストを回収することは困難であり、決して賢い戦略とは思えません。
国債に投資信託に損害保険に生命保険・・・戦略性に乏しく「金融業界のデパート」を目指している、日本の銀行には偉そうなことを言う権利はありませんが、一番自由で合理的で前向きであるはずの「通信業界」が、実は、その対極にあるはずの「邦銀」と同じ戦略をとっている現実、これこそが「通信業界」の冴えない理由だと思います。
注1)そうでない、立派な通信関連企業もたくさんあります。ただ、規模を追求すると、上記のような間違いを犯してしまうようです。
注2)「デパート」は「豊富な品揃え」の例えとして使用しました。百貨店業界に対し、何の恨みもございません。
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テロ国家アメリカ? 2002年10月14日
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バリで悲しい事件がありました。もともとクタ・レギャン地区は、バリの中では治安が良くないといわれていましたが、せいぜい窃盗や詐欺、それも無知な日本人観光客がぼったくりに会う程度で、生命に関わるような事件など聞いたことがありません。あれほど美しい島で、それもバケーションでくつろいでいる人々が狙われたことは残念でなりません。ただただ、これ以上の惨劇が繰り返されぬよう祈るだけです。
アメリカ政府は、早速インドネシア政府に対して「報復のお手伝い」を申し出ました。第二次世界大戦以降、米国が戦争もしくは爆撃をした国は、中国、朝鮮、グアテマラ、インドネシア、キューバ、ベルギー領コンゴ、ペルー、ラオス、ベトナム、カンボジア、グレナダ、リビア、エルサルバドル、ニカラグア、パナマ、イラク、ボスニア、スーダン、ユーゴスラビア、アフガニスタンと、驚くほど多く、ノーム・チョムスキー博士が「アメリカこそテロ国家の親玉」と断定することが正しいかどうかは別にして、また新たに流血と荒廃と貧困と憎悪の歴史を繰り返すのか?と悲しくなります。
部下の石飛君が、遅い夏休みで家族と一緒にハワイに出かけています。心配でなりません。
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問題解決意欲 2002年10月09日
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部下4人の人事考課面接を行いました。6月以降一連の多忙な日々を、一生懸命頑張って成果を出してくれた4人です。私の権限で与えられる最高の評価をするつもりです。
考課にあえて差をつけるとすれば、ポイントは「問題解決意欲」です。外に内に敵は多く難題山積の厳しい環境下で、誰もが思わず愚痴を言いたくなるのが人情ですが、その人が次になにをするかが重要だと思います。ただただ環境のせいにしてしまい、それなりの仕事で片付けてしまう人、愚痴は言いながらも一生懸命「着地点」を探し、なんとか現実的な解決を図ろうと努力する人、自ずから結果に違いが顕れます。単純に成果を比較するのでなく、人間誰もが持つ心の弱さを、何とか乗り越えようとする努力の継続を見たいのです。(当然ながら、私自身にも厳しいハードルを課すつもりです。)
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人脈 2002年10月08日
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懐かしい人が訪ねてきました。元・三和銀行香港支店のM氏、現在は米系投資会社に勤めているそうです。海外に派遣されたときも、法人営業課にいた時も、県庁支店勤務に変わったときも、常に上司に言われていたことは
「人脈を作れ!」。
実は私、情けないくらいモノ覚えが悪く、特に人の顔と名前が一度で一致することはまずありません。でも、M氏の訪問をうけ、気がつきました。 「なぁんだ!自分が覚えていなくても、人が覚えていてくれる!」
つまり、その時その時、その場その場で、一生懸命相手に尽くせばいいのです。自分で人脈データベース完備しなくても、相手が必要に応じ声をかけてくれます。また明日から一生懸命人脈作りです。
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情けない… 2002年10月06日
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TV観ていたら、札幌西友の事件に対し、インタビュー受けてた一般の人に混じって、テリー伊藤や飯島愛らが「私たちだって(買ってはないけど、お金もらえるって聞いてたら)行くよねぇ」とコメント。ああ情けない。相手が悪ければ、自分も悪いことやったって構わない。そんな発想でどうするの?小泉改革を進めると、当面はとても厳しい経済です。小泉が挫折して守旧派政権に戻れば、いつまでたっても厳しい経済です。全部人のせいにして、人まかせにして、誰もが自分勝手な行動をとる世の中・・・。いい加減にしてくれ!
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頑張れ!竹中 2002年10月03日
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小泉首相、いよいよ本気です。金融庁特別チームのメンバーに、昨年、問題企業30社リストを作成し、金融庁特別検査を促したKPMGの木村剛氏が選ばれたのです。竹中−木村ラインが行うのは金融のハードランディング。問題金融機関および問題企業を破綻させ、オーバーバンキングと不良債権問題を一気に解決させる腹です。アメリカ型資本主義経済が100%正しいとは思えませんが、日本型なれあい社会主義の弊害はあまりにも大きいと判断したのでしょう。間違いなく大きな痛みを伴う改革ですが、ここで失敗すると、経済だけでなく、すべてにおいて「正しいものを正しい」といえない日本に逆戻りです。
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